副題:怪我からの復帰を考える~逆境を乗り越える力~
ちょっと遅くなりましたが1週間前のお話を。なんだか遠い昔のようです。
私は医療ともスポーツとも直接仕事で関わっている訳ではないし一瞬迷ったんですが、『復活の力』(スポーツゴジラでも可)の長田さんの文章を読んでいたく感動した口として、原先生、吉田先生、渡辺トレーナーに大ちゃん本人…という、あのテキストのキーパーソンがオールスター状態で揃う機会はできる事なら逃したくないと思ってしまいました。
それに素人だからこそ、専門家のお話がじっくり聞ける機会ってなかなか得られないですからね。
あと神戸から京都までは割と簡単に行けますので、雨の京都に行って参りました。
***
個人的にはこのセミナー、「ケーススタディ高橋大輔」だったと解釈しております。大ちゃんという成功例に学ぶ前十字靭帯断裂から復帰までの治療とリハビリ。
前半は原先生と吉田先生の講義。これが実に面白くて、お二方とも素人にもわかるようにかみ砕いて易しく説明して下さって、目からウロコがボロボロ落ちまくり。時間が経つのがあっというまでした。
原先生のお話では、靭帯とは何か、どんな役目を果たしているのかから始まって、大ちゃんがどんな手術をしたのかを詳細に解説。まさか大ちゃんの膝の中の映像まで見れるとは思わなかった。
移植した腱に血管が通って靱帯としての機能を果たしている様子や、膝のお皿の損傷した部分を補うように新しい組織が出来ている事まで見せて貰い、本当に大ちゃんの回復が順調な様子が分かったのも嬉しかったです。人間の体ってすごいと思いました。
バトンタッチして吉田先生。映像では、ドキュメンタリー等で大ちゃんがやっていたのと同じ動作をする選手たちが出て来て、「あの動きにはこんな意味があったのか!」と大変勉強になりました。
***
休憩を挟んだ第二部では、大ちゃんと渡辺トレーナーが加わってのパネルディスカッション。
この時司会をされていたのが(株)ブライトボディの中田さんでした。
今回は黒子に徹していましたが、実はこの方も重要なキーパーソンだったんですよね。
今回のセミナーを聞いて面白いと思った方は、是非「復活の力」も読んで下さい。色々補足できる情報があります。
この中田さんが個人的に京都でネットワークを築いていたからこそ、現場の渡辺トレーナー、治療・手術を行う原先生、リハビリの吉田先生が有機的に繋がって機能し(他にも複数の先生が病院の枠を超えて協力して下さってました)、大ちゃんの「奇跡の復活」に繋がったと思うと感謝しても仕切れません。
二部では怪我からの経過を順を追って辿りながら、それぞれの立場からの「あの時、どう思ってた?」を振り返ります。
大ちゃんはまじめな、学術的なイベントという事に緊張しているというか、「僕がここにいていいんですかね?」と恐縮している反面、お世話になった方たちに囲まれてリラックスしているようにも見えました。
みなさんご存じかと思いますが、黒いスーツでビシっと決めてかっこよかったですよ。リハビリ中とは言え、歩き方もふつうでしたし元気そうでした。
面白かったのは、大ちゃんが怪我の事をよく知らなかったのと、一方で原先生もフィギュアスケートというスポーツをあんまり知らなかった(普段先生にかかるのは、ラグビーやアメフトみたいな激しいコンタクトのあるスポーツが多いという事です)という事。
そういう事も含めて、原先生が時々関西弁でさらっとスゴい事を言っちゃう感じが面白かったです。
吉田先生も、「試合に復帰してしばらくは時々様子を見てたけど、11月くらいからは普通に応援してましたね」とか。
大ちゃんはリハビリのために初めての一人暮らしを始めたこともあり、渡辺さんや吉田さんが仕事を超えた所でアパートの部屋まで迎えに来てくれたり色々あった(あんまり詳しくは教えて貰えませんでしたが…)事をすごく恐縮していましたが、吉田さんは「リハビリはそれくらい大変なんです。よくがんばってくれました」とフォローされてました。
バンクーバーには原先生や吉田先生も見に来ていて、「苦労もしたけれど最後は本当にいい思いをさせて頂いた」と喜ばれてました。
多数の選手を復帰させて来たお二人にとっても、怪我から1年半足らずでオリンピックでメダルというのは奇跡的な事で、でもその『奇跡』はそれぞれが自分の役目を普通に果たしたことで起きたことだと仰っていたのが印象的でした。
とにかくスポーツの世界では膝をやったら終わり、靱帯を切ったら終わりという感覚があるが、きちんと段階を踏んで治療やリハビリを続ければ必ず復帰できると。ただその為には、選手自身も怪我を「医者に治して貰う」のではなく、「自分の怪我は自分で治す」という気持ちでリハビリに取り組んで欲しいと仰っていました。
大ちゃんは「僕みたいなヤツ(←「僕アスリートに向いてないですよね!」と自分で連呼しとりました/笑)でも復帰できたんですから、みなさんもあきらめずにがんばって!」と言うような事を。
今回のセミナーは一般の参加者が(つまり大ちゃんのファンが)多数を占めていた事もあって、「整形外科医」の仕事を理解して広めて欲しいという事も仰っていました。
整形外科とは「運動器」つまり体を動かす為のあらゆる機関を扱う領域で、これから益々重要度を増してくると。
スポーツをやっている人もそうだし、高齢化社会に向けて、自分の体を動かせる機能を長く保つこともこれから大切になってくるとのお話でした。
それから大ちゃんに関して、今回の震災でのチャリティー活動や、森下さんの「SEND TO 2050」への協力などにも触れ、社会活動にも積極的で、以前にもこういうセミナーに参加した事もあり、今回も大ちゃんの申し出で参加費を震災のチャリティーに充てる事になったというお話をされていました。
***
以上、ざっくりと全体を振り返ってみましたが、大変興味深い内容でしたので、もしかしたら原・吉田両先生の講演も含めて詳細を書き出すかも知れません。
時間がかかると思うし、録音していた訳ではないので、あくまでもメモを元にしたまとめになりますが。
ちなみにメモは、会場で配られていた久光製薬さん提供のレポードパッドをフル活用させて頂きました。
サロンパスでおなじみの久光さんは、製品の開発、販売だけでなく、こういった啓蒙活動への援助も積極的にされているんだそうです。ありがとう。
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必読です。
ちょっと遅くなりましたが1週間前のお話を。なんだか遠い昔のようです。
私は医療ともスポーツとも直接仕事で関わっている訳ではないし一瞬迷ったんですが、『復活の力』(スポーツゴジラでも可)の長田さんの文章を読んでいたく感動した口として、原先生、吉田先生、渡辺トレーナーに大ちゃん本人…という、あのテキストのキーパーソンがオールスター状態で揃う機会はできる事なら逃したくないと思ってしまいました。
それに素人だからこそ、専門家のお話がじっくり聞ける機会ってなかなか得られないですからね。
あと神戸から京都までは割と簡単に行けますので、雨の京都に行って参りました。
***
個人的にはこのセミナー、「ケーススタディ高橋大輔」だったと解釈しております。大ちゃんという成功例に学ぶ前十字靭帯断裂から復帰までの治療とリハビリ。
前半は原先生と吉田先生の講義。これが実に面白くて、お二方とも素人にもわかるようにかみ砕いて易しく説明して下さって、目からウロコがボロボロ落ちまくり。時間が経つのがあっというまでした。
原先生のお話では、靭帯とは何か、どんな役目を果たしているのかから始まって、大ちゃんがどんな手術をしたのかを詳細に解説。まさか大ちゃんの膝の中の映像まで見れるとは思わなかった。
移植した腱に血管が通って靱帯としての機能を果たしている様子や、膝のお皿の損傷した部分を補うように新しい組織が出来ている事まで見せて貰い、本当に大ちゃんの回復が順調な様子が分かったのも嬉しかったです。人間の体ってすごいと思いました。
バトンタッチして吉田先生。映像では、ドキュメンタリー等で大ちゃんがやっていたのと同じ動作をする選手たちが出て来て、「あの動きにはこんな意味があったのか!」と大変勉強になりました。
***
休憩を挟んだ第二部では、大ちゃんと渡辺トレーナーが加わってのパネルディスカッション。
この時司会をされていたのが(株)ブライトボディの中田さんでした。
今回は黒子に徹していましたが、実はこの方も重要なキーパーソンだったんですよね。
今回のセミナーを聞いて面白いと思った方は、是非「復活の力」も読んで下さい。色々補足できる情報があります。
この中田さんが個人的に京都でネットワークを築いていたからこそ、現場の渡辺トレーナー、治療・手術を行う原先生、リハビリの吉田先生が有機的に繋がって機能し(他にも複数の先生が病院の枠を超えて協力して下さってました)、大ちゃんの「奇跡の復活」に繋がったと思うと感謝しても仕切れません。
二部では怪我からの経過を順を追って辿りながら、それぞれの立場からの「あの時、どう思ってた?」を振り返ります。
大ちゃんはまじめな、学術的なイベントという事に緊張しているというか、「僕がここにいていいんですかね?」と恐縮している反面、お世話になった方たちに囲まれてリラックスしているようにも見えました。
みなさんご存じかと思いますが、黒いスーツでビシっと決めてかっこよかったですよ。リハビリ中とは言え、歩き方もふつうでしたし元気そうでした。
面白かったのは、大ちゃんが怪我の事をよく知らなかったのと、一方で原先生もフィギュアスケートというスポーツをあんまり知らなかった(普段先生にかかるのは、ラグビーやアメフトみたいな激しいコンタクトのあるスポーツが多いという事です)という事。
そういう事も含めて、原先生が時々関西弁でさらっとスゴい事を言っちゃう感じが面白かったです。
吉田先生も、「試合に復帰してしばらくは時々様子を見てたけど、11月くらいからは普通に応援してましたね」とか。
大ちゃんはリハビリのために初めての一人暮らしを始めたこともあり、渡辺さんや吉田さんが仕事を超えた所でアパートの部屋まで迎えに来てくれたり色々あった(あんまり詳しくは教えて貰えませんでしたが…)事をすごく恐縮していましたが、吉田さんは「リハビリはそれくらい大変なんです。よくがんばってくれました」とフォローされてました。
バンクーバーには原先生や吉田先生も見に来ていて、「苦労もしたけれど最後は本当にいい思いをさせて頂いた」と喜ばれてました。
多数の選手を復帰させて来たお二人にとっても、怪我から1年半足らずでオリンピックでメダルというのは奇跡的な事で、でもその『奇跡』はそれぞれが自分の役目を普通に果たしたことで起きたことだと仰っていたのが印象的でした。
とにかくスポーツの世界では膝をやったら終わり、靱帯を切ったら終わりという感覚があるが、きちんと段階を踏んで治療やリハビリを続ければ必ず復帰できると。ただその為には、選手自身も怪我を「医者に治して貰う」のではなく、「自分の怪我は自分で治す」という気持ちでリハビリに取り組んで欲しいと仰っていました。
大ちゃんは「僕みたいなヤツ(←「僕アスリートに向いてないですよね!」と自分で連呼しとりました/笑)でも復帰できたんですから、みなさんもあきらめずにがんばって!」と言うような事を。
今回のセミナーは一般の参加者が(つまり大ちゃんのファンが)多数を占めていた事もあって、「整形外科医」の仕事を理解して広めて欲しいという事も仰っていました。
整形外科とは「運動器」つまり体を動かす為のあらゆる機関を扱う領域で、これから益々重要度を増してくると。
スポーツをやっている人もそうだし、高齢化社会に向けて、自分の体を動かせる機能を長く保つこともこれから大切になってくるとのお話でした。
それから大ちゃんに関して、今回の震災でのチャリティー活動や、森下さんの「SEND TO 2050」への協力などにも触れ、社会活動にも積極的で、以前にもこういうセミナーに参加した事もあり、今回も大ちゃんの申し出で参加費を震災のチャリティーに充てる事になったというお話をされていました。
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以上、ざっくりと全体を振り返ってみましたが、大変興味深い内容でしたので、もしかしたら原・吉田両先生の講演も含めて詳細を書き出すかも知れません。
時間がかかると思うし、録音していた訳ではないので、あくまでもメモを元にしたまとめになりますが。
ちなみにメモは、会場で配られていた久光製薬さん提供のレポードパッドをフル活用させて頂きました。
サロンパスでおなじみの久光さんは、製品の開発、販売だけでなく、こういった啓蒙活動への援助も積極的にされているんだそうです。ありがとう。
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