ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

席は選びたいMOI

2007-01-07 23:50:02 | 日記
年末の全日本選手権の後、一旦神戸の自宅へ戻って大阪のメダリスト・オン・アイスへ行って来ました。
ショー終わったらそのまま直行で岡山の実家へ帰るつもりだったので昼の部にしたんですが……帰省を遅らせてでも夜の部にすれば良かったかな、というのが正直な感想です。
会場の雰囲気も競技と違って、お客さんあんまりフィギュア知らなさそう。私も決して偉そうに言える立場ではないけど、名古屋の競技の会場と随分違うなと思って驚きました。

そんでもって自分の席へ。リンクにもそこそこ近いし、選手出入口にも近くてこれは中々良い席かも、と思ってたんですが……何故か周囲に人がいない。公演が始まる時間になっても周りに人が来なくて焦ってたら、後ろの席のお姉さんが声をかけてくれました。やっぱり不安に思ってたみたいです。無理もない話です。1ブロックに、私とお姉さんと、あと2、3人しかいない。寂し過ぎます。
このショー、何かの企画で招待券プレゼントがあったみたいで、もしかしたら当選したけど見に来ないお客さんが多かったのかも知れないですが……でもなんでそんな所へ、ぴあで買った私の席があるんだろう?

ショーの内容については、既に皆さんご存知の通りです。
反対側のアリーナ席にはフィギュア観戦に慣れてる人が多そうな雰囲気で、盛り上がってて楽しそうでした。神崎選手の冬ソナに「ノリ様ー!」のかけ声かけたりして。多分あの辺がスケート連盟のファンクラブで取った席なのかなと思ったんですが。……今まで、とりあえず会場に入れればいいやと思ってましたが、これを期に流石にちょっと考えました。
他の席のお客さんたちは、1部に出て来るような選手は知らないみたいで反応薄いし、それ以前に私の周囲には人がいないし!!
後ろのお姉さんが声かけてくれたのが本当に救いでした。それがなかったらマジで寂しい観戦になってたかも。ちなみにお姉さんは町田くんがお気に召したようなので、ここぞとばかりに売り込んでおきました。
DOIで気に入ってた武田奈也ちゃんのEXが再び見れたのは嬉しいです。激萌え(笑)。パンフによると、彼女も自分でEXを振付けしたことがあるみたいですが、選手の「センス」を考える上で、それも一つの指標にはなるかもと思います。この娘もリズム感があるだけじゃなくて、自分の見せ方を分かってる感じですね。女版キャンデロロになる資質があるような気がするんですが、どうでしょう。

そして第2部、生歌&生オケ。インタビューとサイリウムが無かったこと以外は夜の部と一緒です。年末特番用にゴージャスにしてるなあ、とは思ったんですが、リンクで演奏するのって大変そうですよね。昔ブラバンやってたけど、寒い所で演奏すると管が冷えるので辛いです。
そして大ちゃんですが。ノクターンが生で見れるなんて!と喜ぶ私を余所に、お客さんの反応薄い(涙)。曲も衣装も地味だけど、しみじみ美しい演技なのに……。このプログラムではめずらしくジャンプに失敗してるなーと思ってたら、4回転に挑戦してたみたいですね。そういう無茶する所も好きなんだけど、知らないお客さんには単なる失敗ジャンプとしか見なして貰えないのが辛い所です。
アンコールのロクサーヌも、昼の部ではステップに入る前に終わってしまいました。ステップまでやっといたらお客さんも盛り上がれたかも知れないんですが、やっぱり夜に向けてセーブしてたのかなと思います。
夜の部はフルで滑るなんて、ズルいわ。
それにしてもノクターンは、FOIの時も思ったんですが、生で見ると本当にあっと言う間に終わってしまいます。何故なんでしょう。

結論。家でテレビで見る時は一人で勝手に浸れるけど、会場で見るならやっぱり周囲のお客さんと一緒に盛り上がりたいです。次に生観戦する時には、その辺もこだわるべきかと思いました。私の場合、今までが恵まれ過ぎてたのかも知れませんが(今回は後ろのお姉さんがホントに救いでした重ね重ねありがとう)。

***

拍手コメントへのお返事。
シーズン初めには無茶としか思えなかったことをやり遂げてしまった事には、本当に感動しましたね。自分で自分を「ヘタレ」と言ってますが、「そんなことないよー」と言ってあげたい気分です。
EX、変わったプログラムや小道具などの変化球も楽しいですが、ど真ん中に豪速球を投げられるのが彼ならではの持ち味だと思うので、その持ち味を存分に活かした演技だと思いました。

それにしても、FOIで最初に見た時には、こんなに何度もこの歌入ロクサーヌにお目にかかれるなんて思っていませんでした。シーズンに何度もEXが見れるのも、競技で結果を出しているからこそ、ですね。とても贅沢なことだと思います。有り難い。

うひゃひゃひゃひゃ

2007-01-06 13:46:03 | 日記
MOIの記事も書こうかと思ってたんですが、こっちの方が気になったので先に。
「ニュー・イヤー・フィギュア2007 ジャパン・スーパー・チャレンジ」
丁度テレビでやってる時、岡山→神戸に帰る所だったので、「この人ら(スケーター)よう働くなー」という弟の声を背に実家を出まして、こっちに帰って来てから録画を見ました。

実はちょっと気にはなってました。
エキシビションを採点して、「表現力」を競うという試み自体は面白いんですが……そういう趣旨だったら審査員にはもっと文芸畑の人を呼んだ方が良くないですか?審査する人の美的センスが信用できないと、この手の審査は信用できないし。スケートの元選手に加え、余所から呼んだ審査員も結局スポーツ畑の人っていうのはその点どうだろう。シンクロ井村さんはセンスのある人だとは思うし、荻原兄弟もなんとなく好きですが(でもどっちが何やってるのか段々わからない)。結局は「芸術」ではなく「スポーツ」としての採点になってるような気がしないでもないです。

そして同時に、EXくらい順位付けずに自由に見させてよ、とも思ってみたり。
日本人て特にブランド指向が強いから、権威のある人に点数を付けられると「点数が高いものが良いものなんだ」と思い込んでしまう傾向がある気がします。
他人がどう評価しようが、自分が良いと思えるものを好きだと言える。そんな感性を大事にしたいです。(その上で、自分が良いと思ったものを、他の人にも「良いね」と言って貰えるのは嬉しいですけどね)

思わず笑っちゃったのは、EXなのにキス&クライがあって、アナウンサーが「アグレッシブ性」だとか「会場との一体感」だとかの妙な審査基準を大真面目に取り沙汰してる事でした。お遊び大会なのか真剣勝負なのかよく分かりません。
という訳で、エントリータイトルは私の妙な笑い声です。

男子の部で大ちゃんが優勝したのはおめでとうだけど、大体の順位は最初から決まってたような気がしなくもありません。「表現力」で勝負って言うと大ちゃんに有利なようですが、ルールでわざわざ「衣装や音楽の制限なし、小道具使用OK」なんて書かれると、面白衣装や小道具に凝らなきゃいけないような気がしてその点では不利かもと思ってみたり。
私の元々の好みから言えば、面白衣装も小道具も大好きです。新しい発想で変わったことをやるのは大好き。そういうネタを考えるのも楽しいし。
でも大ちゃんは例外なんです。元々私がファンになったきっかけが「ノクターン」ですから。最初はEXなのに衣装も曲も随分地味だなーと思って。それが見ている間に「?!?!?!」となって来ました。
何この人。これなら面白衣装も小道具も要らない。変化球投げなくても直球ど真ん中で勝負できる、こんな人がいたなんて!、と。
元々この人は、競技用のプログラムでショーのように魅せることのできる人だと思います。
「滑る」ことと「踊る」ことが一体となって調和した、スケートならではの、スケートでしかできない表現で魅せてくれるのが彼のステップ。そこに何かを加えれば、却ってその魅力を削いでしまうような気がする訳です。それにお客さんが彼の演技の中で一番見たがっているのも、小道具や小芝居ではなくて、今や彼の看板ともなった「世界一のステップ」ではないでしょうか。
そうして考えると、彼の選択肢は結局いつもの「ロクサーヌ」しかないんですよね。「ノクターン」よりは派手でインパクトもあるし、見せ場のステップもてんこ盛り。これを本気で滑るのが彼のショー。彼の見せる、最高のエンターテイメントだと思います。

でももしこれがもっとヒマな時期だったら、また大ちゃんの自作のEXも見てみたいなーと思います。モロゾフさんのプログラムもいいけど、「ノクターン」も大好きなので、いつかは次回作を是非。
今回は時期的にも無理ですね。アマチュア選手に取っては競技が本分ですから。
どうか疲れを溜めないように。世界選手権の前にユニバーシアードもありますが、上手く調整して良い演技を見せてくれたらと思いました。

***

今回の見所:キメポーズの最中に本田くんと目が合って思わずテレるとこ。
今回の驚き:男子大学生と大阪のカラオケで年越しするモロゾフさん。想像できない。

全日本フィギュアスケート選手権雑記

2007-01-04 23:25:15 | 日記
※私は単なる高橋大輔のおっかけであって、スケートに関してはど素人なもので、あくまで雑記でございます。尚、重複となるので前の記事で書いたことは基本省きます。

■1日目(男子ショート)
座席は放送席の斜め後ろくらいで、本田君や荒川さんがすぐ下に見えます。ていうか、放送席人多過ぎませんか?
そして右手には地元名古屋の応援団が。放送でも、競技中の「キャーーー」という奇声が聞こえてたかと思いますが、あれの大半は女性ファンの歓声ではなく地元の子供たちの「応援」の声です。正直、しんどい。
左手には関係者席。いきなり安藤ミキティが座ってました。生で見ると可愛い。知り合いの選手が出て来る度に、エールを送る。ていうか、選手ほぼ全員に声をかけまくっていたような。
向かい側の席に、倉敷翠松高校のバナー発見。大ちゃん・絵己ちゃん・大上くん・町田くんの名前入り。よく考えたら男子のジュニアチャンプが在校生で、チャンプが卒業生ですね。なにげにすごいぞ翠松高校。
ジュニアチャンプ町田くんは、面白い音楽で面白い踊りを踊ってました。大上くん、上位陣にミスが続出する中、ほぼノーミスでまとめる。二人共、最終グループまであと一歩の所に付けました。がんばれ。
そして大ちゃんは……本当にいつもいつもF1を引き合いに出して申し訳ありません。でも彼がリンクに出て来た瞬間、98年の鈴鹿でミカのマシンがコース上に出て来た瞬間を思い出しました。オーラが違う。この人は、チャンピオンになるためにここに来たんだ、と思わせられる存在感。強くて優雅。

■2日目(女子ショート&男子フリー)
入場すると、男子の最終グループの公式練習が見れました。ラッキー♪ 「オペラ座」の曲掛けでは、大ちゃんは軽く流す感じ。織田くんが転倒した後派手にコースアウト&ウォールにクラッシュしてるのにびっくりしましたが、怪我とかはなさそうな感じ。滑りながら、何やら大ちゃんに話しかけてました。
調子の善し悪しまでは私には分からない。席に着くと、斜め前の席に謎の老人。

女子ショート。平井絵己ちゃん、淡いグリーンの上品な衣装。雰囲気のある踊りで魅せたものの、ジャンプの着氷が全部怪しい……あれで転倒せずに持ちこたえた所には根性を感じましたが、点数は厳しいです。「なかなかキレイじゃが、ジャンプがなあ……」と謎の老人。
キス&クライには、長光先生と一緒に本田コーチの姿が!!
そう言えば田村岳斗コーチの姿も、結構色んな選手の所で見かけました。
それにしても、女子の試合が終わってしまうと、席を立ってそのまま帰ってしまう人って多いんですね。男子フリーが始まる頃には、お客さんの数が3分の2くらいになってしまってました。勿体ない。

男子フリー。成績順に滑るため、前半は有力な選手は出ません。……だからって、放送席が無人だなんてヒドいわ。キス&クライも照明が落としてあって、第1&第2グループの選手たちは座らせて貰えません。
後ろの席の人「知らなかった。あそこに座れるのって、選ばれた人たちなんだね」そうなんですか?
寒いし眠いし疲れるしで、この辺から見る方の集中力も消耗して来ます。試合って長丁場なんですね。
第3グループが始まる辺りでわらわらとテレビスタッフがやって来て、キス&クライにも照明が。

町田くん、フリーではミスが目だちましたが、謎の老人は攻めの姿勢を評価。
続いて大上くん登場。倉敷のリンクでいつも着ている(友人談)エンジ色のジャージ姿。
後ろの人「あの人、ジャージ地味だね」日本代表の選手たちは金ぴかのジャパンジャージを着てるから、それに比べたら確かに地味かもしれないけどさ……。
そのエンジのジャージを脱ぐ大上くん。後ろの人「衣装も地味だね」……うう。確かに黒いけど。
長身を活かしたロマンチックな演技で大きなミスなくまとめたけど、思ったほど点は伸びない感じ。何故?地味だから?(←そんなことはないと思います)。がんばれ、偉ちゃん!

これが最終グループになると、全員金ぴかジャージ着用です。迫力。
織田くんは、表彰式の時にちょっと泣いた感じがあるなあ、と思ってたら、インタビューの時泣いてましたね。ただ私の個人的印象では彼の演技、それほどがむしゃらに勝ちに来ているという感じではなく。単に4回転に挑戦しなかったからかも知れないけど。実際の所、彼の4回転がどの程度できているのか全く謎なのでなんとも言えない部分ではあります。

私は決してジャンプ至上ではないけれど、競技に於いては手堅くまとめるよりも、無理して冒険して失敗するくらいの方がわくわくします。若い選手ならなおさら。
でも今回は、年齢的には大ちゃんよりお兄さんな中庭選手や神崎選手が、チャレンジャーとして伸び伸びと攻めの演技を見せていたのが印象的でした。3位に入った南里くんは、フラメンコの靴音やカスタネットに合わせて踊るステップが中々ステキ。「勝負事」として見るなら、優勝争いよりも寧ろ、3番手以下の争いの方が混沌として面白かったんじゃないかと思います。

そして大ちゃんもディフェンディングチャンピオンでありながら、守りに入らず攻めていました(謎の老人もそう言ってくれてました)。ていうか彼は、今までの戦い方を見て来ても、あんまり何かを守ろうって意識はなさそうに見えます。なんか、無茶をやっては玉砕しつつ、でも懲りずに挑戦して挑戦してここまで来ました、という感じ。彼の「弱さ」と言われていたものの正体は、実は蛮勇とも言うべき無茶と無謀の結果だったのかも知れません。それがここへ来て、実体を伴った「強さ」として結実しつつあるのかも。
優勝したい、全日本チャンプの地位を守りたいというのも間違いなく本音だと思いますが、でもそれ以上に自分の理想とする演技に少しでも近づきたい、という意識を強く感じました。あのガッツポーズは、彼の思う「オペラ座」がようやく完成したということの現れなのかなとも思いました。

ともかくこれで、世界選手権への出場が決定。
トリノのコメントを聞いて、「コイツはこれからもっと強くなる」と感じた去年(もう去年)の2月。
発言や表情から充実したモチベーションの高さを感じ、「これは期待していいのかな?」と思ったオフシーズン。
キャンベルでコケまくりの「オペラ座」を見て、それでも「これはちゃんとこなしたらスッゴイことになるかも!」とワクワクした10月。
あの時感じた私の期待に、期待以上に見事に応えてくれた高橋くんに、改めて感謝!!
世界選手権では、彼が見てもらいたい演技を、世界中の人に見て貰えることだけを祈っています。彼は自分の演技をすれば、結果は自然に付いて来る、そういう選手だと思うので。
今すぐに台の真ん中なんて目指さなくていいよー。とにかくステキなオペラ座で、世界中の人を楽しませて欲しい。そう思います。