「滑走屋」の本番を観た感想については、今更私が語るまでもないよね、という話。
初日の初回、行って参りました。
全く新しいコンセプトのショーでこれが本当の最初の最初。
そのせいもあってか、終始心臓がバクバクしっ放しで、短いショーなのに今までで一番観てて疲れたかも知れません。見てるだけの(はずの)こっちも激しく集中力を要求されます。観客の皆さん体力大丈夫ですか?
オープニンングが始まってスケーターが登場する時には拍手で迎えるのですが、その後手は拍手の形をしたまま固まって硬直したまま固唾を飲んで見入ってしまった。
一般的なアイスショーからイメージされる華やかでゴージャスが雰囲気とは違い、ビートの効いたダークな音楽、それに合わせたダークでハードな世界観。
それがずっと続くというか、最後まで続きます。
もちろんそこにはメリハリがあって、ハードモードがふっと和らぐ叙情的な雨のシーンとか、モノクロームの世界でそこだけ色を咲かせる村上佳菜子ちゃんの演技とかある訳ですが、根底に流れているトーンは揺るがない。
試合ではまず着ないであろう裾の長い衣装を、男性も女性も同じように纏って滑るのがかっこいい。
アイスダンスのように男女が組む場面だけでなく、男性同士・女性同士と自由自在に様相を変える。
ダンスやペアのように踊る場面もあれば、シンクロのような集団の技が出るところもある。
スケートではあまり見たことないような動きもあれば、「滑る」感覚にひたすら身を委ねるようなスケートの原点を見せられる瞬間もある。
アイスエクスプロージョン後半の、個々のプログラムをシームレスにつないだ形をさらに発展させ、遂にオープニングからフィナーレまで全部一つづきにしてしまった形。
だからこそ、アンサンブルスケーターたちもただソロ演者を引き立てるだけではなく、「滑走屋」という一本の作品を構成する重要な要素になっていると思いました。
そしてソロの演者も、自分のソロの場面以外ではグループの一員。
大ちゃん自身がアンサンブルの一人として溶け込むような振り付けも多く、「大ちゃんどこー!」となっちゃう場面も結構ありました。
そしてだからこそ、ソロの「ハバネラ」がかっこ良い。三宅星南くんと山本草太くんのハバネラが始まって、男子二人のラテンかっこいい男の色気良い〜と思っている所へ大ちゃん登場。
立ち姿、腕の使い方指先までの余韻の出し方すべてが色気の塊。
最後の挨拶を聞いても、大ちゃんがすごくこのショーに気合いを入れていて、前例のない試みを色々取り入れて、やりがいもあるけど無茶苦茶心配事も多かったんだろうな…というのが伝わって来ました。
クリエイティブな人というのは、何かやってやろうと頭をひねって考えるのではなく、あれもやりたい、これもやってみたいと次々アイデアが湧いて来るものなのです(妄想とも言う)。
もちろん、それを全部は実現できない。というかほとんど実現できない。
それをここまでできたというのは、今まで彼が競技で頑張って積み上げて来た有形無形の財産の賜物だと思います。
大丈夫。いきなり100%は無理でも、ここまでやれれば勝ったも同然。
後は体に気をつけて、最後まで頑張って走り切ってください。
あと、村元哉中ちゃんと大ちゃんがすごくバディ感がありました。
アイスダンスの競技の中でのパートナーというだけでなく、ショーを作る場面でも、滑る場面でも色んな形でバディを組める頼もしい相棒。そんな感じ。
今回哉中ちゃんのソロもヤバかったです。必見。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます