炎の最盛期の状態では顔が熱くてたまらなかった。
一番前に出るチャンスだったが、とても前に出る気にはならなかった。
人の後ろに立って、隙間から写真を撮った。
顔は熱くが、逆に背中のほうは寒気がしてきた。
火が燃えている間、読経はずっと続いていた。
火の勢いが衰えると、山伏が竹の枝で中央の通路を掃きながら通り始めた。
それが終わると、三方をもった黒装束の山伏から火渡りを始めた。
山伏が先に渡り終えてから、一般の人も渡り始めた。
みな裸足になり、通路の入口に置かれた塩の上に乗ってから渡り始める。
自分の靴や荷物を持ちながら渡る。終わってから、出口側の塩の上に乗っていた。
小さな子供は、山伏に抱えられて渡っていた。
渡り終わると、二人の子供が紅白の餅を渡していた。
なぜか、餅を入れた箱を置いた台の下に男の子が座っていた。
川越ケーブルテレビが取材に来ていて、渡り終わった人達にインタビューをしていた。
インタビューをしていたのは、テレビでもお馴染みの坂井絵美さんだった。
インタビューの脇では、渡り終わった人達が足を洗っていた。
火の勢いも弱くなり、周りの見物人も少なくなった。
山門の方にはまだ多くの人達がいた。火渡りの順番を待つ人達だった。
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