緩やかな登りをゆっくりと歩き、やがて分岐から急坂の細道をしっかりクラストした雪を踏みしめ
一歩一歩滑らないように注意しながら高度を上げて行く
積雪しているものの、暖かい空気に汗ばんでくる、もう、冬ではない春の風情である
小枝や葉っぱに付いた雪がポトポトと音を立てて落ちるのをBGMにしながら黙々と
歩く心地よさ、ひとりしずかに、いまのところ小鳥の囀りは聞こえない
今朝はぼくもちょっと早めに登りだしていたからか、まだ、誰も登って来ないようだ
暖かさが続けばこの雪も敢え無く解けてしまうことだろうな、雪ノ下から春の芽生えが
どっと押し寄せるだろう、
それにしても、芽生えだして咲き始めた花々が冬の土の中でどんなふうに胚胎しているのか、誰が知りえましょうか
決まって芽を出し咲くサイクルに自然の豊かな智慧に驚嘆せずにいられましょうや
歩いている道々に他愛もないことを思いながら、いつの間にか山頂に近づいていました