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『老いの道づれ~二人で歩いた50年』を再読する



 この沢村貞子の本ですが20年以上前、発売直後に買って読みました。今、自宅の書棚にないということは、誰かに貸したままになっているのか、はたまた処分したのか思い出せません。

 本を処分する(=売る)ということは、基本的にしない主義の小生が、この本が今手元にないということは、この本に限って、手放しかったのかもしれません。その理由は、たぶん本の内容がリアル過ぎたからでしょうか。

 沢村貞子は、今更説明不要の、昭和の大女優、名わき役ですね。
 
 しかし、戦前から俳優をしていた彼女は、治安維持法違反で逮捕、2年近く拘留され、「臭い飯」を食ってきた経歴の持ち主。なので、戦後、テレビドラマ全盛時代にになっても、監督やディレクターから「扱いにくいインテリ女優」と思われていたそうです。

 その理由の一つは「泊りがけの仕事はお断り」だったから。なぜって、毎日、夫の食事をつくらなきゃならないからです。

 今の感覚で言えば、「おい おい」となりますよね。でもこの本を読んで、なんで沢村貞子が、年下の夫の側を、ひと時も離れたくなかったのかが、よくわかりました。

 この本、若い時読んで「?????」と思う人は多いかもしれないが、年を取って読むと、涙が止まりませんです。

 最近、NHKの『365日の献立』という5分間番組が人気のようで、今の若い人にも、料理を通じて、改めて貞子ブームがおきつつあるようです。

 うれしいことですね。「おていちゃん」が、生涯かけて実現したかったこと、そして実現した事の本質が、その料理を通じて 伝わるといいなと思います。









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