大半がB級っぽい映画やドラマが多いと感じるアマプラだが、時折だが秀作に値する映画が紹介されている。
「AIR」(2023)もそうだが、最後はマネーゲームっぽくなり流石にうんざりだったが、途中までは非常に見応えがあった。
ナイキ伝説のバスケットシューズ”エア・ジョーダン”誕生の秘話とその物語を描いた作品だが、史実とは少しかけ離れてるらしい。
勿論映画だから、それ相当の脚色はあるが、その脚色が吉と出るか?凶と出るか?は、制作に関わるスタッフやキャストの能力に委ねられる。
結果から言えば、「ジョーダンと契約した男」として描かれた物語自体は真実であり、(マイケル・ジョーダンを真正面から登場させる事なく)描き方も工夫されていた。
ただ、この映画の主役がエア・ジョーダンという伝説のシューズなのか?
それとも”ジョーダンと契約にこぎ着けた男”であるソニー・ヴァッカロなのか?それともマイケル・ジョーダン本人なのか?
そこら辺が、この作品からはよく理解できなかった。
確かに、単なる運動靴にジョーダンという名前を載せたソニーのアイデアには舌を巻くが、エア・ジョーダンの誕生と成功には多くのスタッフが結集していた。
つまり、マイケル・ジョーダン本人だけでは神様は誕生しなかったのだ。
たかがジョーダン、されど運動靴
”たかが運動靴に2万円も3万円も出せるか”ってのが私の本音だが、神様がバスケットコート上で履くシューズが数万円で買えると考えれば、安いもんと思うべきか。
因みに、エア・ジョーダンの”エア(AIR)”はナイキ社が所有するソール用のエアクッション技術で、1984年から20年以上も続く運動靴シリーズ名としての”ジョーダン”はマイケル・ジョーダンという(世界初の)実名とのコラボである。
一方で、彼のニックネームは(ジャンプの滞空時間が長かった事から)“エア”でもあった。
(運動靴とは言え)”商魂が逞しすぎる”と言えばそれまでだが、当時40億とされたジョーダンの年俸の大半は、この運動靴で稼いでいた事になる。
確かに、2万円もする運動靴に世界中の子供が群がる訳だから、ナイキもAIRも、そしてコート上の神様ジョーダンも笑い声が止まらんかっただろう。
しかし、たかが(と言っては失礼だが)台湾や韓国で作られた運動靴である。デザインは奇抜で斬新かもしれないが、大量に機械的に生産されたモノに万札を払う気は私にはない。
が、ジョーダンにはそれに見合う権利がある。何しろ彼は神様なのだから・・
もし、エア・ジョーダンの偽物(中国製)が1/10の数千円ほどで売られてたら、買うかもしれないが、エアやジョーダンとの名が付いてれば、偽物であろうがコピーであろうが、本物と同じく2万〜3万もする。ここまで来ると頭を捻りたくもなる。
ジョーダン以外にもバスケの神様はいた。
人類の歴史上、ジョーダンより優れたアスリートもいた筈だ。が、空中を滑空するジョーダンのシューズには魔法が掛けられてる様でもあった。
そう、数万もする運動靴にはジョーダンという神様が棲み着いていたのだろう。
しかし、運動靴と現役選手の名前が一体化(コラボ)した最初のプレイヤーは彼だけである。お陰で我ら庶民は数万を払うだけで、ジョーダンという神様を履く事が出来たのだ。
そして、その運動靴も今や伝説となり続けている。
一方で、ジョーダンに頼り過ぎたナイキの戦略には少し嫌気が刺すが、たかが運動靴に群がり、決まった様に何も疑わずに万札を差し出す大衆にも嫌気が指す。
そういう(心の狭い)私だが、ジョーダンの空を舞うロゴと赤を貴重としたデザインは実によく出来てると思う。
”結果が全てだ。(常識を疑え)ルールに逆らえ”
これはナイキ社のスローガンではあるが、ヒトもモノも所詮はカネ次第である。
エアジョーダンとスニーカーの高騰
今私は、ある運動靴に目をつけている。
近所のディスカウントストアで処分品として売られてる、EDWINの黒と白を貴重にした格安のローカットスニーカーである。
普段なら3000円程度で売られてるらしいが、型落ち品らしく998円の値札が付いている。
そう、私にとって若者に流行りのローカットと言えど、運動靴は所詮は運動靴。数学的考察からすれば、数千円程度の価値しかないモノである。
神様が履く伝説のローカットモデルと言えど、所詮は人間が大量生産で流れ作業的に作ったもの。数千円の次元を超えたら、私には魅力的には映らないのである。
しかし現実は小説よりも奇なりで、スニーカーをネットで検索すると安いのは千円台であるが、高いのとなると4万円以上するのがザラにある。
神様はこの現状を見て、どうお考えなのだろうか?
”たかが運動靴に・・バカどもが”と嘆いておられるのだろうか?それとも”神へのお布施だと思えば安いもん”とでも達観されてるのだろうか。
そこで、昨今のローカットブームについて少し紹介する。
因みに、世界で一番売れてるスニーカーはナイキのエアジョーダンではなく、1971年に発売して以来の不朽の名作とされるアディダスのスタンスミス。
但し、マイケル・ジョーダンが1998年のNBAファイナルで履いたエアジョーダンは220万ドル(約3億円)で落札され、スニーカーのオークション史上最高額を記録。一方で量産された市販品では、”AirJordan1”が6万ドル(約5900万円)で落札された(写真)。
エアジョーダンのこうした人気の理由は、斬新なデザインに加え、エアクッションなど高度な技術性を兼ね備えていたからとされる。まさにスニーカーの歴史と常識を覆した神様と言えますね。
”スニーカー投資”と言えば、1990年代に大流行したナイキ・エアーマックスを思い出す人が多いだろうか。品切れが続出し、店頭での入手が非常に困難になり、異常なほどの高値で取引され、更に大量の偽者が出回り、恐喝などの事件も起きた。
そして今、再びアメリカの若者の間でスニーカー投資がブームになっている。
昨今、アパレル業界全体の販売数が低迷する中で唯一、米国のスニーカー市場が成長を続けている。アパレルといえば女性のイメージが強いが、現在成長してるのは男性向けのスニーカー市場だ。
ネット上での売買も後押し、市場規模は約650億ドル(約6兆9400億円)に拡大。アメリカだけでなく世界中でも”スニーカー投資家”といわれる人々が数多く現れた。
プレミア値がつくスニーカーは多数あるが、その殆どがナイキ製とされる。機能性の高さ、ナイキという高いブランドイメージ、コラボ商品の多さなど人々を魅了する点を多数備えている。
様々なシーンやコーディネートに合わせられる幅広いデザインで、どんな時でも履け、その度に特別感を覚えられるのがナイキスニーカーの最大の特徴であり、高値で取引される理由とされる(マネートレンドnaviより)。
最後に
確かに、高価な革靴とは異なり、日常どこにでも見かけそうなローカットのスニーカーだが、正直ここまで人気があるとは思っても見なかった。
私が知ってるブームは(80年代後半の)エアジョーダンの初期のもので、スニーカーというよりハイカットの高級で高質な”バッシュ”というものだった。
それが90年代のエアマックスの到来により、スニーカーブームに火が付いた。
スニーカーに群がる今の若者らが、マイケル・ジョーダンの往年の神様の如きプレーぶりを知ってるとも思えないが、その神様がスニーカーという形を変えて生き延びてる事に只々驚くばかりである。
因みに、私が目をつけてたEDWIN製ローカットのスニーカーは売り切れていた。
高騰し続けるスニーカーブームを悪く言ったか故に、神様の逆鱗に触れたのだろうか?
全く、メーカーも消費者も、そして神様も正直な生き物ではある。
その昔ハイカットのコンバースを履いてバスケをしました。ローカットのコンバースは女性に人気で街で雑誌で少し前迄見掛けましたが、今はどうかしら?
若者にとって、たかが運動靴ですが、今ではお洒落のアイテム、2,3万円はお安いのかもしれませんね。
私も愛用していますが老若男女皆さん御気に入りのスニーカーを履いて、街で、散歩で、闊歩していますよね。
ジョーダンの映画の「AIR」、またドラマもありましたが、これもナイキの戦略でしょうか?
今でも スポーツショップにはエアジョーダン関連の商品がジョーダンブランドとして沢山並んでいますね。
さて私にとって、マイケル・ジョーダンは、今まで観てきたスポーツ選手のなかで、攻撃、守備、リーダーとしてのマインド、全てにおいて、ナンバーワンです。
リングにむかうエアジョーダンの滑空する美しさは、《神》 唯一無二の美しさでした。私のなかでジョーダンはすでに完結しているので、映画もドラマもパスしています😊
故須賀敦子さんが「ユルスナールの靴」で
"きっちり足にあった靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ"と書かれていましたが、今の私にとってスタンスミスは、まさにそれです。たかが運動靴されど運動靴、かなぁ。どうぞ象が転んだ様も足にあった靴で生き生きとお過ごしくださいね
思いのままにコメント、失礼しました。
この映画の主役は、Mジョーダンの母親とナイキのスカウト部の社員の2人だけですから、ユニークには映りましたね。
ジョーダンも卓越したプレーヤーでしたが、個人的にはPユーイングやKマローンが好きでした。
”滑空”で言えば、ドレクスラーも凄かった。
あの頃はNBA全盛でしたから、ジョーダン以外の”バッシュ”もよく売れた事でしょうか。
たかがスニーカーですが、最近のスニーカーは見る程にのめり込みそうになります。
私もコンバースを履いてた時期あります。でも自分には合わんかったかな。すぐに破れてお釈迦になりました。
でもEDWINのスニーカーは欲しかったです。
ネットで安い奴をと探すんですが、色々あって迷います。
コメント、気持ちがこもってて熱かったです。
カール・マローンは余り思い入れはありませんが、確かユタジャズの選手でしたね。
それより、何故またお邪魔したか、それは、パトリック・ユーイングのお名前を拝見したからです。
娘も私も大好きでした。お目めが慈愛に溢れていて、超~可愛いのよね。夫は女心は?と言っていましたが。センターらしいプレイヤーでしたね。
そしてマジソンスクエアガーデンのコートサイドにはいつも映画監督のスパイク・リーが熱く応援していましたね。懐かしいです。
EDWINといえばデニムで、スニーカーがあること初めて知りました、お買い物もシニアにとって楽しみの一つですね、悩みに悩んでどうぞ足にあったスニーカーを😊
いつも主題から外れてご免なさい💦
中々、スニーカーの本質を見抜いてらっしゃいますね。
こちらこそ色々と勉強になります。
私は”たかがスニーカー”ですが
マブリーさんは”されどスニーカー”
お互い、スニーカーに対する思い入れは形は違えど、熱いものがありますよね。
そういう私も、スニーカーブームに染まりそうな雰囲気になってきましたよ。
実は、EDWINの耐水性のローカットブーツを物色してんですが、ネットでは”作りが脆い”とか色々と囁かれてますが、デザインが魅力的だから引っかかりそうです。
そうそう、Pユーイングのバッシュは今も高値で、エアージョーダンにも負けてませんね。
懐かしい話を有り難うです。
では・・・