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エネルギーは政治の鍵

2013年01月06日 | 切り抜き

「シェールガス」欧州二分 資源確保…英・ポーランド開発促進 環境保全…仏なお禁止措置、独も慎重(産経新聞) - goo ニュース
2013年1月6日(日)08:14

「シェールガス」欧州二分 資源確保…英・ポーランド開発促進 環境保全…仏なお禁止措置、独も慎重
(産経新聞)

 【ベルリン=宮下日出男】新型天然ガス「シェールガス」をめぐる欧州諸国の対応が割れている。開発を促進する英国やポーランドに対し、フランスなどは、採掘時に化学物質が使われることなどから環境への影響が大きいとして禁止措置を取る。しかし、これまでのエネルギー輸入国を輸出国に変える可能性を持つ「シェール革命」が世界で注目される中、エネルギーの安定的確保を目指す欧州も全体としての取り組みを迫られつつある。

 フランス通信(AFP)によると、ポーランド政府は昨年11月、2020年までに総額1千億ズロチ(約2兆8千億円)をエネルギー部門に投資する計画を公表した。シェールガス開発には50億ズロチを充当。トゥスク首相は「大きな投資の始まりだ」と強調した。

 経済成長が続くポーランドは発電量の9割を石炭に依存し、天然ガスはロシアからの輸入に大きく頼る。欧州連合(EU)の環境目標達成と、ロシアへの依存脱却を同時に図るため、同国初の原発建設とともに、シェールガス開発はエネルギー政策の柱だ。

 国内消費量の「300年分」とされた推定埋蔵量は大きく下方修正され、米石油大手が撤退するなど試掘段階の開発は難航気味で原発とシェールガスの「二兎(にと)」を追うことに懸念も出るが、「エネルギーは政治の鍵」(トゥスク首相)との姿勢だ。

 英国も昨年12月、シェールガス開発を事実上、解禁した。11年に採掘現場付近で微小地震が発生し、採掘を暫定的に禁じていたが、「科学的調査」(英政府)の結果、姿勢を転じた。だが、欧州全体での開発の取り組みは概して低調だ。大量の水や化学薬品を使う採掘方法が環境に与える影響への懸念が大きいからだ。

 ポーランドと並び、欧州最大のシェールガスが眠るとされるフランスでは前政権に続き、オランド政権も開発を許可しない方針。ブルガリアなども禁止や暫定的禁止の措置をとり、ドイツも慎重だ。

 一方、ポーランドにとどまらず、ロシアへの天然ガス依存が高い欧州全体にとって、その供給源が多様化されることは魅力だ。開発に成功し、天然ガスの価格が下がれば域内経済の競争力強化も期待できる。

 欧州委員会のエッティンガー欧州委員(エネルギー担当)は、採算性などの問題で米国ほどの開発効果は見込めないとの見方を示す一方、代替エネルギーとしての潜在力にも注目。「環境への負担回避を前提に、このテーマに集中的に取り組む」との考えを示している。

【用語解説】シェール革命  地中の頁岩(シェール)と呼ばれる硬い岩盤に含まれる石油や天然ガスによってもたらされるエネルギー革命。シェールオイルやシェールガスの開発は難しかったが、高圧水で岩盤に亀裂を入れて取り出す「水圧破砕」技術が確立されたことで採掘コストが下がり、開発しやすくなった。米国は岩盤の質に合わせて水に混ぜる化学物質の量を調整するなど、効率的な採掘のノウハウを持ち、開発でも先行。一方で、地下水汚染などの問題も心配されている。