ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

怪人のいる場所

2006-11-18 20:54:53 | 日記
スケートカナダの、大ちゃんの演技の感想の続きです。
今回はFSの「オペラ座の怪人」。先日のCSの放送で改めて映画版を見て、それからもう一度この演技を見て、そしてすごく幸せな気分になりました。
……なのですが、ここでちょっと話が逸れます。毎度のことながらすごくアホなことを書いてる気もするのですが、書いちゃったんだからしょうがない。例によって、スケートとは全然関係ないですよ。

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「オペラ座の怪人」の原作小説が発表されたのはほぼ100年前の1910年。1925年に作られた映画は、サイレント時代のホラー映画の傑作として名高い、らしいです。……ドラキュラやフランケンシュタインの怪物と同じ西洋妖怪だったのね、ファントムさん。

大体、洋の東西を問わず、「特定の場所に棲み付く得体の知れない存在」っていうのは定番です。姫路城の刑部姫とか、西洋の妖精にも似たようなのはいるし、現代の学校にも花子さんやなんかが棲み付いている(しかも大抵そういうものって、祟りもするけど助けてもくれる、守り神と化物の中間みたいな存在なんですよね)。
ファントムはそんな化物じゃない、ちゃんとした人間として描かれているじゃないか。そう仰る方もいるかも知れません。でも、桃太郎の鬼も大江山の酒呑童子も元になったモデルは(多分)人間です。社会の規範から外れた異質で得体の知れない人間を人々が「鬼」と呼ばれた(多分)。
実は私は、「鬼は人間の脳の古い皮質に住んでいる」という説をなんとなく信じてます。得体の知れないものに対する恐れが鬼や妖怪や怪物といった概念を生み出し、社会から外れた人々がその概念を自らのアイデンティティーとして取り込んだ結果、幻の化物たちが実体を持つんじゃないかと。

という訳でファントムさん。本名はエリックというそうですが、ファントムの正体がエリック、という単純な話ではなく、不幸な生い立ちによって社会性を奪われたエリック少年が「ファントム」という概念を得て怪人を実体化させてしまったんじゃないかと思う訳です。エリックさんは一人の人間ですが、「ファントム」という存在はエリックの肉体を借りた、もっと普遍的な存在なのではないかなと。

なんでそんなこと考えたのかというと、「The Phantom of the Opera」の歌詞がすごく気になったから。
「The Phantom of the Opera is there inside my(your) mind…」
私(お前)の「心の中に」いるって歌ってるんですよ。なんかそれって、肉体を持った人間ではないっぽい感じ。一方のラウルくんは「All I Ask of You」で「beside you(君の側にいるよ)」と歌ってます。こっちが正常な恋人の位置関係だと思います。
実際、「The Phantom of the Opera」では他にもクリスティーヌが「私はあなたを覆う仮面」と歌ったり、ファントムが「(聴衆は)お前の歌に私を聞くだろう」とか歌ったりして、クリスティーヌは完全にファントムのイタコ状態です。

ALWのオペラ座は、歌詞に含みが持たせてあって「ご想像におまかせします!」な部分が多いなと感じたのですが、そういう、様々な解釈な許される中のひとつの見方として。
……クリスティーヌの方はラウルとの関係も手伝って、揺れ動きながらもどうにかイタコ状態から抜け出して一人の人間としてエリックに向き会おうとしてるんだけど、一方のエリックはもう完全にファントムと一体化してて、最早光のある所には戻れない。
一度はクリスティーヌを闇の中に引きずり込もうとしたファントムだけど、彼女が最早イタコではないことに気づいて、彼女だけを光の中へ送り出す。
そういう話だと解釈するのも面白いかなーと。

ついでに、鬼が棲んでいる脳の「古い」領域は、新しい領域=理性や文明によって失われつつある野生の本能や直感のある場所でもあるんですよね。てことは普通の人間が社会性と引き換えに失った芸術的霊感もそこにはあるはず(実際、人間に芸術的な霊感を与える鬼や妖精や化物の話も東西に山ほどあるわけで)。
映画の中でファントムを「獣」と形容している部分がありますが、彼は「獣=野生」だからこそ、人間的な社会性によって曇らされていない、研ぎ澄まされた感受性を持ち得ているのかも知れません。

そしてもう一つ気になるのが「Masquerade」の歌詞。
最後にファントムがオルゴールに合わせて歌う所、仮面舞踏会の場面と同じ歌詞なんですね。
Masquerade! Paper faces on parade . . .
Masquerade! Hide your face,
so the world will never find you!
これが「四季」版では訳を微妙に変えてあるらしい。よく見ると確かにダブルミーニングしてる?
ざっくり直訳すれば「そこら中仮面だらけ、君も顔を隠せ、世界中の誰にも見つからないように 」って感じで、舞踏会の場面で歌えばまんまシーンの描写ですが、これをファントムが一人で歌うとなんだか、現実世界を揶揄しているようにも見えます。
「お前らだってみんな(私と同じように)仮面を付けて、お互いに素顔(本性)を隠してるじゃないか?」
……仮面という名の理性の下には、誰もが皆ファントムと同じような野生の狂気を隠している。
オペラ座の怪人はここにいる。私(たち)の心の中に。
……なんてね。

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長い遠回りでした。やっと大ちゃんの所へ帰って来れました。
私が思う、今回の演技での見所。
「All I Ask of You」の柔らかな表現と美しいレイバックスピン(あそこで何でレイバックなのかは映画見ると分かる気がする)も当然そうだし、ゴージャスなサーキュラーステップ&狂乱のストレートラインステップも必見なんですが。
でもやっぱり今回一番のポイントは、高橋大輔のエロい表情だと思います……。
特にサーキュラーステップの後。
あれ、一歩間違えると下品というかあざといというか、そういう表現になると思うんですが、それをなんかこうさらっと……「だってファントムってこーゆーヤツじゃん?」みたいな。
うん。そうだね。そーゆーヤツだね。
ファントムのファントムたる由縁は、人々を翻弄するトリッキーな言動ではなく、仮面に隠された醜い容姿でもなく、研ぎ澄まされた野生の感性と底なしの狂気にあるんだとあの表情で分かってしまった。
オペラ座の怪人はここにいる。私(たち)の心の中に。
……なんてね。
スケートって、競技じゃないですか。競技なのに、それが見える。確かにそこにファントムがいるのが分かるっていう、それをすごく幸せに感じているのです、私は。

それにしても、一番気持ち的に盛り上がるはずの「The Point of No Return」でばんばんジャンプが入るのってやっぱりなんかとっても大変そうに見えます。西洋妖怪に取り憑かれたまんま飛ばないといけないんだもんね。がんばれ。応援してるから。

***

それにしても、「オペラ座の怪人」ってつつき甲斐のあるネタですね。ハマりそう。ていうか小説版買っちゃいました。

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拍手コメントへのお返事。
同意ありがとうございます! やっぱりあれは春風ですよね~!

色モノやるにもセンスは必要

2006-11-15 06:50:19 | ノンジャンル
最近見たテレビより

■のだめカンタービレ
私が原作で一番好きな学園祭のエピソード。
千秋さんのラフマニノフでは、やっぱりどうしても高橋大ちゃんの演技が脳内を駆け巡ります……ていうか、ミルヒーの指導「もっと切なく、色っぽく etc.」を聞いて、「ああ、それで(大ちゃんは)ああいう演技なのね」と勝手に納得しておきました。
そしてやっぱり「ラプソディ・イン・ブルー」が好きです。このエピソード、ラフマニノフとラプソディ・イン・ブルーは対になってると思うのです。
色モノで魅せるSオケが先にあるからこそ、千秋さんの正統派っぷりがより際立つという。
そして私が峰くんが好きだなーと思うのは、色モノなりにセンスがある所なんですよね。闇雲に奇を衒うことで目立とうってんじゃなくて、本人なりにカッコ良さを追求してああなってる訳で。
羽織袴&黒紋付は、実写で見るとより一層粋でオシャレだと思いました。
あと、Sオケの演奏ってステージドリルのノリに近いですね。ブラスバンドならああいうのも割と普通にアリなんですが(それの発展系が、こないだ見に行った「ブラスト!」な訳ですが)、オケでやるとああなるのか、と思いました。
ここは原作読んだ時に一番「見たいー聞きたいー」と思った場面だったので、実際に見れて嬉しかったです。

■ライオン丸G
「ジャスティライザー」のデモンナイト波岡氏が主演ということで前から気にはなってたんですが、何せ変な時間帯にやってるもので面倒でほったらかしてました。でも先日会ったオタク仲間の某氏がやたらこの番組の面白さを力説するので、ようやく重い腰を上げて録画予約した次第。
ちなみに、いくら私が年期の入ったオタクでも、流石に「怪傑ライオン丸」は見た事ないですよー。
で、この作品は「怪傑~」とは全く違う……けど、全く無関係でもないのね。昔のOPテーマをそのままアレンジしなおして使ったりしてます(映像も流用)。
元作品の古さを逆手に取った、キッチュでインモラルでチープでポップな作風。意外と、ていうかもしかしてすごくビジュアルセンスは良くないかい?と思いました。決して正統派ではないけど。「GARO」とは全く逆ベクトルの「オトナの特撮ヒーロー番組」ですが、こっちにも雨宮さんは噛んでるのね。
デモンナイトとは全然キャラの違う波岡さんですが、真顔でザリガニ食ってた辺りから、あんたならやってくれると思ってたよ!な感じにハジけてます。
そして「カクレンジャー」貴公子ジュニアの役者さんが、まんま「ジュニア」って役名で出てる……中々芸達者な方ですね。貴公子ジュニアって歴代悪の幹部の中でもかなり特異なキャラだったんで、今でもよく覚えてます。懐かしい。

春色のチャイコフスキー

2006-11-14 00:29:55 | 日記
こんにちは、虹川です。今更ですが、スケートカナダの大ちゃんの演技の感想を。
……ええ。前に書いたのはあくまで試合の感想でして、演技の感想は実はこれからです。
ていうかやっとゆっくり演技が見れました。

で、しつこいようですが、私はスケートのことはあんまりよく分かりません。ていうか、イメージを重視するために敢えて細部はあんまり見ないようにしてるという方が正しいのかも知れません。
これだけ理屈っぽくうだうだ言っといてアレですが、実は私は、データを足し算して行くのって苦手なんですよ。やればやるほど、道に迷ってしまう。感覚とか感触とか、そう言うとこから入って行った方が結局は近道な気がするのです。

そういう訳で、まずはショートプログラム・チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲から。

一言で言うと、とにかく明るい。翳りがない印象。
終始笑顔で滑ってるのは、決して演技のデキが良かったから、というだけではないと思います。
何より音楽が明るい。そうか、これって長調の曲なんだと思い、そう言えば今まで大ちゃんの滑った曲って短調の曲が多かったんだと初めて気づきました。

その明るさが、すごく意外だったんですよね。
ノクターンの静かな寂しさ。ラフマニノフの苦悩(千秋さん解説ありがとう)。ロクサーヌのやさぐれ嫉妬と絶望。彼の表現には常に底の知れない暗い影が落ちていて、私はそこにドツボのようにハマってここまで来てしまいました。だからどこかで、この『影』の部分こそ彼の表現の本当の魅力かなと思ってたのかも知れません。
でもこのヴァイオリン協奏曲の演技からは、そう言った影の部分が全然感じられなくて、そこに一番驚いた訳です。大ちゃんが長調の曲をやるとこうなるんだー!って。音楽によってここまで変わるもんなのかと。

そして私がこの曲(の演技)から勝手に感じたイメージが、「春」なのです。天気のいい日の春の朝。一陽来復。とにかくひたすらキラキラしてて、冬の間に一旦死んでた生命が再生されて、未来への期待に満ちてて、悲しいことはまだ何も知らなくて、という感じ。

それから後、割とどうでもいいことなんですが、最後のストレートラインステップで加速して行く所を見てて、F1のタイムアタックで最終コーナーを立ち上がり、ホームストレートを加速しながらフィニッシュラインへと向かって行く、あの高揚感を思い出してワクワクしました。スピード感がたまりません。
アホです、私は。


才能は遺伝するのか? F1父子鷹グランプリ

2006-11-10 22:13:45 | F1
ブルーノ・セナ 2009年のF1デビューを望む

この記事を読んで何となく気になったので、F1ドライバーにおける親子兄弟その他、私が知ってる範囲で羅列してみます。
……が親子、|が兄弟。()内の数字は、チャンピオンになった年。色が薄いのは、F1には来てないレーシングドライバーです。改行によってはズレるかも知れませんが。



■ヒルさん家

グラハム・ヒル(62・68)……デーモン・ヒル(96)

親子揃ってチャンピオンを取っている今の所唯一の親子。でもその割になんとなく地味。パパが不慮の事故で亡くなったため、若い頃は苦労したそうです(この辺の事情を知って、保険って大事だと思いました)。


■ヴィルヌーヴさん家

ジル・ヴィルヌーヴ……ジャック・ヴィルヌーヴ(97)

パパは伝説のフェラーリドライバー。これからという時に事故で帰らぬ人となったのでチャンピオンは取ってないけど、人気と知名度では負けてない。ジャッくんも早くにお父さんを亡くして苦労したとか。


■フィッティバルディさん家

エマーソン・フィッティバルディ(72・74)

ウィルソン・フィッティバルディ……クリスチャン・フィッティバルディ

クリスチャンが地味にミナルディで頑張ってたのをかすかに覚えてます。顔は男前だった(それだけかい)。


■ロズベルグさん家

ケケ・ロズベルグ(82)……ニコ・ロズベルグ

パパは元祖フライング・フィンだけど、息子はドイツ国籍。
お父さんを亡くして苦労したヒル&ビルヌーブとは対照的に、ミカ・ハッキネンやJJ・レートをF1に送り込んだ敏腕マネージャーでもあるパパのバックアップが付いてるニコは結構恵まれてるかも知れない。でも前者2名は全盛期のウィリアムズに乗れてるからなあ……。


■ピケさん家

ネルソン・ピケ(81・83・87)……ネルソン・アンジェロ・ピケ

辛うじてパパの現役時代を知ってます。息子は07年からルノーの3rdドライバーとして参加するので、一応F1ドライバーに入れておきました。ネルシーニョ・ピケとかネルソン・ピケJr.とか呼ばれてるのと同じ人です。パパ譲りのフェロモン光線で、女性からの人気は早くも上昇中……らしい。


■シューマッハさん家

ミハエル・シューマッハ(94・95・00・01・02・03・04)

ラルフ・シューマッハ

ドイツメディアは既にミックことミハエルJr.に目を付けているらしい。かくいう私も、弟の存在をもうちょっとで忘れるとこでした。現役なのに。弟はFポンの初代チャンプで、その時のチームオーナーはXジャパンだった(YOSHIKIがレース好きらしい)という小さなトリビア。


■セナさん家

アイルトン・セナ(88・90・91)

姉……ブルーノ・セナ

生前のセナは甥っ子の才能を高く評価していたようですが、セナの死後はお母さん(=セナのお姉さん)からレースを禁止されていたとか(気持ちは分かるけど)。2004年からレース活動を再開、07年はGP2に参戦しながら、09年くらいのF1参戦を目指しているそうです。
セナ財団のバックアップを受けてるのは勿論ですが、セナの盟友・ベルガーが何かと気にかけてあげてるのに泣かされます。ベルガーいい人だ。


■アンドレッティさん家

マリオ・アンドレッティ(78)……マイケル・アンドレッティ……マルコ・アンドレッティ
|                |
|                ジェフ・アンドレッティ

アルド・アンドレッティ……ジョン・アンドレッティ

改めて見るとすごい家族。F1に出たのはマリオとマイケルの2人だけ(しかもマイケルはほとんどいいとこなしで終わってるし)ですが、アメリカ(インディ→CART→IRL)では親子対決・兄弟対決・従兄弟対決なんでもアリのレース一家。マリオとアルドは双子だそうです。
ていうか、アメリカではレースは家族ぐるみでやるのが割と普通らしくって、このアンドレッティ家とアンサー家がアメリカン・モータースポーツの2大名門家といわれてるらしいです。


■アンサーさん家(参考)

ジェリー・アンサー……アル・アンサーSr.……アル・アンサーJr.……アル・リチャード・アンサー
           |
           ボビー・アンサー


……という訳でアンサー家。親子どころか4代にも渡るレーシング一家。でもF1ドライバーは一人もいません。見事なまでにアメリカ一本。インディ500では一族通算9勝を誇る地元の名門。これぞアメリカン・モータースポーツ!って感じ。


■中嶋さん家

中嶋悟……中嶋一貴
     |
     中嶋大祐

元祖日本人F1ドライバー・中嶋さんの息子さんたちも、未来のF1ドライバーを夢見て頑張っているようです。
長男・一貴は「ホンダ系だと親の七光りだと思われるから」という理由でトヨタ系のスクールから出てるみたいですが、それもどうなんだろう。むしろトヨタの方が、『中嶋悟』の名前を欲しがりそう。現在はユーロF3に参戦。モナコGPにも出てました。次男の大祐も全日本カート選手権に参戦中だそうです。

***

こうして見ると、レース一家の元祖には大抵チャンピオンドライバーがいるもんなんですね。単なる「F1ドライバー」じゃなくて、「チャンピオン」の血縁者だからこそ注目されるのか、それともやっぱり才能の差か? 例外はジル・ヴィルヌーヴですが、彼も歴代チャンピオンと同等(或いはそれ以上)の人気と評価と知名度を誇ってますし。
そうして見ると中嶋さん家は少々不利ですが、日本人にはまだチャンピオンがいない(ていうか優勝者すらいない……)から仕方ないか。

……そんなこと言ってたら中嶋一貴ウィリアムズテストドライバー就任のニュースが来ました。
うーん……素直に喜べないのは、私がトヨタ嫌いだから……というだけではないと思います。


■おまけ
マーティン・ブランドル&マーク・ブランデル
名前が似ているだけの赤の他人。でも仲は良いらしく、現在は共同で若手ドライバーの育成プログラムを運営してたりします。91年と93年はチームメイトとして同じチームで走り、実況アナウンサーを混乱に陥れました。ちなみに私は未だに2人の区別が付きません。

コスプレ大会のようだと思ってしまった。

2006-11-05 23:17:57 | 日記
スケートカナダ男子シングルの表彰台のことです。
遅れて来たハロウィンでも可。3人並ぶとさすがに壮観。

……という訳で、高橋大ちゃん。2位表彰台おめでとうございます。
いいんです。スポーツは結果がすべてですから。どんな内容であれ、とにかく結果は銀メダル。
もちろん本人はあの内容に全く納得してないと思いますが、今後に向けての問題点の分析とその対策は言われなくても本人とその周囲ががんばってくれると思うので、別に私は気にしなくっていいもんね。
(こんなことばっか言ってるから、私は未だにジャンプの区別さえ付かない)
……なんか、ホンダがハンガリーGPで優勝した時にも似たようなことを書いたような。
言い訳になるようなことは決して言わない人なので、私たちには分からない事情やなんかももしかしたらあるのかも知れませんし、そこら辺も含めて信じるしか。

そんでようやく出来上がって来たオペラ座新衣装ですが、プログラムの内容が予想に反して変則的だったので、これは衣装も捻って来るかなと思ってたら、全然直球ストレートでまんま「ファントム」だったのに却って意表を突かれました。
あの胸のはだけっぷりはこれをそのまんま再現してる感じ。
よく見たら胸元に仮面の模様が入ってて(しかもなんかシュールだ)、なにげに手が込んでますね。

そしてまた、身体の動きによる表現が「言葉のない言葉」なら、衣装もやっぱり「言葉」なんだなと今回思いました。
キャンベルの練習着は何も言って来ないせいもあって、大ちゃんは時にファントムに、時にクリスティーヌに、時にラウルに……とどんどん変化して行ってるように見えました。
でも新しい衣装は衣装自体が「僕はファントムです!」と主張してるもんだから、時折クリスティーヌやその他の表情も覗かせながら、でもベースはあくまでもファントム、という感じに見える。
私はキャンベルの時の様々に変化していく雰囲気も好きだったので、それがこの衣装によって失われるのはちょっと惜しい気もします。でも同時に、焦点が定まったことで大ちゃん自身は感情移入しやすくなったのかな?とも感じました。
キャンベルの時は洗練された美しい印象だったのが、今回はちょっと荒々しい雰囲気が入って来てて、その分ファントムの感情は強く迫って来る感じで、なんとなく圧倒されてテレビの前で固まってしまった。
この辺はまた時間があったらゆっくり書きたいです。それとSPもじっくりと。あれ、最後のステップって音楽に合わせて加速してるんですねー。いいなー加速するステップ。

でもやっぱりジャンプが決まらないと何より本人が凹んじゃってるのが見てて辛いので、次は笑顔で終われることを祈ってます。
昨日は出かけてたからリアルタイムで結果を見ることは出来なかったんですけど、今日はネットで点数を追いかけてまして、中々スリリングで面白かったです。