金沢に暮らし始めて40数年.。この街で「見たものは、見た」。最近は「軒端に冬の山晴れて見ゆ」って心境に。
金沢暮らしの日々 ~努力は時々 報われる~
『シベリア鎮魂歌ー香月泰男の世界』 @ 立花隆
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今年2011年は 画家の香月泰男の生誕100年(1911年10月生)で、一部の美術ファンの間では、話題にはなったが、世間一般では、さすがにこの21世紀に、「もう シベリアでもないだろう」というのが、一般的な受け止めだっただろう。
しかし、本書の中では、21世紀どころか 既に1965年(昭和40年)の時点で 毎日新聞で「依然として(中略)戦争を追求し続けている画家」と報道さてていることが、紹介されている。
香月の代名詞でもある「シベリアシリーズ」で、他ならぬ香月自身が「シベリアは、もうこれで終わりにしよう」と何度も思いながらも、「もう1枚、あと1枚」と 描き続けさせたものは 何だったのかを 丹念に掘り起こしているのが、この本です
決して二度と体験したくない,思い出したくないものだけれど、それがあったからこそ、今の自分がある・・・・。そんなことって、程度の差こそあれ、だれにもあるよね。それを 画家としての自分の「生きる中心軸」に据えた、というより「それ以外の選択がなかった」のが、香月だろうね。
小説家は 書きたいものを書くのではなく 書かざるえないものを書く のです
画家は 描きたいものを描くのではなく 描かざるえないものを描く のです
あなたにとって 「書かざるを得ないもの 発言せざるを得ないもの」は 一体何なのだ と読む者に迫ってきます
立花隆自身は、僕はあんまり好きではないけれど、氏のテーマにせまってゆく取材方法というかその姿勢には、学ぶべきものがたくさんあるね。
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