ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

今更NHK杯(2)

2010-11-14 23:01:00 | 日記
■男子SP~さぁさ皆さんご一緒に

そういう訳でSPから。

大ちゃんが前の選手の点数待ちでリンクに出てきた時、靴ひもを結びなおしているのを見て、3年前の仙台のスワンが脳裏をよぎりました。
これやっちゃうとミスするパターンが多いんだよなーと心配してたら、案の定律儀に3Aで手を付く。
だーかーらー、紐を結び直すのはやめろと言ったのに(いや、言ってませんが)。

…いや、緊張してたんでしょうね。ナーバスになってるから紐も結び直すしミスも出るって事なんでしょう。
でも、仙台スワンのような重い空気は感じませんでした。ショーで滑った時に比べたら、やっぱり丁寧に慎重にステップを踏んでる感じではありましたが。
ていうか、ステップでコケた去年に比べれば、3Aのミスなど大した問題ではありません。
テンポが早くなった所でステップの一部みたいに飛んだジャンプが決まって、お客さんはノリノリ。
陽気なリズムに合わせてスピンしている所でムズムズして来て、ステップが始まった所でひゃっほう!みたいな。何で私はこんな所で座ってじっとしてるんだろう、立って一緒に踊る方が自然なんじゃないかと言う気がしてくる。

でもショーでの演技に比べると丁寧に滑ってるし照明もないし…などと思っていた所でふと我に返る。これ試合だよねそうだよね。試合でこのノリっておかしくないか?みたいな。
…でも、まだこれにも進歩の余地もあると思います。次は3Aも成功して欲しいし(ていうか助走はあれで良いんですか?なんか短くないですか?)。
東京では、どうぞみなさんで一緒にマンボ☆

次に滑ったアボット選手がジャンプを全部きれいに決めたので、これは3Aミスった大ちゃんの上に行くかなと思ってたら、意外に点が延びなかった。
その瞬間、会場のお客さん全員の頭の上に、ぽこんと『?』マークが出て来たのが見えたような気がしました。
会場では、スピンがノーカウントだっていう説明はなかったんですよね。でも何となく、何かがノーカウントになってるんじゃないか?みたいな空気感があって、みんなで何だろう何だろう言ってたのが印象的でした。

でもまあとにかく明日はフリーだ4回転だ。


■男子FS~忍ぶ恋~

FSの『ブエノスアイレスの冬』(実際には『春』も含む)について。大ちゃんがどこかのインタビューで、「見せつけるのではなくて、自然に出ちゃうみたいな」とか語ってるのを聞いて、百人一首に確かそんなのがあったなあと思って調べて見ました。

忍ぶれど 色に出にけりわが恋は ものや思うと人の問うまで。

…うん。そんな感じですね。色香を見せつけて女性を誘う『eye』とは明らかに違う。
大ちゃん的にはまだまだ表現については試行錯誤なようなので、これからの進化が楽しみです。

***

まずはカナダのジェレミー・テンくん(去年長野で遭遇したけどめっさめんこかった)が、彼としてはとても良くがんばった演技で、お客さんのテンションを上げる。
そしてベルギーのケビン・ヴァン・デル・ペレン(なんかかっこいい名前)選手。SPではとても調子が悪くてみんな心配してたのに、フリーでは人が変わったように元気にいきなり4回転&3回転のコンボを決める。お客さんも当然大喜びで2人目にしてスタンディングオベーション。
その後も、デニス・テンくんが調子を落としていた意外は、シーズン序盤とは思えないほど好演技が続出。無良くんがSPに続いて4回転飛べば、15歳羽生くんまで決めてしまうし。ソーヤー選手めっちゃ体柔らかいし、アモディオ選手は何か楽しく踊ってるし、アボット選手は靴の状態がよくないそうでジャンプの構成は落としていたものの、素人目にはほとんどミスの見あたらない演技だし(あ、最後にちょっと回転が抜けてたか)。
非常に盛り上がりました。いや、楽しいです。楽しいんですよ。しかし…。
どうするよ、大ちゃん。当然4回転飛んで来ると思うけど、ここで失敗すると(例え試合に勝てたとしても)ちょとかっこ悪いんじゃないか、と。

6分間練習の時に気づいたんですが、今回髪はがっちりセットしてました。動きに合わせて靡かないのは寂しいですが、衣装と相まってすごく大人っぽい。
…それはいいんだけど大ちゃん、練習で4回転成功してなくないか?

この頃になると私たち、楽しいけど心配だし緊張するしで、ちょっと訳が分からなくなってました。

しかし大ちゃんは、私らが思う以上に成長していた。

最初の4回転を軽々と成功。続く3Aも昨日と違ってキレイに飛ぶ。
最初の3つのジャンプが終わってちょっとほっとしたところで、がっちり固めていたはずの髪から、ぴょこんと妖怪アンテナのように一房飛び出しているのが目に入る。
やはりスピンの風圧には耐えられなかったらしい。

怒濤のようなステップ、のたうつようなスローパート、そして後半のジャンプも順調に飛んで、ああ、これはもう1回くらいコケても大丈夫だな、と思った途端に律儀にコケる。ああそうか、疲れてるんだとその時気づいて最後のステップがんばれーと気合い入れて拍手しましたよ。
後でテレビ見たら、大ちゃんもすごい気合いの入った顔で最後のステップに向かってましたね。

当然スタンディング。そして私は、自分史上最高のピッチングで花の投げ込みに成功しました。楽しかった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿