今朝の空(スズメよりちょっと大きい鳥が10羽ほど)
夜のうちに雨も止み今朝は青空が見れて気候も暖かでした。
天気予報でも午後からは晴れとなっていたのに、お昼前に突然の雷雨に突風
洗車の拭き上げが終わったとこだったのにぃ~(T_T)
12月に雷が鳴るなんて昔は無かったよね
系列放置の需給適正化
民族系元売各社の2010年度における中間決算の結果が大幅に良化した。つい半年前はここ数年の連続赤字で経営危機への恐怖感がピークに達していた感すらあった元売収益がV字回復した。この半年間に何が起こったのか。振り返ると、今年初めから精製粗利は急上昇し、足元の精製スプレッドは13円超に達する。そのうえ、新仕切り体系が改定され、業転プラス4円水準という系列仕切りの独歩高時代が始まった。需給適正化は精販両業界がかねてより求めてきたものだが、それが現実化した中、恩恵は1に元売、2にプライベートブランド、3に商社が受け、系列SSのみが蚊帳の外に置かれている実感だ。元売、商社、販売業者などの声をまとめ、こうした市場情勢の背景を探ってみた。
業転は別市場のはずが・・・
業転は長く石油業界の市場適正化の阻害要因といわれるとともに、“必要悪”とも称されてきた。ただいずれにしろ水面下の取引であり、民族系元売の中には「業転は流していない」といまだ発言するところもある。
ガソリンは製品輸入が少なく業転を含めほとんどが国内製油所から出荷されているにも係らず、業転流通は別物扱いとされてきた。
ちなみに公取委が04年に『ガソリンの流通実態に関する調査報告書』で示した差別対価に関する考え方でも系列取引とスポット取引の業転価格は「同一市場を形成しているとはいえない」とされている。
<同一市場化した業転への意識>
常時続く“系列高”仕切
08年10月に新日本石油(現JX)が業転連動型の週決め仕切り体系を導入した。
新仕切り体系は市場の透明性の確保、公平・公正の実現を目指すものであり、その理念は画期的であった。
そして、透明性を確保する観点に最も厳格だった新日石は完全フォーミュラ制を導入し、陸上業転と東工取先物という2つの業転指標に連動する仕切り方式を採用。
この業転指標にブランド料2円加算した価格が新日石系の系列仕切りとなった。
※系列仕切りの決定に業転価格が完全に組み込まれたことを意味する。
(業転はかつては供給リスクのある余剰品であったが、今は仕切りの土台を構成するもの)
新日石が打ち出した業転プラス2円という系列仕切りは、他元売を驚愕させた。いずれも追随できず、業転格差2円の中、商社の業転担当は極端に薄くなった口銭に苦しみ喘ぎ、PBSSは勢いを失った。(新仕切り導入当初)
また系列回帰が起こり業転需要の減少を受けた業転指標は下落する展開を強め、その業転に連動するため、系列仕切りも低下し、精製粗利が圧縮。
この結果、皮肉だが元売各社の収益性も惨憺たる状況に落ちた。
<精製「高」収益+4円上積み>
高まる系列SSの不満
09年後半から10年初めにかけて、いよいよ元売の市場環境に対する危機感はピークに達したとみられる。
09年10月、新日石が東工取先物を仕切りフォーミュラの価格指標から外した。
原油連動性が高いがゆえに値動きが不確定であった指標が系列仕切りの枠組みから消えた。
需給関連でも動きが相次いだ。
09年11月に新日石・ジャパンエナジーが鹿島、根岸、水島、大分の4製油所における40万BDのトッパー能力の削減に加え、20万BDの追加削減を発表。
昭和シェルも10年2月、12万BDのトッパー能力がある東亜石油の扇島工場を閉鎖することを発表した。
出光も4月、新たに10万BDのトッパー削減を行うことを打ち出した。
08年10月以降、新日石が握っていた主導権が再びEMに移った。ただし主導権を発揮したのは、毎週金曜日にFAXされるかつての系列仕切りでは無く、毎週木曜日に商社向けに提示される産業用向けのいわゆる外販価格(ノンブランド品)である。
EM外販が上がれば、陸上業転が上がり、それに連動する新日石の系列仕切りも上がる。
この解りやすいスキームが出現した。
※業転が元売のコントロール下に入ったと言える。
元売の収益改善の「方程式」の第1弾がこれである。
そして第2弾が系列SSを直撃したブランド料の値上げである。
まず、4月にコスモが2.5円を3.5円に。6月にはJXもブランド料を販売関連コストに名称変更したうえで2円から4円に上げた。
これに伴い、業転格差4円の時代が到来し、系列SSが総じてPBSSに劣勢を強いられるようになった。
透明性の向上により、系列仕切りと業転との格差拡大が明確になったこともあり、系列SSの不満はピークに。
業転格差問題は拡大する
「4月改定時、元売は経営危機を匂わせながらブランド料値上げの承諾を迫った。今から考えると精製粗利は回復し始めていたのに、上積みされた」
「元売担当者に業転格差を質すと、『かつては6~7円あった。基本的に縮小している』と言うが、これは違う。かつてはガソリンマージンが10円以上、必要十分にあった。今は10円水準が厳しい。それに以前は事後調整があり決算は整った。元売は都合の良いところだけ先祖返りさせはじめている」
<※記録として>
新・新仕切り導入 “戦略”成功で潤う元売
市場価格の透明性、公平性などを目指し元売各社が導入した新仕切り体系は系列と業転の格差縮小も期待されたが、結果は、「単に月決めが週決め、日決めになっただけ」
改善すべき点が多いと判断され、今年6月「新・新仕切り」が登場。
これもフタを開けてみれば、「元売に都合の良いことだけが見て取れる。
・これは単に恒常的な仕切り値上げをするためのもの
・ブランド料と称する値上げ
・元売の赤字を補うためだけの新たな契約
・仕入れの量(枠)のハードルが上がった
・元売は露骨な保身に走った
☆「外販」という言葉が公然化。いわゆる業転の公認を元売が行った。
前年度決算は民族系元売3社ベースでも2500億円近い赤字が今期中間決算は約14000億円の黒字と、見事すぎるV字回復
※新・新仕切りの露骨な戦略が見事に成功
かつては親子・パートナーと評された精販関係なら、元売の改善は系列販売店にとっての勝利でもあった。
しかし、いま、元売が儲かることで系列販売業者の経営を安定させる要因はない。
新・新仕切りは、系列販売業者が高いコスト負担をすることで元売だけが潤った。
市場には外販公然化で業転が活発な動きをするたびにプライベートブランド(PB)が競争力を高める。
SS減少に不安感 ブランドには関心薄く
神奈川で行われた消費者懇談会での意見で、殆どの消費者が元売のブランドバリューを高く評価せず、その価値を価格に置き換えると1~2円と捉える意見が主流となった。
「SSの減少は実感がある。ナビに表示されていても本当にあるのか心配」
「元売は商社に安く売るよりも契約のあるSSに安く売るべき。その方が安定供給につながる」などの意見が出された。
<※記録として>