ふと顔を上げると、ゆうきさんが何か言いたげにボクを見ている。
「ゆうきさん、ちょっと聞いてもらっていいですか?」
「う、うん。いいで。」
幸太は両親の諍いの事を話した。
暫く沈黙が続いたあと
「幸太の父ちゃんと母ちゃんって仲は良かったんか?」
「え?・・・ ・・・・ ・・・・多分。・・・ケンカしてるとことか見たことないし・・・」
「ふーん。」
又、沈黙。
「幸太の母ちゃんの実家なぁ、青森の。幸太の母ちゃんに帰ってきて面倒みてもらいたいって言うてんのんか?」
「・・それは無いと思う。お手伝いさんも居るし・・・何か、お墓のことを一番心配してるって言ってた。自分が墓に入ったあと面倒みてくれる人がいないとかって、昔、ボクも言われたことがある。」
「墓か。それやったら解決出来るで」
「え、本当に?」
「ああ、お墓の引っ越しや。」
「お墓の引っ越し?」
「ああ、改葬って言うねんけどな。現在既にお墓があって、そこに安置してある遺骨を別のお寺や納骨堂なんかに移すことや。」
「ああ、改葬か。・・・それだったらダメです」
「何で?」
「ゴールデンウィークに帰ったとき、今回はボクも一緒に三人で話をしたんです。父さんが改葬のこと調べて提案したんですけど、青森のおばあさんが今ある墓に入りたいしそれを動かすなんて絶対許さないって聞かないらしいんです」
「我が儘な婆さんやな」
「はい」
「もちろん和歌山の爺さんも、孫の幸太の親父さんに継いでほしいって言うくらいやから、和歌山の墓を動かすのは無理なんやろなぁ?」
「そうです」
「ほんなら永代供養はどないや?」
「青森の墓は、そういうサービス、サービスっていうのか何て言うのか知らないけど、そういうサービスはやってないらしいです」
「あちゃぁ~」
「それにもし永代供養して貰えたとしても、おばあさんはそれも嫌なんだって」
「何でや?」
「どこの誰か知らない他人に線香あげてもらっても嬉しくない、とか・・・」
「はぁ・・・困った婆さんやね」
「それにボクもちょっと調べたんですけど、お寺の倒産とか名義借り霊園とか、永代供養も当てにならないみたいです」
※http://blog.goo.ne.jp/m128-i/e/8b894110dd90ccd80a74acbf4a9a1eb3
「ふーーーーっ」
ゆうきさんとボクはふたりして大きな溜息をついた。
つづく
「ゆうきさん、ちょっと聞いてもらっていいですか?」
「う、うん。いいで。」
幸太は両親の諍いの事を話した。
暫く沈黙が続いたあと
「幸太の父ちゃんと母ちゃんって仲は良かったんか?」
「え?・・・ ・・・・ ・・・・多分。・・・ケンカしてるとことか見たことないし・・・」
「ふーん。」
又、沈黙。
「幸太の母ちゃんの実家なぁ、青森の。幸太の母ちゃんに帰ってきて面倒みてもらいたいって言うてんのんか?」
「・・それは無いと思う。お手伝いさんも居るし・・・何か、お墓のことを一番心配してるって言ってた。自分が墓に入ったあと面倒みてくれる人がいないとかって、昔、ボクも言われたことがある。」
「墓か。それやったら解決出来るで」
「え、本当に?」
「ああ、お墓の引っ越しや。」
「お墓の引っ越し?」
「ああ、改葬って言うねんけどな。現在既にお墓があって、そこに安置してある遺骨を別のお寺や納骨堂なんかに移すことや。」
「ああ、改葬か。・・・それだったらダメです」
「何で?」
「ゴールデンウィークに帰ったとき、今回はボクも一緒に三人で話をしたんです。父さんが改葬のこと調べて提案したんですけど、青森のおばあさんが今ある墓に入りたいしそれを動かすなんて絶対許さないって聞かないらしいんです」
「我が儘な婆さんやな」
「はい」
「もちろん和歌山の爺さんも、孫の幸太の親父さんに継いでほしいって言うくらいやから、和歌山の墓を動かすのは無理なんやろなぁ?」
「そうです」
「ほんなら永代供養はどないや?」
「青森の墓は、そういうサービス、サービスっていうのか何て言うのか知らないけど、そういうサービスはやってないらしいです」
「あちゃぁ~」
「それにもし永代供養して貰えたとしても、おばあさんはそれも嫌なんだって」
「何でや?」
「どこの誰か知らない他人に線香あげてもらっても嬉しくない、とか・・・」
「はぁ・・・困った婆さんやね」
「それにボクもちょっと調べたんですけど、お寺の倒産とか名義借り霊園とか、永代供養も当てにならないみたいです」
※http://blog.goo.ne.jp/m128-i/e/8b894110dd90ccd80a74acbf4a9a1eb3
「ふーーーーっ」
ゆうきさんとボクはふたりして大きな溜息をついた。
つづく