舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

秋の音楽祭in日光

2006-10-14 23:54:42 | 徒然話
今日は日光の田母沢御用邸で行われた「秋の音楽祭」に行ってきました。
インド楽器「シタール」と「タブラ」の生演奏が聴けるということで参加したわけです。

タブラといっても、私たちにお馴染みアラブの打楽器ではありません。
インドのタブラは大小二つでワンセットをなし、アラブのタブラより湿り気があり控えめな音を出します。
この音を聴いていると、ベリーダンスとインド舞踊の踊り方の違いに納得がいきました。
すなわち、ベリーダンスは打楽器の音に敏感に反応して動きますが、インド舞踊(特に古典)はリズムへの反応がさほどハッキリしておらず、もっと流れるようにリズムに乗ります。
この違いは打楽器のもつ音の違いからきているんでしょうね。

弦楽器のシタールは、なんと20弦からなっているそうです。しかもほとんどの弦は共鳴用のものだとか。
ボディ部分は南瓜の実をくり抜いたものだというのも驚きでした。
アラブの弦楽器といえばウード(リュート、そして琵琶とも親戚関係にあたり形状も類似)が有名ではないかと思いますが、やはりインディアンタブラ同様、シタールの方がウードに比べると「湿り気」を感じる響きでした。
湿り気というのは決して悪い意味じゃないんですよ。私はアラブ音楽もインド音楽も大好きですが、アラブ音楽を聴くと心臓に直に揺さぶりをかけられる感じがするのに対し、インド音楽を聴くと全身が桃源郷にトリップしてゆく感じを覚えます。

インド音楽のトリップ間をかもし出すキーサウンドといえば、バックに流れる「ビィヨ~~~~ン」というベース(に当たる音)ではないかと思います。
ぜひお手元のインド音楽で確かめていただきたいのですが、必ず常にこのトリップ音が幽かに漂っているはずです。

このトリップ音は斯様にインド音楽に不可欠のものなのですが、悲しいことに今日の音楽祭には、絶望的に空気の読めない男性がおりまして、「不快だからその音を消せ」とぬかしたのです。
まったく、フラを踊ってるダンサーに対し「不快だからその腰振りをやめろ」と言うのと同じくらいトンデモない注文です!!

確かに音楽というのは本能に近い部分で聴くものですから、私にとってのアラブ音楽のように脳髄を射る音楽がある一方で、人それぞれ「生理的に許せない」と感じるたぐいの音楽があるのは、仕方のないことだと思います。
もちろん私にも苦手な音楽はありますが、それはあくまでも私個人の感じ方にすぎないのですから、耐えられないほど不快なら黙って聴くのをやめるだけのことです。
これって「公演中に携帯電話を使うべからず」というのよりさらに初歩的な聴衆のマナーではありませんか。

さて、なぜか今回の音楽祭のテーマは「洋楽と邦楽の融合」ということで、尺八もシタールとタブラと一緒に演奏されました。
それで気付いたのですが尺八って、なんだかものすごくアラブ楽器のNayに似てる...!!!
もしかすると、インド音楽よりアラブの方が合うかもしれませんぞ(合い過ぎて溶け込みそうな気はしますが)。
今度ぜひウードやアラビックタブラとも共演してくださいね

その後、さらに箏も登場して共演が始まりました。
にしてもなんてデカいんだ箏の音。

箏サウンド、巨大過ぎです。巨大過ぎて部屋を覆いつくし、インド楽器の音を消してしまいました。特にシタールなんて箏と同じ旋律を奏でているものですから、あの独特の揺らぎがまったく聞こえません。
タブラだっていかんせんアラブのと違って押し出しの強くない打楽器ですから、高い「パョン」という音以外全て箏にかき消されてしまいました。

こ、こんなにパワフルな楽器だったのね、箏。そういえばインドの楽器を演奏してる人たちのチカラぬいて旋律に乗って漂ってる感じの奏で方とは逆に、箏弾いてる皆さんは肘をピーンと張って力一杯鳴らしている感じが....。

きっと箏って、頑張り屋の日本人に向いた楽器なんだと思います。
そういえばインドにボリウッドの衣装頼むと、いっつも仕事が遅くて行き当たりばったりでヤキモキさせられたからなあ。
あののんびりっぷりこそ、インド音楽のもつトリップ効果の源だったのね、きっと。

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