8月11日 「ぜんせき」より
ヒアリングでの調査要請
全石連関東支部は先ごろ、資源エネルギー庁石油流通課を訪れ、北関東や首都圏などで恒常的な
市場混乱の元凶なっている安値業転玉の流通実態と供給元の解明を強く求めた。
「元売ヒアリングによって、供給元を判明させてほしい」
「系列SSが被っている影響を理解・認識しているのかを聞いてほしい」
と理事長たちは訴えた。
8月13日 「ぜんせき」論説より
実態解明と改善指南に期待
国内の石油製品の安定供給体制は保たれているのか。?
流通市場において公正な競争は行われているのか。?
国内の石油製品のほぼ全てを振り出している卸元として、そのためにどのような対策を講じているのか。
エネ庁はこうした実態を把握するため、今年も元売ヒアリングを行う。
~中略~
08年秋以降、元売がそれぞれ新たな週決めの仕切り方式を導入し、市場の実態に連動した指標価格の設定をはじめ物流コストなどの考え方も示した。
こうした取組みにより業転と系列仕切りの不透明な格差は縮小すると期待され、実際にそうした改善の方向にあった。
しかし、ここにきて元売各社があらためて示した新・新仕切り改定方式は、一昔前の後決めであったり、指標格差に大幅なブランド料などを上乗せする方式に変更したことで、再び業転と系列仕切りの格差が拡大している。
やっと「公平・公正な競争市場を」と期待したSS業界に、なんともいえない先行きへの不安が広がっている。
この元売ヒアリングを前に先週、全石連関東支部管内の理事長7人がエネ庁に対して
「安値玉の実態解明」を要請した。
市場混乱の要因となっている廉売業者への流通ルートの把握と改善を期待したものだ。
ホームセンターなどの量販廉売業者が、中小SSの仕入れ価格を下回るような小売価格で販売しており、間に商社などが介在するにしても、透明になったはずの新仕切りフォーミュラでは説明のつかない例外的な安値が存在するのではないか。その実態を明らかにしてほしいとの思いである。
ヒアリングでは、販売子会社や直営SSに対する優遇の有無、不当廉売や不当表示などについての対応方針なども聴取する予定だ。
視界を遮るマーケットの矛盾やその裏仕掛けについて、中立である行政の目を通して問題点を洗い出し、公正な競争環境の整備に向けた指南が行われることを期待する。
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8月14日「燃料油脂新聞」東北版より
仕入れ価格より安い他店の小売価格に、地元販売店(三者店)は「どうしたらいいのか分からない」と、途方に暮れている。
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業界新聞には、このような仕切り価格の不公平さや不透明さが連日のように掲載されています。
我々販売店が掛売り客に対して小売価格の設定に差をつけていることを挙げ、元売や特約店の差別対価を肯定する意見もあるようです。
しかし、「仕入れ」と「小売」は全く別のものです。
元売には販売店に対して優越的地位(他社買いが出来ないという契約)がありますが、販売店にはそんなものはありません。
消費者(最終ユーザー)との間で売買契約を結ぶワケも無く、消費者(最終ユーザー)は自由に販売店を選べます。
ですから、「差別対価」と「小売価格の差」を同等に考えることは出来ないはずです。
これを消費者の立場で考えてみても、(上で「消費者は自由に販売店を選べる」と書きましたが)
自分が安値が可能な差別対価により優位な立場にある販社SSや直営SSの近くに住んでいる(或いは利用可能)場合は良いのですが、もしも自分の活動範囲には高値で卸されている販売店しか無く選択の余地がないとしたら、頭から不利益を被っていることになるのではないでしょうか。
ABCDの4つの地区があります。
ABCの地区には販社、直営SSがあり、差別対価により安く仕入れが出来ているので安値です。
D地区には高値で卸されている販売店しかありませんので小売り価格も高値です。
あなたはD地区の住民で、D地区でしかガソリンを購入することが出来ません。
「差別対価」は消費者に対しても不公平を与えます。
とは言え、実際には車で自由に移動が出来るので好きな所で購入が出来るのですが・・・
その結果、地場のガソリンスタンドは経営が立ち行かなくなっていきます。
そのうちD地区にはガソリンスタンドは無くなってしまうかもしれません。
国は元売ヒアリングでの実態解明を基に、真に公平な市場競争が保たれるように改善指南をしっかり行ってほしいです。