暫定税率騒動はひと月で終わったかのように見えたが、それ以降、消費者のガソリンの値段に対する意識がとても敏感になった。
折りしも、中国のオリンピックによるバブル景気や原油の値上がり、又、石油が投資商品にされたことで一時はリッター200円になるかという勢いでガソリン価格が急騰した。
その為、それまでは価格にはそれほどシビアでなく馴染みの販売店を利用していた消費者までが値段を意識するようになり、セルフへと流れていった。
三沢の計画通り淘汰は加速したが、石崎が驚いたのは暫定税率廃止時にいち早く安売りを開始しテレビにもよく登場していたセルフの広域業者が倒産したことだった。
どうやらプリペイドカードの売り上げを運転資金に回さなければならない程、資金繰りに行き詰まっていたようだ。
5万や8万円分のプリペイドカードを購入していた消費者から、「このプリペイドカードが紙くずになるのでは?」と、この時も消費生活センターには問い合わせが殺到したのだが全国区での報道はされなかったのである。
恐らく、それが報道されると返金騒ぎが起きて大変なことになるので業界筋から何某かの圧力が掛かったのであろう。
つづく
※この物語はmasumiさんの被害妄想に基づくフィクションです(^^;
実在の人物及び団体とは一切関係ございません。
尚、加筆修正及びキャラの変更等もあるやも知れませぬことをお断り申しておきまする(^^;