小鳥たちの歌声に導かれ、爽やかに初夏の風が吹き抜ける早朝に歩いて歩いて
キュウイ畑に漂うキュウイの花の香りにうれしくなる
さみどりの木々に、草花に、数メートル先をひょい、ひょいと飛びはねるハンミョウに
寄り道をしながら、ゆっくりと深呼吸をして生きていることを実感する
さとやまの豊かな雑木林、日々の移ろい、初夏の爽やかな風、土の匂い、暮らしの匂い
いつも出会って軽く会釈する農家のひとたち、散歩しているお年寄りのひとたち、などなど
時間と共に過ぎ去ってゆく、この平和な自然と暮らしに、いまや、暗雲が立ちこめはじめた
いつのまにか、物言えぬ日々が迫ってきている
小鳥たちのように自由に囀ることが、ひとには出来なくなる日が迫ってきている
キュウイの花