ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

函館本線

2007-07-27 05:32:00 | WORKS
車窓から見える山や川や野原は、どこまでも果てなく広がるワンダーランドだった。

 当時旭川に住んでいた小学生の私は、よく函館本線に乗って札幌へ行った。4時間ばかりの間、汽車の窓からゆっくりと移り変わる風景を、心躍らせて飽きずに眺めていた。この小川は、どんな山の中から流れてきたのだろう?あの草原の茂みは秘密基地がつくれるかなあ。ああ、この大地でずっと遊べたら、どんなに楽しいだろう?

 その日も私はいつもと同じように、車窓に顔を近づけて外を眺めていた。しかし何度も見た光景のはずなのに、どんなに目を凝らしてもただ黒いばかりで何も見えない。漆黒の原野は、永遠に漆黒が続くように思えた。
 祖父が倒れたとの知らせで、夜中に急ぎ札幌行きの汽車に乗ったのだった。隣の席の父も母も黙ったまま目をつぶっている。私はいつものように窓際に座り外の風景を眺めているが、いつもワクワク見る山や野原は、今日は真っ黒く塗りつぶされている。その時私はまだ肉親の死というものを経験したことがなかった。漆黒の原野には、ぽっかりと死の世界への入口が口を開けているかのようだった。

 やがて点々と灯りが増えてきた。汽車は市街地に入ったようだ。札幌に着いたのだ。街のあかりが煌煌とまばゆい駅に、汽車はガタガタと揺れながら入って行った。ざわざわとした人ごみが私を迎えた。冬山から救出された遭難者のようなほっとした気持が込上げた。

 その後何年も北海道に住み、旭川札幌間を幾度往復しただろう。いつも同じ風景を車窓から眺め続けた。
 
 やがて東京へ出ると故郷は遠くなった。
 久しぶりに踏む北海道の大地。札幌駅が近づいた車窓に、ワクワクした高揚感と未知の原野から生還したかのような安堵感が、ふわりと鮮明に蘇ったのだった。

私が雪を好きな理由。

2007-07-23 05:48:05 | WORKS
残念ながら、受賞しませんでした。六花亭エッセイ公募「私の北海道」
ここに記録しておきます。

「私が雪を好きな理由」
 東京に移り住むため飛行機に乗った私は、もうこの北の大地に帰ることはないのだと、心に決めていた。
 私は札幌で生まれ育った。なのに私は思春期を迎えると、おおらかな北海道の風土に反発していた。この大地を出る時から、私の人生が始まるのだ。ただ漠然とそう信じて、大学入学と同時に勇んで上京した。
 しかし失意の中で、私が札幌駅に再び降り立ったのは、それからたった四年後だった。その後札幌で暮らす私には相変わらず北の風土は苛立たしかったが、冬の訪れと共にやってくる雪には心和んだ。寒風が連れてくる初雪は、ふわふわ温かで希望が詰まっているように思えた。冬は実は暖かい季節だった。人々は吹雪の中コートに身をすくめて凍え、太陽は光を弱めるが、その時の私には、そんな冬の方が、かえって居心地良かった。暗い空から舞い降りてくる初雪は煌めいていて、私の心に灯火をともした。
 毎年必ず冬は巡りきて、必ず初雪を連れてきた。初めは白い雪の訪れに長く暗い冬を思い安堵していたが、段々と冬の先の春の暖かさを少しずつ楽しみに思えるようになっていった。深く抉れていた私の心の傷を、繰り返し降る初雪が少しずつ埋めていってくれた。
 やがて七年が経ち、私の心の傷は癒えた。すると私はまた、白い雪で覆われることのない土地へと向かっていった。私を癒してくれた白い雪を再び捨てて。案の定二度目の東京も私を痛めつけたが、七年間をかけて私の心に積もった初雪は根雪になり、もう二度と溶けることなく私の心を守ってくれた。
 今でも私が空に求めると、盛夏でも春爛漫でも、初雪はふわりと舞い降りてきてくれる。どうしても許せなかった北の大地に、毎年必ず降るあの初雪が。

梅雨のディスプレイ

2007-04-22 23:34:13 | WORKS
カフェに新茶が登場しました。

まずは種子島の甘いお茶から。
新茶のフレッシュさと甘い旨味が両方味わえて、お得です。

新茶はこれからが本番。
来月のメニューはオール新茶です。

甘味旨味の強い新茶と、さっぱり系の渋みもある新茶と
新茶にもいろいろあるので
飲み比べていただきたいなあ。

私は新茶の青臭さが好きです。
新茶のシーズンには必ず買いますが
まだ高いので。。。
家族はあんまり好きじゃないので、新茶は自分専用です♪

ディスプレイはもう梅雨。
菖蒲燕子花が先か、アジサイが先か迷いましたが
アジサイから。
5月には燕子花かな。

梅雨の季節は衣替えの季節でもあり。
しまっていた単衣の着物も着られるし、帯も軽やかに。

GINZA茶楽
http://www.moegi.co.jp/cyaraku/index.html

桜の次は?

2007-04-06 10:31:15 | WORKS
桜の次は、端午の節句?
でもちょっと早い気がしました。

カフェとしては
新茶のオン・シーズンです!
新茶、新茶、新茶!と言う感じに
なる寸前なので、

ディスプレイも新茶で行きたいんですが。
これがまた悩みどころ。

もう少ししたら新茶色をもっと出さなきゃ。

とりあえず、
ふじかおり
という藤の花の香りのお茶(すごーくフローラルな香りです)
がメインなので、藤に逃げました。

先月の桜の香りのお茶も優しい花の香りで好きでしたが
藤もインパクト大!
こう言う日本茶も、楽しめますね。

桜が咲いたので、もう終わり

2007-03-27 23:24:23 | WORKS
東京では、桜の街路樹がちらほら咲き始めています。
ここのところ急に暖かくなったので
一斉に咲くでしょう。

さくらは、一気に咲いて
一気に散るのが綺麗です。

カフェの桜バージョンも
桜が咲く季節には、もうおしまいです。

急いで次の準備をしなくては。

次は、藤と端午の節句&新茶バージョン
欲張り過ぎて、収拾が付かなくなりそう。。。
プラン立案中です。

今年のお花見は早そう?

2007-03-07 22:53:43 | WORKS
三月に入って
ひな祭りから、桜へとディスプレイ替え。

桜のディスプレイは2回やります。
なんといっても、一年のイベントのうちの一つだし、桜咲くって。

次回の2回目の桜ディスプレイは
洋風に。
私にとっては、けっこう難問だ、頭痛い。


お茶も
桜の香りのお茶を。
春らしい、優しい味のお茶と。

春になって
お客さんがたくさん来てくれるといいなあー。
お茶って、おいしいですね。
って言われると、ウレシイ。

ひとりでゆっくり書きものとか、読書とかしてくれる女性のお客さんが
私は好きです。
日頃、忙しくってストレス溜まるだろうなあ。
ここですこーしゆっくりして
気分転換の贅沢なひとときにしてもらいたいなあ。

素敵な空間になるよう
私もプロの端くれとして、精進しようっと。

ディスプレイひな祭りバージョン

2007-02-15 21:43:55 | WORKS
バレンタインデイが終わったので
次はひな祭り。

桜、端午の節句、と次々季節の風物詩が待ち構えている。

呉服店の中なので、季節先取りを求められるが
お茶としての季節感もあるので
バランスがムズカシイ。


掛け軸風にしたいのです。
でも、表装はやったことがありません。
チャレンジしてみようか?というきもしますが、今は時間的にむずかしいかな。

ひな祭りの絵は
木版画です。
これで、丸表装の軸を作ってもらいたいなあ。
どなたか作って下さる方はいないかなあ。
ム過子の友人で、趣味で表装の世界に入ってセミプロになった女性がいました。
残念ながら、45歳頃若くして亡くなってしましました。
彼女も頑張っていたのに。


藤の花の、裂地を使って、表装っぽくしたいのですが。

明日は裂地探しだな、地元で見つかるかな。

ディスプレイバレンタインバージョン

2007-02-05 07:24:40 | WORKS
節分が終わって、大至急バレンタインバージョンにディスプレイ変更。

?のオブジェのつもりが
「焼き芋?」とか、いろいろ言われて
汚しの色を取りました。(緑っぽい和紙を中に重ねていただけ)

私としては
洋の雰囲気にしたかったのに
出来てみるとなぜか和の雰囲気が。

スケッチや頭の中で描いているのと
実際にものを置いてみるとずいぶん違う。

少しゴージャスな雰囲気を出したかったのに
私は、ものを沢山置くのは苦手みたい。
余白空間がある方が、しっくりきます。
その辺が、感覚「和」なのかも。


お店では、今週からお干菓子にチョコレートを出します。
お番茶とも合うし
主菓子が和生菓子だから、干菓子は洋風の味がいいな、
と思っているので○

ホワイトデーに抹茶にマシュマロを入れるとか
いろいろアイディアが。
この際だからいろいろチャレンジしてみるのもいい。
おいしそうじゃん、抹茶にマシュマロ。
楽しいしね。

バレンタインデイが終わったら、
次はひな祭りバージョンに。
今から案を練ります。

ディスプレイ節分バージョン

2007-01-31 10:20:57 | WORKS
お店のディスプレイ替えをした。

2月からバレンタインデイこうと考えていたのだが、
節分のディスプレイをリクエストされて急きょ考えた。

マメを、大豆包みの折形で折ってみて、包んでみる。

柊が花屋さんでなかなか売っていなくて
お店の生け込みから拝借した。

福は内
ということで、
紙を加工。。。もうちょっと試行錯誤が必要だったかも。

2月3日までの展示です。
それからはバレンタインバージョンへ。
今度は洋風にします。

cafe ディスプレイ

2007-01-17 03:44:58 | WORKS
1月3日から
日本茶cafeがオープンした。
オープン初日から、お店に立った。

丁寧にお茶を入れて、味や香りがイマイチだと入れ直したりするので
少しの混雑でも、狭い厨房は大変なことに。

でも高い値段で、お茶を飲んでいただくのだから
美味しくないお茶は、やはりよろしくないと思う。


それでも、お客さんのくる日とこない日があって、
来て下さらない日は、虚しい思いをするので。。。


店内のディスプレイは
なんとなく私がすることに、してしまった(ちょっと強引?)
メニューとか、カードとか
デザイン系統のものは私がやっているので
イメージの統一感が取れて良いのでは?
と、勝手に思っている。

ディスプレイは、大好きなので
考えるのは楽しい。

写真は
オープンから15日までのディスプレイ。

お正月を意識してみた。

お茶の葉に、個性があって面白いので
必ず見せることに(みんなで、そう決めた)

16日にディスプレイ替えをした。
新春のまだ寒い感じと、まだちょっと華やかな気分を
表現して見ようと。

2月には、バレンタインに変わります(どこもそうだけどねー)
今度は「洋」にしよう。