ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

友を選ばばFOI(…の大雑多な全体感想)

2010-09-12 21:14:00 | 日記
そういう訳でフレンズオンアイス。


ロビーに誇らしげにならんだオリンピックメダルの数々。
このショーのレベルの高さを象徴しているかのようです。
(しかしすごい行列でした。主催者側に取っても予想外だったのかも知れませんが、次回もやるなら何か対策は必要かと思われます)

中でも印象的なのは、バンクーバーの三つのメダル。
思えば去年のFOIのテーマは『オリンピック』でした。プロスケーターが主催するショーなのに、何故?と言う疑問は、実際のショーの演出を見て氷解。
今プロとして活躍する選手たちも、かつてはみんな競技の第一線で戦っていた。そんな先輩たちが、これから一世一代の舞台に臨もうとする後輩たちを激励し、送り出す。それが2009年のFOIでした。

そして2010年。1年前に送り出されたアマチュア選手たちは、五輪の舞台を戦い、一回り大きくなってこの舞台に帰って来た。
オープニング、白い円筒型の幕の中から3組4名のバンクーバーのメダリストたちが登場する演出には、先輩たちからの「おかえりなさい、よくがんばったね」の気持ちが込められているように見えて、一人ウルウル涙してしまいました。

***

実はこの記事、何度か書き直しています。最初はひとつひとつのプログラム毎に感想を書こうともしていたんですが、何か違うような気がしてしまいまして。
FOIは、ただプログラムを集めただけのショーではない、参加するスケーターたちがお互いに盛り上げ、みんなで一つのショーを作って行く。その中から一部だけを切り出して評価するのはちょっと違うんじゃないかなと。
(そう言いながら、大ちゃんの踊った二つのプログラムは後で別のエントリーで取り上げるつもりですが)

***

以下、敬称略。
オープニングからの流れでキッズスケーターたちが登場、佐藤有香・荒川静香・安藤美姫の三人の女子シングルの世界チャンピオンにアイスダンスのシェイリーン・ボーンが加わった4人の女王との共演から幕を開け。踊れる・見せるスケーターという評価を不動のものにした鈴木明子はベリーダンスでノリノリ。ソロのトップバッターからスタオベが起きるショーというのも珍しい。すっかり大人っぽくなった安藤は初出演にしてすっかりフレンズの空気に馴染んでるし、長野五輪金メダリストのイリヤ・クーリックはパワフルで男らしい演技で王子様健在を示す。
タニス・ベルビン&ベン・アゴスト組は小学生→ティーンエイジャー→オトナの男女の3段変身でストーリー性のある恋物語を。タニスちゃん10歳(推定)が超キュート。
迫力たっぷりにバンクーバーのSPを再現したエヴァン・ライラチェク氏には花束で祝福を。しっとりと見せながらもツイストやスロージャンプを鮮やかに決めたチン・パン&ジャン・トン組にはレーザーのサインとアナウンスでバンクーバーの銀とトリノ世界選手権金メダルのお祝いを。
恒例の抽選会では鈴木さん&小塚青年が荒川Pのお手伝いで、いつものようにゆる~く進行(笑)。小塚青年の滑るプログラムを抽選で決めるサプライズ付き。千秋楽では熱狂的なファンを名乗る謎の一団の「フ・リ・イ」コールにより、まさかの1日二回FS通しが決定。
メンズナンバーの超COOLなHipHopでかっこよく第2部の幕開け。プロデューサー・高橋大輔に荒川Pがインタビュー。「こだわる所と妥協する所の兼ね合いが…」と言おうとしたのを「噛み合わせが」と言い間違えてツッコミを食らう。そして毎回のようにサプライズなお手紙が。お母様→長光先生→渡辺トレーナー→リアル友達ときて最後は出演者全員からの寄せ書き。毎回、中身を読むのではなく、大ちゃんのリアクションを楽しむという趣旨だった模様。
そんな大ちゃんからの「みんな立って、踊って下さい」という指示により、お次のシェイリーンのプログラムではビヨンセの曲に合わせてみんなノリノリ。特に千秋楽は最初からオールステンディングでコンサートみたい。
日本男子の大黒柱的存在である本田武史が男らしくスケール感のある演技で決めると、「フレンズオンアイスというより公開合宿」状態の小塚青年は冒頭、やや危ないながらも4回転を決めて根性を見せる。後半は流石に疲れが見えたものの、ショーなのに公開練習状態になって観客が「よしよし、よくがんばった!」みたいな空気になるのもFOIならではだと思います。そんな暖かい拍手を受ける小塚青年に、謎の怪しい美女が迫る。たじたじとなる青年を追いつめてぶっちゅーとキスをかませる「ヤマト・ナデシコ」さんこと田村岳斗氏。第一部がおしゃれでかっこいいプログラムだったので第二部は色物に走ってくれるだろうと言う期待に見事に応えてくれました。佐藤有香は一転、柔らかく優しいタッチのスケートでため息をつかせ(昼の部の水玉スカートも可愛かったけど、やっぱり真骨頂は千秋楽の『月の光』)、満を持して登場した大輔マンボで会場は熱狂の渦に。そして大トリで登場した荒川静香が、スケールが大きく優雅な流石の滑りで締め。なかなか大胆なデザインの衣装だったんですが、スレンダーな体型と女性らしからぬスケール感のせいか生々しいいやらしさはなく、天女とか仙女みたいな人外の存在っぽい雰囲気でよく似合ってました。
フィナーレでは、群舞の出番が無かったアイスダンスとペアの二組がかっこよく登場、現代風の衣装で次々と出演者が登場する中、ソロでたっぷり大ちゃんのステップが見れるのも嬉しい。千秋楽ではお約束のジャンプ合戦の他、シェイリーン&タニスの美女共演&取り残されたアゴスト氏のお茶目なパフォーマンスも眼福。荒川Pはマイク持ったままイナバウアーではけていくしジャンプ飛ぶし素晴らしくフリーダムでした。

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…とまあこんな感じで、息継ぎなしで一気書きしてしまいましたが、こんな感じであれもこれもぜ~んぶひっくるめてとても楽しかったです。

何度もいいますが、このショーはスケーターが自ら企画し、有志が集まって作り上げているという点で他のショーとは一線を画していると思います。
スケーターたちは、自分の出番に出て滑って終わりではなく、共にショーを作り上げる仲間としてお互いに盛り上げ合っている。私が毎年このショーを見に行くのは、単に大ちゃんの演技が見たいからというだけではなく、この雰囲気が好きだからです。

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