秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(海を渡ってデリシャス~)

2010年12月25日 | Weblog
そばの栽培は、山間高冷地に適し、発芽適温25~30度、生育適温20~31度とされている。
生育期間は、65~90日で、雑草の抑制、地表被覆、土壌流出をおさえ、地力維持で病害虫の発生が少なく
まさに今日において、祖谷地方に蕎麦が伝わってきたのは、頷ける。※90%東祖谷村誌からパクル
あしからず…

と言う事で、本日土曜日!
マイナスの寒波に、抱きつかれたままの、山の一日。
叔母さんのお手伝いを、しました。

『もうせんわ~!今年が最後じゃ~!』
『今年だけ蕎麦と餅、送ってやったら、来年はせんわ~!』
『神戸のおじさん、生きとる間は、祖谷蕎麦、食わしてやりたいきんの~』
『まっこと、もうせんわ~脚も膝もいうこときかんわ~!』

一年…
二年…
三年…

同じ言葉を、言い続けてきた、叔母さん…

そして、今年
おじさんは他界した…

『神戸のおじさん死んでも、嫁さんに食わしてあげないくまい?今年が、最後じゃあ~!来年はせんぞ~!』


「今日は、下りてきても、何しに来たんぞっ?って、言われんかったわ~」

蕎麦を華麗に打ちながら、いつもの叔母さんのお友達が言った。
畑仕事に、四季折々の農作業!
この方がいなかったら、叔母さんは絶対に、一人では、出来ていないんだ。
ありがたい。
この小さな身体で、皺くちゃな手で、
何もかもを、完成させているんだもの。
つなぎなしで、蕎麦を打つ!
さっきまで、粉だったのに、おばあちゃんのマジックで、あっという間に、混じりっけなしの祖谷蕎麦が、完成する!


85歳のおばあちゃん。60年以上も、蕎麦を、何かしらの機会に、打ってきたと言う。

『すごいなあ~年期の技じゃあ~』
私が言うと
毎日、打ったのではないと、笑って答える。
私も、一緒にこねたり、切ったり…
二人で、6枚を打った。
二人で…
二人で…


振り向くと、肝心の叔母さんは、チラッとこちらに見て、
近づいて来て、上から覗き込みながら、つぶやいた。


《上手い事 できよるでぇ~》


蕎麦。美味しかったです。
いつも、打ちたての蕎麦を、食べる度に、思うんですよ…

《これを寝たきりのお年寄りに1回、食べさせたい…》って。

ストレートな味は
心に利く。
他には何も いらない
ストレートな言葉は
心に効く。
他には何も いらない

黙っていても
伝わらないから、
ふぞろいな 気持ちでいいから
言葉にしてみよう

ストレートを
召し上がれ

ストレートは
温まるから…


茅葺き屋根の名人、義時おっちゃんの
名句が、ふと浮かんだ
『祖谷そばや・海を渡って・デリシャス~』
アーメン





















































































コメント
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