こないだの日経の記事(※masumiのつぶやきとかツッコミとかを青文字で)
公取委、給油所の安値調達容認 店頭価格下落も
公正取引委員会はJX日鉱日石エネルギーなど石油元売り8社に対して、系列販売店が商社などから安いガソリンを仕入れることを認めるように求める方針だ。元売りが系列販売店に正規ルート以外のガソリン購入を禁じている取引慣行が独占禁止法に抵触すると判断した。安値仕入れが広がればガソリンの店頭価格が下がる可能性もある。
※前記事に書いたように、これ以上は下がらないでしょう。
一時的に下がったとしても、中長期的にみれば「上がる」のではないかな?
公取は7月にガソリン販売の実態を調査した報告書を公表する。この中で、元売り各社に是正を促す。
法的強制力はないものの、是正されなければ行政処分も視野に審査を検討する。
※行政処分も視野に?って・・・そんなに立場が強いのなら何で「系列外(業転)に安く卸すのなら、同じように系列にも安く卸しなさい」ってならないの?
何で「系列でも系列外から仕入れても良いように」なんてなるのかな?
ガソリンは大きく分けて2つのルートで消費者の元に届く。1つは元売り各社が系列販売店を通じて「エネオス」や「エッソ」といったガソリンスタンドで販売する正規ルートで、流通量の8割強を占める。
※うーん。でも販売店へのアンケートでは業転玉を仕入れたことがあると答えたのが50%を超えてるんですよねー(~~;
もう1つは元売りが正規ルートでさばききれない余剰生産品を商社などに卸し、独立系のガソリンスタンドを通じて販売するルートだ。商社経由で販売されるガソリンは「業転玉(業者間転売玉)」と呼ばれ、公取の調査では正規ルートに比べて1リットル当たり平均3.8円安いという。
※平均3.8円というのは特約店へ卸す時点でね。最大格差は6円超だったかな。特約店から3者店へ卸すときにも中間マージンに差があるから3者店の系列からの仕入れ値と業転玉との仕入れ値格差は10円を越えることもある。
公取委は特約店を販売店とみなしているかのようだけど、その特約店の下に3者店があることを忘れないでほしいな。
公取が問題視しているのは、元売りが系列販売店に対し、正規ルート以外からガソリンを仕入れるのを禁じている取引慣行だ。安いガソリンの購入を禁じられた系列店が独立系に対して不利な競争条件を強いられているのを不適切と判断した。
余剰生産品の流通が始まったのは約30年前にさかのぼる。元売りは「系列店は元売りのブランドを使用しているため、正規ルート以外からの仕入れは契約違反」としてきた。しかし、元売りも最近は自社製品以外を混ぜ合わせてガソリンを販売している。このため公取は「元売りが優越的な立場を利用している」と指摘。取引慣行の是正を求めることにした。
※系列販売店で販売している揮発油は元売が連帯して品質を保証しているのですから、系列販売店が正規ルート以外から仕入れることを禁じるのは当然でしょう。
それに、これは取引慣行ではなく契約です。
7/10追記
>元売りも最近は自社製品以外を混ぜ合わせてガソリンを販売している。
※元売間のバーター取引(契約)は安定供給のために“国が認めたもの”でしょ。
元売間のバーターと販売店の他社買いを同じにすることはおかしいんじゃないかな。
公取の判断の背景にはガソリン小売業界の疲弊がある。全国石油商業組合連合会によると、需要減によりガソリンスタンドの数は過去10年で26%減った一方、安値品の流通割合は20%から26%に上昇した。多数を占める系列店の経営が悪化しているため、仕入れ環境の適正化を促す。
※仕入れ環境の適正化というのなら流通ルートの1本化でしょう。
今現在の仕入れ環境は系列ルートは値上がりしているのに業転は値下がり、なんていうことが起こるような状態だからいけないのであって、マークを掲げている系列販売店とマークを掲げていない非系列販売店の区別(値差)は必要でしょう。
系列販売店が安い業転玉を仕入れても良いようになったら、マークを下ろしてPB(無印)になったお店はどうなりますか。
消費者にとっても、混乱を招くのではないでしょうか?
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JXエネ、系列給油所に「廉価ガソリン販売認めず」 (同、日経新聞より)
JX日鉱日石エネルギーでガソリン販売などを担当する高橋章次取締役は28日、公正取引委員会が石油元売りに系列販売店による廉価ガソリンの仕入れ容認を求める方針を固めたとの報道に対し、「仕入れを禁止しているわけではないが、商標を掲げた系列給油所では直接供給のガソリンでなければ販売を認められない」との見解を述べた。
※仕入れを禁止しているわけではないが、商標を掲げた系列給油所では直接供給のガソリンでなければ販売を認められない」
???
どなたかこの日本語を訳してくだされ。
石油元売りは「エネオス」など商標を掲げた系列給油所に「元売りが直接、もしくは特約店を通じた正規供給ルートでガソリンを卸している」(高橋取締役)。
一方、元売りが自社でさばききれない余剰生産品は外部販売される。正規供給ルートより安い「業転玉(業者間転売玉)」として市場放出。商社経由などで仕入れた独立系の給油所が安売り攻勢をかけ、ガソリン市況低迷に拍車をかけている。
※商社経由などで仕入れた独立系の給油所が安売り攻勢をかけ、高値の正規ルートから仕入れている3者店は市況低迷に苦しんだ。
そして何故か元売子会社販社や大手量販店は、我々3者店の仕入れ値並みの売り値で、独立系に価格対抗。
(元売子会社販社や大手量販店にはブランド料は課されないのかな?あぁそうか、インセンティブでしたっけ。)
価格競争の蚊帳の外に置かれた3者店は「それでは生き残れない」「背に腹は変えられない」と業転玉を仕入れる3者店と、
「いくら苦しくてもお客さんを騙すようなことはできない」「安定供給のためにも」と、事情を知らない消費者から悪徳業者扱いされながらも正規ルートからの仕入れを貫いた3者店と・・・・
そんな異常な価格競争の結果、真面目な業者が消え、PBやセルフになっても敗退するものもあり、「設備投資しても回収も見込めない」と撤退を決断したもの・・・
そういう流れで、ガソリンスタンド過疎地や灯油難民が生まれた。
系列販売店は元売りによって実質的に業転玉の購入と販売を制限されており、公取委は「(元売りの行為は)ガソリン流通市場の公正な競争環境整備という観点から適切でない」と考えている。
高橋取締役は「公取委の公式な見解が出てから対応を考えたい」としつつ、「利用者は『エネオス』の商標を信頼して給油する。流通経路が異なる業転玉の販売は、利用者への裏切りとなる」と元売りの立場への理解を求めた。
※「いくらや?」と訊いて単価を知ると「高っ!」と言って去っていくドライバーが多い現実を元売さんは知っているのかな?
ENEOSの当店に来て、「そこのコンビニで貰ったんだけど、これ使える?」とエクソンモービルの割引券を出す消費者の多いことを元売さんは知っているのかな?
一個人の消費者にとっては、元売さんが思っているほどのブランド価値は無いように思うけど(苦笑)
(笑)masumiさんが頭に血を上らせてキーボードを叩いておる横でこうちゃんはのたまいました(笑)
公取委の“公式な”見解も出てへんねん。
そんな状態であーだこーだ言うたってしゃーないんちゃうか(笑)
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初めてご訪問くださった方へ
このブログの一番の目的はガソリンスタンド(昔ながらの)が置かれている現状を知ってもらうことです。
「masumiノート Tカード」というふうに、「masumiノート」にプラスして「業転」「仕切り格差」「差別対価」「発券店値付けカード」「担保問題」「不良債権の軽油税還付不公平」・・・とキーワード検索して頂ければ大概のことは記事にしてあります。
ガソリンスタンドカテゴリーの記事を全て読んで頂きたいのですが、あまり一般の方が興味を引く話題でもありませんので、
規制緩和以降のガソリンスタンドが置かれた現状を予備ブログ「masumi_iのブログ」にアップしました。
是非ご一読下さい。
7月11日 以下追記
同系列内格差は6.9円でした。(※一般特約店で、です)
6月28日ぜんせき