つれづれに

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若年性認知症のこと

2006年05月17日 | Weblog
 このところ急に若年性認知症が話題になっています。
渡辺 謙が若年性認知症になった主人公を演ずる「明日の記憶」という映画が
そのきっかけになっているのでしょうか。
NHKでも特集が来週ごろ組まれるようです。
今朝も朝の番組に、若年性認知症の方が登場していました。

働き盛りを襲う若年性認知症は、
その進行の速さ故に、人間としての変わり方にすざましいものがあります。
そのこともあってか、人目を避けて隠されてきていたように思います。
それが、家族だけでなく本人が堂々と番組に出演し、討論する、
医学的、社会的対象になったのだと感じ入りました。

今日テレビ番組に登場された方が、発症してから何年経っているのか
聞き漏らしましたが、私にはとても発症者には見えませんでした。
明るくはっきりしていました。
「いろんなものが失われるのなら、今あるものを十分に楽しもう
そう考えて行動しています。」
実に見事な考え方だと思いました。

私の母は、認知症です。70歳近くなってからの発症でしたので、
進行は緩やかでしたけれど、それでも日々起きることに
私はなかなか順応できませんでした。
あの美しく優しかった母の変貌ぶりにショックを受けていました。
そしてもし自分がそうなったらどうすればいいのだろうと悩みました。
依然として答えは出ていませんが、
社会的な分析や議論の中で、納得できる答えが見つかるかもしれないと
思っています。

「明日の記憶」の中に、妻が発症した夫に向かって
「私がいるから、ずーと側にいるから・・・」といった台詞がありました。
美しい夫婦愛の発露でしょう。
でも天邪鬼の私は思ってしまいました。
そういってもらえる伴侶のいない人間はどうすればいいのだろうと。