茅葺きを叩きて襲う男梅雨
崩れ茅引き千切れたり青嵐
凛と立つ夏木の蔭は寂しけり
廃家集落とはよく言ったもので、そこはすべての家は廃家であった
それもずっと以前から住人が棄てたものであろう。
ただ一軒だけは整理整頓が行き届いているのをみると畑仕事に来ては
休んでお茶に使っているようであった。
なかでも、茅葺きの廃家はもう崩れかけており、生活の匂いのかけらも無い
風景を見るにつけ、明日の平安を探すことが出来なかった住人の悲しみを
この茅葺きはきっちりと知っていることであろう。
屋台骨が崩れて尚も踏みとどまっている廃家の透き通るようなココロの
風景は梅雨曇りの廃家集落にすっきりと佇んでいる。
夏草の噎せ返るような吐息と過っては住んでいた住人の恨み言が静かな
空気を震えさせていた。
崩れ茅引き千切れたり青嵐
凛と立つ夏木の蔭は寂しけり
廃家集落とはよく言ったもので、そこはすべての家は廃家であった
それもずっと以前から住人が棄てたものであろう。
ただ一軒だけは整理整頓が行き届いているのをみると畑仕事に来ては
休んでお茶に使っているようであった。
なかでも、茅葺きの廃家はもう崩れかけており、生活の匂いのかけらも無い
風景を見るにつけ、明日の平安を探すことが出来なかった住人の悲しみを
この茅葺きはきっちりと知っていることであろう。
屋台骨が崩れて尚も踏みとどまっている廃家の透き通るようなココロの
風景は梅雨曇りの廃家集落にすっきりと佇んでいる。
夏草の噎せ返るような吐息と過っては住んでいた住人の恨み言が静かな
空気を震えさせていた。