少し前に読み終えました。文庫本と掛け持ち読書なので時間かかりました。
最近にない面白く痛快、楽しめました。紀行文、旅行記と言うより「漫遊記」のようです。
陸奥の国豪商のお内儀、きよのさんが二人のお供(武士と下男)を連れて
総距離2340キロ、総日程108日の旅の記録です。
お金持ちですから行く先々で目に留まった名産品を買いまくり、次々と
飛脚便で家へ送りました。
山賊も雲助もいた当時ですから、大金は持ち歩かず、旅籠、藩邸
お店の支店やらお商売仲間の知り合いなど宛に家元から送金してもらって
受け取るなどの仕組みに感心しました。現代ならカード一枚、ATMですが。
新町(大阪)太夫の揚屋入り (摂津名所図絵)
桑名の焼き蛤売り
有名な大井川の「川止め」の様子も詳しく描いています。 水深が脇より深くなると川止め。
解除されても渡る順番があって、先ず 幕府のお状箱持つ飛脚、次に御三家、諸大名など
次々に渡り終えて最後にようやく庶民の順番。
「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」
きよのさんとお供の武士は蓮台(右した)下男は肩車だったらしいと書いてありました
中央はお駕籠をそのまま蓮台にのせている。高貴なお方?
最上川を川下りし(陸路より速い)当時は客船でもトイレがなく、船尾で用を足した。
こういう事情知っても なおきよのさんは、船を選んだらしい。勇気ある女性!
小説と違い、きよのさんが体験したことですから現実味があります。
但し、きよのさんの主観が大きく入っていますから、???と思う点もあります。
ともかく楽しく、面白く読めました。