10月20日 燃料油脂新聞より (※青系文字がmasumi)
コストコホールセールジャパン岐阜羽島倉庫店の併設SSが16日、独自マークで営業を開始
オープン時のレギュラー価格はリットル115円で周辺SSとの価格差が10円以上。
同社は、国内全倉庫店にSSを出店したい考えで、既存倉庫店でのSS出店も相次ぎそうだ。
オープニングセレモニーでは羽島市市長が「飲食業の出店計画など、コストコが当地域の発展に寄与してくれる」と挨拶。
コストコの販売コンセプトは、品質の高さと低価格、3500品目の品揃えの多さ。
このため周辺競合店の価格を毎日調査している。
スタッフの給料待遇など福利厚生の充実とともに、従業員の3-4割を地元で雇用する。
周辺セルフはコストコのオープン価格を確認し、16日の午前中に7円ほど値下げした。
複数セルフは16日現在、フリ121円、プリペイドカード・元売カード118円で販売。
あるSSは「コストコの3円高で追随する方針。富山県射水市で8月にオープンしたコストコ併設セルフSSは前月、ガソリンを月間800KL販売したと聞いている。当SSの場合、118円で販売するとマージンがほとんどないが、減販を最小限に抑えたい」と語った。
※コストコが115円、周辺セルフが120円前後で販売している、この週の、当店の仕入れ値は税込みで
124円也。
利益確保できる市況求める(大分県)
現状では販売店の仕切価格(仕入価格)を割り込むような販売価格も出現しており、販売店から悲鳴が上がっている。
マージン確保訴える(新潟県)
周辺の安値より10円高いが、マージンは一ケタというのが販売店の実態。
「系列業者の実情察して」 コスト転嫁のカギ握る販社(首都圏)
「現実に店頭で消費者と接するのは販売店。メーカー(元売)のフトコロ具合が悪くなったから、仕切完達では済まされず、業界事情の説明に追われる系列の実情を察してほしい」
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>コストコが当地域の発展に寄与してくれる
羽島市の市長はオープンセレモニーでそのように言われたそうで、雇用と税収入から考えれば当然の発言です。
コストコは今後全国展開の予定です。
“当地域”の発展のために、地元の個人商店は涙を呑むことになるのでしょうか。
因みに、
コストコなどのセルフは灯油や軽油など小口配達は行いません。
10月24日 追記
10月23日 燃料油脂新聞
石油流通のゆがみが表面化
地元SSは、コストコを不当廉売で公正取引委員会に調査申告するなどの対策を検討中だ。
しかしコストコセルフは倉庫店と同様に会員しか利用できず、これまで不当廉売申告の対象となったSSとは営業形態が異なる。
公取委の判断にも注目が集まりそうだ。
※安い仕入れがあってのことなので不当廉売には当たらないでしょう。
ひと月に800KL販売したといわれるコストコ
リッター4円の粗利としたら320万円、3円でも240万円です。
十分な利益となっていますから不当廉売には当たらないでしょう。
3円4円の粗利でも、昔ながらの地場業者SSとはケタ違いの地下タンク容量と、桁違いの計量機台数を有する大型施設なら採算が取れる。
5円の粗利では採算割れになる地場SSとは違う。
そして、
「水は低きに流れる」
市長(行政)も、“発展に寄与してくれる”コストコの味方です。
消費者も、“安値で提供してくれる”コストコの味方です。
そのコストコを不当廉売で申告する地元SSは、悪者にされるのがオチです。
公取委もいい加減ウンザリしてるんじゃないでしょうか。
「出荷元が同じと証明されれば業転玉を取っても良いと見解を出しただろう。だからイチイチ文句を言わずに業転玉を取れよ」、ってね。
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仕入れ値の格差、それによって地場業者が廃業に至って少しばかり灯油難民が増えたとしても、それが市場原理の結果で、弱肉強食の世界でしょう。
それが弱者切り捨ての、この国の姿でしょう。
「自分さえ良ければ」「自分さえ安く買えたら」「自分さえ得なら」と考え行動する、それが弱肉強食の世界です。
それは“ケモノ”の世界です。
人間社会って、そんなもんじゃないでしょう。
今更ながらに素朴な疑問。
政治や行政は弱者救済の為にあるものなんじゃないんですか?