しずかな、しずかな、里山の初夏、いま、ここに、清楚な花々に埋もれてひしひしと
ひたひたと時間が過ぎ去り、木漏れ日がわずかに傾きだして、はっと息を呑む
普段着のいかにも控えめでひっそりと佇む名も知れない花々をぼくはいつも凝視している
つねづね、このような自然の花たち、明日にも散り去るかもしれない生の生き様に
ぼくのエゴでカメラに収めてしまったことを悔やんでいるかもしれないと思う
初夏のいかにも若々しい新緑の匂いと澄んだ爽やかな空気に華やかな生命の息吹を
感じながらも、その裏で脈々としずかに時を刻む終わりのあることを秘かに思う





