金沢に暮らし始めて40数年.。この街で「見たものは、見た」。最近は「軒端に冬の山晴れて見ゆ」って心境に。
金沢暮らしの日々 ~努力は時々 報われる~
大量調理 大量消費 大量廃棄の 刺身 @ 西念 『三四味屋』
西念の「金沢市中央卸売市場」は、一般人は入れません。その場外にたくさんの飲食店が並んでいます。市場らしく早朝営業の店もあります。そのなかに『三四味屋』があります。居酒屋なので18時開店、24時閉店(OSは23時)です。この店が全国にその名を知られているのは、刺し盛りの盛りの多さ故です。
もともと刺身好きの僕は、無謀にも?一人で初入店しました。店内は 左手がカウンターと板場、右手は小あがり席なのですが、畳をタテに並べたような細長いの設えなので、テーブルには向かい合って2人しか畳に座れません。3人目、4人目は丸椅子を持ち出して、座敷の「場外」からテーブルに向き合います。これ結構笑える光景です。
一人であることを大将に告げると、「カウンター、お好きなところにどうそ」とのこと。この大将、見るからに職人気質ですねえ。その相方の内儀さんは優しい笑顔が素敵です。
「立山の熱燗お願いします」
「1合?」
「いえ2合で」
「はい」
「あと、刺し盛りの小さいのお願いします」
「小さいっていっても、1/4ですが・・」
「じゃ、その1/4をお願いします」
ほどなくしてだされた刺身盛り合わせの雄姿が冒頭写真。この刺身の山の後ろ側も、前面同様に刺身が ぎゅうぎゅう詰めになっています。ひと切れの切り身の大きさも、でかいですねえ。熱燗をちびちびしながら 一切れづつ食べ進んでゆきます。
が、20分経過の時点で、ギブアップです。突然、吐き気を催してきました。これ盛岡のわんこそばを食べ進んだ時、突然襲われる感覚と同じです。刺身はまだ1/3ほど残っています。内儀さんが「食べ切れない分は、お持ち帰りできるからね」と、僕の表情を察して声をかけてくださいます。素直に「はい、お願いします」と僕。スーパーの総菜コーナーにある透明なパックに、自分で自分の食べ残しの刺身を移し、ホッチキスで留め、レジ袋に入れます。
「お持ち帰りセットがちゃんとあるんですね」
「はい、残されるお客さん多いですから」
うーーーん。参りましたあああ です。
今日の会計は
①タラの子の煮つけ(突き出し)
②立山(1合500円)×2
③刺し盛り1/4
以上〆て4100円でした。
これ突き出しを200円と仮定すると、刺し盛り1/4は2600円ということか。この刺し盛り1/4を 3人で食べるととても快適においしくいただけますね。普通の居酒屋で「刺し盛り3人前2600円」と言えばまあ、「高くもなく安くもなく」ってとこでしょうか。刺し盛りのボリュームの圧倒的パワーにKOされた夜でした。
じゃ、また行きたいとなるかというと・・、刺身の量は,更にこの1/3でいからその分値段も安く、そして何より落ち着いてゆっくりと味わえる店がいいな と 負け惜しみの初老の男の独り言でしたあ。
家に帰って、ふと冷静になって考えたこと
会計を済ませて店を出ようとしたとき、内儀さんが「どちらからいらしたんですか」と問われました。「いえいえ、地元です」「あら、そうなんですか」。確かに、観光客や出張族も多いと思う。そういう人たちも、食べきれなかった魚は、持って帰ってもらうのだろうか。飲食店で生ものの持ち帰りって、保健所は何も言わないのかな。
持ち帰り用のパックに魚を詰めていた時の会話、「いや~魚の量、すごいですね」「多くてすいませんねえ」。ということは、食べ残しがないような普通の盛りの刺身をメニューに加えるつもりは、ないってことだと思う。普通の刺し盛りなら、2600円の価格にするわけにいかないしね。かなりの客が刺身を食べ残すことを織り込み済みで、客単価を上げる方策がこれなんだ!。
で、今日の記事のタイトル「大量調理、大量消費、大量廃棄な店」というのが、僕の結論。
まっ そんなことを考えた次第です。
« 『からやま 金... | 真夜中の散歩者 » |
コメント |
コメントはありません。 |
コメントを投稿する |