ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

お江戸日本橋のたもと

2010-04-09 23:48:22 | Weblog
日本橋は、呉服屋さんと製薬会社と、証券会社と…色々な会社の、本社がたくさんある
今や巨大ビジネス街ですね。

日本橋のたもとの近くの、呉服ギャラリー 夢紫美術館 日本橋ギャラリーにて、近江上布のコレクション商品をご覧頂いております。
4月6日から11日まで、6日間の展示で、私もお店にお邪魔しております。

谷屋染織 さんという、親しみやすいお店です、けれども本物を色々とお取り扱いの老舗呉服屋さんです。

お店の方の、お着物姿を毎日拝見しては、素敵だな~とうっとり。
お店の商品を興味深く眺めては、勉強になるなあ~と思い。

お店の方がお客様に説明なさることを、「耳だんぼ」で聞いて、知識を増やしております。

お着物は奥深く、知っても知っても行きつくところはないのではないかと思うほどですが
日本の繊維産業、地場産業の原点ですから、しっかり勉強したいものです。

各地の織物にはその土地土地の歴史や風土や気候や文化がしっかり刻み込まれていて
織物、染物って、本当にすごいな。

お着物に親しんでいらっしゃる方々にも、着物地を洋服でも、という感覚を知っていただけるといいなと思い、ご説明しています。反物も持っていっているので、「着物にしたいわね~」と言われると、笑顔であいまいにお返事するしかないんですけれど…


日本橋のすぐたもとに桜が綺麗に咲いていました。
いいですね~お江戸の桜、という感じです。
町の雰囲気が、下町に慣れた私には落ち着きます。老舗の名店が多いのも楽しい。
町の中にも、お着物姿の方が多いです。

今月の20日からは、浅草 弥姫乎ショップで、販売を開始します。
多くの方との出会いが続きますように…

HUST インスタレーション

2010-03-31 22:30:53 | Weblog
終わってしまった展覧会で申し訳ないのですが

臼木秀之+遠山伸吾 のアートユニット「HUST」のインスタレーション
「In Vitro」が
ヨコハマ・クリエイティブ・センター ホールにてありました。

横浜らしい旧い西洋建築を模した空間で、無数のセミの抜け殻が浮かぶ…

音楽と相まって広い空間が胎内のよう。
抜け殻に付けられたバーコードは、遺伝子情報のよう…

洋館風の壁の真っ白さと妙にモダンなシャンデリアに違和感を覚えるが
空間に身を置いていると、だんだんそのミスマッチ具合も、その奇妙なズレが心地よく感じてくるから、人間の感性なんて結構いい加減かもしれない。

セミの抜け殻は、思いのほか綺麗だったし
これだけの数を集める過程を思うと、
私が関わっていない作家のその行為そのものがインスタレーション作品に思えてくる。

…しかし、この建物は好きじゃないなあ。
全部が大理石でできていれば、好きだったと思う。
偽物は、ウソ臭さが匂って来るんだよなあ。

今回は、建物の偽物っぽさと、作品のシリアスさが醸し出す奇妙な違和感が、なぜかとても心地よかった。

次回の「HUST」作品は5月17日から銀座一丁目にて。
こちらは本物の旧いビル 銀座奥野ビルのギャラリーにて。
楽しみです。

富岡

2010-03-15 13:41:13 | Weblog
群馬県の富岡製糸工場跡に行きました。

「工場」「跡」というのが、私にとってのツボです。

工場写真を撮る方々、工場フェチ?、廃墟マニア、等々、気になるところなのです。
機械とか、配管とか、どういうわけか惹かれます。
それが朽ちていると尚更です。

そんなわけで、富岡製糸工場跡をのんびりと訪ねました。

世界遺産登録を目指して町をあげて頑張っていますね。
日本の製糸業の歴史的な意義や、女工哀史については学校で習った記憶がありますし
そういう意味では意義もあるのかなあと思います。

うららかな春の陽気でした。
工場の敷地の中、建物や、機械の風景も印象的でしたが
富岡の町の昭和を色濃く残した風景もとても印象的でした。
時間から取り残されたようなものたちが、ここかしこに残っています。

一番目に入るのが、看板ですね。
昔の面影を保ったまま役割すら忘れられたような風情。
なんとも愛おしくなります。

旧いものには時間が刻み込まれている。
その時間の圧縮を見るというのも、今の私たちには必要ではないかとも思ってしまいます。
新しいものの下には必ず旧きものがあるものだということを、忘れないように。

旧いものが必ずしも不要なものではないということも。

世の中に不要な物などあるのだろうか…

核兵器さえも、考え方によっては「抑止的」に必要だとさえ唱える人もいるものです。
私自身は、核抑止論者ではありませんが…

なんでも切り捨てる方が怖いこともあります。

崩壊の美しさを撮ろう

2010-03-11 22:37:11 | Weblog
写真を撮る機会が増えて、また、もともと映像系は興味があって
写真家の方に見てもらっていたりしたのすが

なんだか、他の方の巧い写真を見たり、人の意見を聞いたりしているうちに

「写真で何を表現したらいいのだろう?」
「私は、誰に、何を伝えるべくして、写真を撮るのだろう?」

なんて、ドつぼにはまっておりました。

いろいろな写真家の作品を勉強したわけでもないし
ましてや、一眼レフを持っていない!(論外?)のですが

こんな映像が好き、というのはありますし、絵画とは違う映像の世界に魅力を感じるのも確か。

映画だと、ストーリーよりも、映像が美しいかどうかが、私にとっては重要です。
タルコフスキーとか、ミハルコフとか。

今日は写真倶楽部のの先輩に、ちょっとだけその悩みを相談しました。
景観地が大事なのですね、数を撮ることで見えてくるものがある、とのこと。
そして、余計なことを考えず、楽しく撮りたいと思ったものを撮るのがいいとのこと。

好きこそものの上手なれ。
まず、気持ちが動いたものを、たくさん撮ることにしよう。

私の撮りたいのは、壊れていく日常の時間、のようなもの。
壊れていくものへの親しみの感情があります。
その壊れ方も、時間の経過とともに崩れていくような壊れ方が、グッときます。
なぜそんなものに惹かれるのかとか、深層心理を考えるとまたややこしくなるので、
心が動いたものを撮ってみたいな。



本当にいいものは力がある

2010-02-26 23:17:04 | Weblog
銀座で展示会を続けております。
今週いっぱいなので、もう少しです。
毎日、多くの方にお会いして、いろいろなご意見をうかがっている中で
気付いたこと。

本当にいいものは、説明がなくても伝わるのだということでした。

今回展示している商品の中に、スペシャルな生地のものがあります。
大西新之助さんが手機で織られた生地です。

私は、この商品は手織りだということを分かっているので当然ですが
多くの方が、私が説明する以前に、これ素敵ね。と見惚れてくださるのです。
本当に、麻生地なのに、絹のような光沢もあり
深みのある色、先染めの柄、素晴らしいものだと思って毎日見ております。


その商品を、今日ふっと入られたお客様が一目惚れされました。
特にお着物をお着物になるわけでもないご様子でしたし、私がこまごまとご説明する前に、素敵、と見染めてくださりそのままお嫁に行きました。

試着されましたが、一目惚れされただけあって、お似合いでしたし
きっと素敵に着こなしていただけると思うと、嬉しいです。

つくづく、魂のこもったモノには人を納得させる力があると感じました。
これからも職人の心意気が込められたものの持つ力を信じようと思います。


銀座コマツビルは工事中ですが

2010-02-24 21:59:09 | Weblog
コマツビルの隣のギャラリーで展示会に参加しています。

画家さんでもあり、自らデザインにかかわった洋服に手書きでペイントする「絵衣」の作家さんでもある臼木さんの「絵衣展」に特別出展しております。

すべて手書きの世界に一つの洋服のパワーはすごいです。
また、なるべく布状で、自由にアレンジできるデザインもなかなか秀逸で、着こなしが楽しいだろうなあ。と欲しくなります。

さてさて、私の方は、近江上布コレクションを一揃えお見せしています。

お着替えが出来ないスペースだったり、いろいろと難しいのですが
「上布」の布の持つ力を、実際にご覧いただいたり触っていただけるのは
こういう機会ならではです。
残念ながら写真では表現しきれないものは、実物を触って、身にまとっていただけると
百聞は一見に如かず…です。

モノの持つパワーはすごい。
職人さんの魂のこもったモノだからだと思います。

私も、多くの方の、私自身では思いもよらなかったご意見や感想をいただけて
毎日、ビックリしたり、落ち込んだり、喜んだり…となかなか忙しい。

ギャラリーへの行き帰りや、ランチに外に出ると、銀座の毎日の様子がわかって
なかなか面白いものです。
銀座も刻々と変わっています。

今週日曜(日曜は16時まで)
ギャラリー近江で過ごしております。
明日も楽しい出会いがあることを祈って。
お天気もよさそうです、温かいのが何よりですね(私はとても寒がり…冬は苦手です)

寒い中ありがとうございました

2010-02-17 15:15:55 | Weblog
弥姫乎さんでの「新之助上布コレクション」展示会が無事終了しました。

会期は2日間でしたが、生憎の雨と寒さ。
ご来場下さった皆様、寒い中また足元の悪い中、浅草までいらしていただき
ありがとうございました。

皆様に、上布の生地のさらさらととても軽い感触と

弥姫乎さんの粋なデザインを見ていただけましたこと

とてもうれしく思っております。

カタログで見るのとは、実物とはまた違うイメージだ、とおっしゃられた方が多く
実際にみていただくことが、一番伝わるのかなあ…と思いました。

色々な機会で、多くの方に知っていただけるように頑張ろう・・・と思います。

来週22日からは銀座のギャラリー近江さんでの「臼杵秀之」さんの「絵衣展」
に特別参加でお邪魔しております。
詳細はこちらから
http://nibiiroshya.jp/

またたくさんの皆さんにお会いできますように。

それにしても今日も寒い…
家にじっとしていても、外を自転車で走っていても、どちらにしろ、寒いです。
昔はこれくらいの寒さが普通だったんだよなあ~、と改めて温暖化に慣れてしまった
体を思います。
人間って、本当に易きに流れやすいもの。
色々な点で、心して自分にも厳しくしないとなぁ、とは思うだけで、毛布に包まる誘惑が…。

鈍色舎×弥姫乎 新之助上布コレクション展示会中

2010-02-15 21:58:16 | Weblog
新之助上布コレクションの展示会弥姫乎ショップで開催しています。

今日明日の二日間ですが、今日は冷たい雨の中、来て下さった皆様、ありがとうございました。たくさんの方にみていただけることを嬉しく思っております。

今日は本当に寒くて、浅草も人通りもまばら…

午後には土砂降りの中、全身びしょ濡れでポンカンを売りに来た八百屋さん?…大変ですね。寒そうだったので思わず買ってしまいました。

明日は晴れるといいな。。。と思ったら、雪の予報!まあ、また明日来て下さる方
寒いだろうなあ…申し訳ないです。
爽やかな上布(麻)のお洋服をご覧になって、気分だけでも夏に思いをはせていただければ…

今年の夏は、爽やかだといいですね~。

また明日、浅草でお待ちしております。


こくぼくん

2010-02-12 09:09:11 | Weblog
スノーボードのオリンピック選手、国母くんの騒動を報道で聞いていて
おかしくなりました。

「服装の乱れ」って、実に懐かしい言葉じゃありませんか!
中学生高校生の頃、毎日戦っていた言葉ですね~懐かしい(笑)

世間とか、社会の常識とかを蹴散らして生きるんだと思っていたことを思い出しますし
今でもまだそんなようなことを思っていたりするので、私は国母くんの気持ちが
ちょっとだけわかる気がします。

彼の姿を見て、思い浮かんだのは
「ピーターパン」と「ホールディン」

でした。

ピーターパンのお話は詳しくないですが、
ホールディンは、のちにシーモアとなって(というと、研究者の方に叱られますね)
自殺しちゃいますよね。

純粋に自分を信じたり愛したり、では生きにくいのが人の世の常でしょう。

人の顔色や常識にかなっているかを気にしながら生きることが
そんなにまともなことなのか、

だいたい「乱れた服装」って、なんだろう?
乱れの基準は何ですか?と笑ってしまいました。

そもそもこんなことで「注意」されたりこんなことが「ニュースになったり」することの方が
文化度が低いのではないかと、いつものように、我が国を恥ずかしく思ったり。

大人の顔をして、非難する人、まあまあと分かった顔をする人、たくさんいるんだろうなあ
と思うと、大人ってなんだろう?と改めて思ってしまった私も

未だホールディンのまま、生きているのかもしれません。





こんにちは^^

2010-02-09 22:32:39 | Weblog
私の自宅兼事務所はマンションの11階にあります。

もうこのマンションに入って9年になります。
9年前引っ越してきた時のことを、結構鮮明に覚えていたりします。
引っ越し当日(真夏でした)の夜に、さっそくサンマを焼いて、新居をサンマ臭くした
変な思い出があります(笑)

9年も住んでいるのに、ご近所づきあいって、全然ないですね。
さすが都会のマンション生活です。

お隣の方のお顔はわかりますし、お会いすれば挨拶をしますが、それ以上の会話はしないですね。

同じ階の年輩の方とは、顔を合わせたりすれば少し世間話をする程度です。


先日、入居当時からの管理人さんが、退職されました。
白内障で手術をするのだそうです。
もう結構なご高齢だったので、館内のお掃除や植木の水やりもやゴミ出しなども大変だろうな、と思っていました。
元警察官で、無口であまり愛葬のない方でしたが、いかにも真面目そうな方で、お話しするといろいろなことを話されました。

最後の日に、小さなお花をプレゼントしました。
9年も毎日お掃除してくださった方だとおもうと、もうご縁がなくなってしまうということがちょっと寂しくもあります。


マンションのエレベーターで、色々な方に会いますが、こんにちは、ぐらいしか会話をしません。
ところが、最近…
「こんにちは」
「…」
普通のあいさつをしても、返事をしてくれない人が増えました。
お返事をくれない方は、比較的若い?30代~40代くらいの方が多い気がします。
年輩の方は、そうでもないんですけどね。
ここ数年、増えています。
なんだかなあ~
こんにちは。っていうと何か不都合なのかなあ???

いつも、モヤモヤした気持ちになります。
それ以上立ち入る気はないし、私も立ち入られたいとも思いませんが
こんにちは。くらいは会話したいなあ。
減るもんじゃないと思うんですが…

モヤモヤ…