ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

灼熱の5番ホーム

2007-08-28 01:12:15 | 日記
前回のエントリーで書いた「無難」表現に対する発言について。
もののついでに軽く流すには重いネタだったみたいなので、簡単に補足。
あんまり楽しい話ではないので、興味のない方は流して下さい。

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ええと、私が「プロなのに」と書いたのは、別に「こっちゃ金払ってんぞ!」という意味で怒っている訳ではありません。(その後のコメントで「金を払う価値がない」と書いたので話がややこしくなっちゃったかも知れませんが)。

これだけ情報が反乱する時代であっても、「新聞」というのは未だに「権威」だから、「権威」を持った者が、その「権威」をいい加減な覚悟で行使するなと、そういう意味で怒ったのです。
「マスコミなんていい加減なもんだもん。信じないもんねー♪」と悟っている一握りのお利口さんは良いですが、世の中まだまだ、「新聞に書いてあることは正しい」と思ってる人は多い。そこらのゴシップ紙じゃなくて大手一般紙の記者が書いた記事なら尚の事。
そこら辺の得体の知れないブログで、何の権威も持たない一個人が勝手に書き散らかしているなら「こいつ、アホやな」と思われておしまいですが、新聞社から配信されたニュース記事は「信頼に値するソース」と位置づけられているわけで。
その重みをちゃんと分かってね、と言いたい訳なんですよ。

別に美麗で華麗な文章を書けと言っている訳ではありません。本来「事実をありのままに伝える」役目を持つ者が、勝手に判断して情報にバイアスをかけるな、と言ってるだけです。
判断は自分でします。判断の材料となる事実だけを、過不足なく伝えて欲しいと思ってるだけ(仮に嘘は言ってなくても、事実の内のどれを伝えてどれを伏せるか、その取捨選択だけでいくらでもバイアスはかけられますけどね)。

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で、「無難」という表現ですね。
たった一言、とお思いになる方もいるかも知れませんが、一言をバカにしてはいけません。
ちょっとした一言が、てこの軸のように全体の意味を変えてしまうるというのはままある話です。例えとして適当かどうかは分かりませんが、字幕翻訳者の某戸田奈津子女史は「嘘つき!」の一言だけで、「ロード・オブ・ザ・リング」3時間のストーリーをぶち壊しました。
増して見出しはキャッチコピーです。短い文字数で如何に見るものの興味を引くかの勝負所。一言、一文字たりとも、無意味な言葉はないはずなんです。

「無難」という言葉が示す意味は、「特に文句をいう所もないが、とりたてて褒める所もない」ということでしょうか。褒める所がないなら何も言わなければいいだけなのに、わざわざそれを言う所で暗に「つまらない、価値がない」という印象を与えようという意志を感じたんですよね。
更に言うなら、「無難」には「安全策を取って無理をしない」という意味もある。褒め言葉としても使えないことはないけど、どっちかというと攻めてない、挑戦していないという消極的な印象を与える。
ていうか、ぶっちゃけ「手抜き」とか「逃げ」とかそういうマイナスの印象の方が大きいかなと思います。
そもそも、試合でもなくあくまで「見世物」であるショーで、何でわざわざ「攻めてない」なんて意味のことを言われなければいけないのかも謎なんですが。
それ以上に、手を抜いたのかなんて本人にしか分からないことを、赤の他人が勝手に勘ぐって決めつけて良いことではないと思います。大ちゃんに限らず、あらゆる競技の選手、そして表現者に対して。
見る側が面白くない、つまらないと思うのは百歩譲って仕方ないとして(それでも公の報道機関にある人間が、そういった個人の感想だけで文を書くのは問題があるとは思いますが)。
本人がどんな思いでどれだけ努力して来たかなんてそう簡単に他人に分かる訳もないんだから、「どうせ簡単なことしかやってないんでしょ?」みたいなことは私なら怖くてそうおいそれとは書けないなあ、と思っただけです。

何も「華麗な」とか「情熱的な」とか取って付けたような美辞麗句を書けとは言ってないし、「斬新で芸術的な云々」とか語られたら逆に引きますが。
特に褒める言葉が見つからないなら、普通に「ミスのない演技を披露した」で済む所に、わざわざ「無難」なんて言葉を選択する辺り、「意地でも褒めてやるもんか」みたいなそこはかとない悪意を感じて、そこにうんざりしただけです。

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延々語った割に、中身は全然大したことありません。
所詮ここは、そんなアホ女が一人で呟いてるブログなので、あんまり気にしないで下さい。

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で、タイトルの「灼熱の5番ホーム」なんですが、これは岡山駅の5番ホームのことです。
岡山駅、最近改装してて、5番ホームも割と最近できたみたいなんですが…。
暑い。寧ろ、熱い。幾らなんでもこの暑さはおかしいと思ってよく見たら、ホームの向かい側の壁に沿ってずらっっっとエアコンの室外機が並んでました…。
熱風を吹き出す数十の室外機を前に、サウナ並みの暑さの中電車を待ちながら、文明の歪みを考えずにはいられませんでした。
嘘です。暑さで思考停止してました。JRの人はもうちょっと考えて駅を造って下さい。

そんな訳でやっと実家に帰って来ました。

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