⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

無線通信、人が多い場所でも快適 パナソニックが新技術

2015年06月17日 | 新技術
無線通信、人が多い場所でも快適
パナソニックが新技術

2015/6/17 15:30 日経夕刊

 パナソニックは混雑したイベント会場や飲食店、満員電車などでも高画質の動画や音楽を楽しめる携帯端末用の新しい無線通信技術を開発した。周囲の人と混信して速度が落ちる問題を減らす技術を考案し、超高速の光ファイバー並みの速度でやりとりできるようにした。外にいながらインターネットを利用できる公衆無線LAN向けに数年後の実用化を目指す。
 開発した技術は、2016年に導入される新しい無線通信規格のWiGig(ワイギグ)に対応する。通信速度が現在普及しているWi―Fiの10倍あり、高画質の4K映像でもコマ落ちしない。ただ、人が多く集まった場所で使うと、近くの端末と電波が混信して通信が遅くなる問題がある。
 パナソニックは2つのアンテナを使い、通信の邪魔になる別の端末からの電波を区別し、つながった端末との電波だけを強める技術を開発した。これで混信の影響を減らして速度の低下を防ぐ。混雑した場所の電波状況をまねた実験では、通信速度が従来よりも3~5割ほど向上することを確かめた。
 利用するには専用の大規模集積回路(LSI)を端末に組み込むほか、アンテナを電車の車両や店舗などに設置する必要がある。今後、関連技術の開発を進める。
 20年の東京五輪に向けて公衆無線LANの整備が進むとみられており、より速い速度の無線技術が求められている。

米財政赤字、GDP比倍増 議会予算局見通し40年5.9% 医療改革で拡大

2015年06月17日 | 国際政治
米財政赤字、GDP比倍増
議会予算局見通し40年5.9% 医療改革で拡大
2015/6/17 15:30 日経夕刊

 【ワシントン=矢沢俊樹】米議会予算局(CBO)は16日、米連邦政府の長期財政見通しを公表した。財政赤字の米国内総生産(GDP)に対する比率は2040年に5.9%となり、15年の推計値の2.7%から2倍以上に膨らむ。将来の金利上昇や大増税が成長を阻害しかねないとして10年間で大胆な財政赤字削減に踏み込むのが賢明だとの認識をにじませた。



 最新の見通しによると米経済の緩やかな景気回復と税収増に伴い、15年の米財政赤字のGDP比は2.7%となり、08年の金融危機後の最悪期だった10%の4分の1程度まで改善する。
 中長期的にはオバマケア(米医療保険改革)で段階的に保険支給の対象者が拡大されるなどして公費(税金)負担も大きく膨らむ。現行の社会保障政策を前提とすると財政も悪化の一途をたどりそうだ。25年には赤字のGDP比は3.8%に上昇する。さらに高齢化で連邦政府の支出増には拍車がかかり、25年後の40年にはこの比率が5.9%まで高まる。
 米成長の勢いがやや鈍る傾向にあることから連邦政府が支払わなければならない長期的な金利水準も押し下げられるため、14年にまとめた見通しに比べると、連邦政府の債務状況はやや改善するという。
 見通しでは米経済の巡航速度といえる潜在成長率について、向こう25年間の平均で年2.2%になると仮置きした。米連邦公開市場委員会(FOMC)による推計値の範囲内にある。人口増が鈍化したり、女性の労働参加も頭打ちとなったりするため成長の源泉である労働投入量が減り、1965年から07年を平均した年3.3%から低下が避けられない見込みだ。
 一方、インフレ率を勘案した実質長期金利は年平均1.9%で推移する見通し。経済成長のテンポが金利の伸びをかろうじて上回るため、米連邦債務のGDP比が加速度的に高まる懸念はないとしている。
 もっとも財政悪化を放置すればいずれかの時点で赤字圧縮のために急激な増税を迫られ家計が圧迫されるばかりか、長期金利上昇と投資減で米経済の勢いをそぎかねない。向こう10年で総額4兆ドル(500兆円弱)程度の大規模な赤字削減に取り組むほうが、金利抑制などを通じて財政が経済に及ぼす悪影響を軽減し、赤字圧縮が緩やかな場合よりも成長率を押し上げる可能性があるとのシナリオを示した。

18歳選挙権法 成立 70年ぶり変更、来夏参院選から

2015年06月17日 | 政治
18歳選挙権法 成立
70年ぶり変更、来夏参院選から
2015/6/17 15:30 日経夕刊
 選挙権年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が17日午前、参院本会議で全会一致で可決、成立した。6月中にも公布し、1年後に施行される。施行後初めて公示する国政選挙から適用するため、来夏の参院選から「18歳以上」が投票できる見通しだ。世界的には選挙権年齢は18歳が一般的で、日本も国際標準に追いつく形になる。




 選挙権年齢の変更は1945年に「25歳以上の男子」から「20歳以上の男女」となり、年齢引き下げと女性の参政権が認められて以来、70年ぶり。まず来夏の参院選で適用する見通しで、参院選の公示日以後に告示される知事選や市区町村長選など地方選挙も18歳から投票できるようになる。
 世界的には18歳で選挙権を得る国が主流だ。国立国会図書館が昨年2月時点で各国下院の選挙権年齢を調べたところ、調査できた191カ国・地域のうち、9割の176カ国・地域が18歳以上だった。欧米の主要国はおおむね70年代に18歳以上に引き下げている。
 新たに選挙権を得る18~19歳は約240万人で、有権者の約2%。各種選挙で20代の投票率の低さは際立っており、18歳選挙権をきっかけに若い世代に政治への関心が高まるよう、政府や各政党は主権者教育や政策のアピールに力を入れる考えだ。菅義偉官房長官は17日午前の記者会見で「若者の声が政治に反映され、意義深い。高校生や大学生を中心に周知啓発に取り組んでいくことが大事だ」と述べた。




 選挙権年齢の引き下げに伴い、18~19歳の選挙運動も認められる。18~19歳が買収など連座制の対象になるような重大な選挙違反を犯した場合、少年法の特例として原則として成人と同じように刑事処分にする。裁判員や検察審査員は当面、20歳以上のままにする。
 審議では被選挙権の引き下げも議論になった。与野党の選挙権年齢に関するプロジェクトチーム座長の自民党の船田元氏は「被選挙権年齢についてもプロジェクトチームで議論を続ける」としている。
 選挙権年齢の引き下げは、昨年成立した改正国民投票法で憲法改正の国民投票ができる年齢を「2018年に18歳以上」としたのを受けた措置。国民投票法は選挙権年齢や民法の成人年齢の引き下げについて「速やかに検討」するとしていた。
 今回の改正公選法は付則に「選挙の公正その他の観点から均衡を勘案しつつ、検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と盛り込んでおり、民法の成人年齢や少年法の適用年齢の引き下げについて、政府・与党は今後、議論を本格化する。

東北大が藻類産生オイル(水素スクアレン)の輸送用燃料への新変換法の開発に成功

2015年06月17日 | 食品

 

藻類には、陸上の植物に比べてはるかに効率よく燃料を産出する株が
あることが分かっていて、バイオ燃料に活かすための研究が全国で
進めらてきました。
この度、藻類がつくり出す炭化水素スクアレンを、ガソリンやジェット燃料に
変換するための新手法が、東北大学大学院工学研究科の冨重圭一教授、
中川善直准教授、筑波大学生命環境系の渡辺秀夫研究員らのグループ
により発見された。

新たな手法は、高分子構造を持つ炭化水素スクアレンを、触媒を用いて分解し、
小さな分子構造の炭化水素を得るためのもので、触媒には、活性金属として
独自の方法で分散したルテニウム微粒子を使う。
この触媒を用いて、240℃、60気圧の水素でスクアラン(スクアレンの水素化物)を
水素化分解すると、図のように、スクアラン分子中の分岐と分岐の中間位置が
切断されて分岐炭化水素のみが得られた。

分岐炭化水素は、保存安定性、低凝固点、オクタン価
(ノッキングを起こしにくい性質の値)などの点で、ガソリンやジェット燃料に
望ましい成分だという。
また、この反応では、毒性のある芳香族は全く生成されず、触媒は4回
再使用しても性能の劣化が見られなかった。

なお、今回の研究は、東北大学、筑波大学、仙台市が連携した
「東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト」の一部として行われた。
津波で大きな被害を受けた仙台市の下水処理場を利用し、生活排水で
培養した藻類からバイオ燃料を効率的に生産するという目標に向けた
取り組みのひとつ。
下水から採取されるスクアランの新たな用途が広がっていくかもしれない。

 

 

 

 


トランス脂肪酸、18年に米国で全廃 米国当局「安全でない」と発表

2015年06月17日 | 食品

トランス脂肪酸、18年に全廃 米当局「安全でない」

 

トランス脂肪酸が含まれているパイ(ゲッティ=共同)

 

 【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は16日、食用油などに含まれ、
肥満や心臓病との関連が指摘されるトランス脂肪酸を、2018年6月までに
食品添加物から全廃すると発表した。

 FDAは13年に廃止方針を示して科学的妥当性を検討してきたが、
最終的に食品に使う上で「安全とは認められない」と結論づけた。

 食品業界は3年間で代わりの添加物を使うなどの対応が求められる。
FDAは「心臓病を減らし、年間数千件の命に関わるような心臓発作を
防ぐことができる」とみている。

 トランス脂肪酸は、摂取すると動脈硬化などを引き起こすリスクが増す
との研究結果が多く示されている。


*魚拓

 





介護保険、法改正で負担増 年数十万円規模の可能性

2015年06月17日 | 介護
介護保険、法改正で負担増
年数十万円規模の可能性
2015/6/17 3:30 日経朝刊

 介護保険法の改正に伴う利用者の負担増が8月から始まる。一定の所得以上なら自己負担が1割から2割にあがり、これは65歳以上の約5人に1人にあたる。特別養護老人ホーム入居者への補助も条件が厳しくなり、1割負担のままの人も費用が年数十万円規模で増える可能性がある。老後資金の抜本的な見直しが必要になるかもしれない。




 「今回の法改正の内容はあまり知られていない。自分が2割負担になるとわかって驚く人が多いのではないか」。介護保険制度に詳しい東洋大学の高野龍昭准教授はこう危惧する。
  
所得次第で2割に
 2000年の導入以来、介護保険は利用したサービスの費用の1割負担が原則だった。しかし利用者の急増に対応するため、改正介護保険法が成立。今年8月から第1号被保険者(65歳以上)のうち、収入から控除などを引いた所得が160万円以上なら原則2割負担になる。自分が該当するかどうかは、市区町村から近く送られてくる負担割合証で確認できる。
 負担能力を考慮して自己負担を1割にとどめる救済措置もあるが、65歳以上の5人に1人が2割負担に当てはまる見通し。厚生年金のほかに企業年金をもらう元会社員では該当する人も多そうだ。
 介護保険で最も介護の必要性が高い「要介護5」の場合、1割負担での平均的負担額は月2万1000円。これが2倍になれば4万2000円とかなり重くなる。
 介護保険では所得などによって負担額の上限を定めた高額介護サービス費という仕組みがあり、上限額を超えた分は払い戻す。それでも改正後の負担は増える場合がある。
 例えば所得区分が最も高い人向けの「一般」に該当する人の上限額は月3万7200円。自己負担が現在1割負担で、要介護5の平均の2万1000円なら上限額の範囲内なので払い戻しはない。8月から自己負担2割に該当して4万2000円となれば、上限額を超える4800円は払い戻されるが、実質的な自己負担は3万7200円と改正前に比べ7割強増える。
 高額介護サービス費の負担上限額自体も所得の高い人は8月から上がる。現在の「一般」が2つに分かれ、現役並み所得(夫婦世帯なら収入520万円以上)がある場合は4万4400円に上がる。自己負担2割の4万2000円なら上限額の範囲になり、払い戻しはなくなってしまう。
 区分が一般のままか「現役並み」になるか収入しだいで微妙な場合は、7月までに自治体から自己申告を促す通知がくる。答えないと自動的に現役並みとされるので、忘れずに申請しよう。
 市民福祉情報オフィス・ハスカップの小竹雅子氏は「現在も資金不足で介護サービスを手控えている人は多い。負担増になれば状況はさらに悪化する」と心配する。
 もう一つの大きな改正が特別養護老人ホームや介護老人保健施設(老健)などの施設入所に関するもの。食費・住居費に対する補助(補足給付)の条件が厳しくなる。利用者負担が1割のままでも支出が大きく増える場合がある。
 
特養補助に新条件
 補助の対象になるには現在は利用者本人と同じ世帯に住む人全員が、所得が低いために住民税が非課税でなければならない。例えば妻が非課税でも、夫が課税対象なら補助は受けられない。
 しかし妻が特養に入居し、夫と別居している場合、住民票を特養の住所地に移すなどして世帯を分離すれば、移した先の世帯は妻だけとなる。妻は非課税なので補助を受けられる。こうしたケースはよくみられ「補助を受けている人は特養の入所者の約3分の2に及ぶ」(高野准教授)
 しかし8月からは「世帯が別でも在宅の配偶者が住民税の課税対象者なら、補助の対象外となる」(社会保険労務士の小野猛氏)。
 資産の要件も新設される。預貯金で単身は1000万円以下、夫婦なら2000万円以下でないと補助を受けられなくなる。預貯金の額は自己申請だが、市区町村には金融機関から聞き取る権限があり、不正給付が見つかれば不正のあった額を含めて最大3倍の金額の納付を求められる。
 グラフCは一定条件下で補助の対象外になった場合の負担額の変化を試算した。月に6万円強、年に70万円強負担が増える。「退所を検討する人もでるかもしれない」(高野准教授)
 様々な負担増は介護保険制度を持続可能にするため必要な措置とされる。しかし一時的な負担が多い医療費と違い、介護費は長期に続くことが多い。負担増は生活に大きな影響を与えかねない。社会保険労務士の井戸美枝氏は「老後の資金計画では生活費とは別に介護・医療費用として最低800万円程度は必要になってきた」と話している。

再生医療など145億円 医療研究機構、25事業に予算配分

2015年06月17日 | 再生医療
再生医療など145億円
医療研究機構、25事業に予算配分
2015/6/17 3:30 日経朝刊

 政府の医療研究の司令塔として4月に設立された日本医療研究開発機構が初めて配分する2015年度の医療分野の研究開発予算が分かった。iPS細胞を保存して治療に用いる拠点を整備する事業に10億円を支出するなど、計25事業に145億円を充てる方針だ。
 予算はほかに、患者が非常に少なく治療法が確立していない難病の研究事業で14億円、大学などの基礎研究を実際の治療につなげる事業に16億円を支出する。医薬品の開発支援(10億円)、医療機器やシステムの開発(9億円)にも配分する。
 機構は文部科学省、厚生労働省、経済産業省に分かれた研究開発行政を一元化した。米国の国立衛生研究所(NIH)がモデル。145億円は政府の科学技術イノベーション創造推進費の一部を活用する。

地方の特養、都内進出 手厚い補助金後押し

2015年06月17日 | 介護
地方の特養、都内進出
手厚い補助金後押し
2015/6/17 3:30 日経朝刊

 地方の社会福祉法人が東京都内で特別養護老人ホームを開設する例が相次いでいる。この3年間の開設計画数は22件で全体の半数に達する。東京では高齢者が急増する見通しに加え、都の補助金の手厚さが後押ししている。民間有識者でつくる日本創成会議は高齢者の地方移住を提言したが、東京を有望な市場とみる地方の法人が進出する傾向が強まっている。

 東北を地盤とする社会福祉法人、久盛会(秋田県由利本荘市)は2016年4月、東京都大田区に特養を開設する。定員81人の施設で投資額は約20億円。ショートステイ(短期入所)施設などと一体で整備する計画だ。「地元では今後は介護施設の整備が伸び悩む。高齢化が進む東京はニーズが増える」とみて都内への進出を決めた。
 桑の実園福祉会(兵庫県たつの市)は11月、豊島区内に特養を開く。敬仁会(鳥取県倉吉市)は4月、足立区内に特養を開業した。料金を抑えるため相部屋を多くした。
 都内での12~14年度の特養の開設計画件数は43件で、都外の社会福祉法人が5割を占めた。背景には介護需要の急増がある。25年には都内の75歳以上の高齢者は10年比60%増の197万人に達する見通しだが、特養への入居待機者は既に4万3千人いる。一方で、地方では高齢者数が減少に転じる地域もある。今後も地方からの進出が続く可能性が大きい。
 都の補助金の多さも事業者には魅力だ。他の自治体では建設費補助として定員1人あたり300万~400万円という例が多いが、都は600万円以上を支給する。
 課題は人手の確保だ。久盛会は大田区の特養に約70人の職員を配置する計画だが、秋田にある介護福祉士を養成する専門学校からも採用して対応する方針だ。

再生医療VBのヘリオス、期待先行の上場

2015年06月17日 | 企業研究
再生医療VBのヘリオス、期待先行の上場
初値は公開価格の2割高、iPS治療実用化はこれから
2015/6/17 3:30 日経朝刊

 iPS細胞を使って目の難病「加齢黄斑変性」の治療用細胞の実用化をめざすヘリオスが16日、東証マザーズに上場した。初値は1470円と公開価格の1200円を2割上回った。再生医療ベンチャーの本命との見方がある一方、臨床試験(治験)はこれからで期待先行の感も拭えない。

上場を記念して鐘をたたく鍵本社長(16日)

 昨年9月、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらが様々な細胞に分化できる患者自身のiPS細胞を使って目の網膜の細胞を作り、加齢黄斑変性の患者に移植した。iPS細胞を使った初めてのヒトへの移植で世界から注目された。
 ヘリオスは同氏の技術を使って他人のiPS細胞から治療用細胞を量産し、多くの患者が移植を受けられるようにすることを狙う。設立は4年前。開発パートナーとして大日本住友製薬やニコンなどが株主に名を連ねる。
 経済産業省によると国内の再生医療市場は2020年に950億円、30年に1兆円に達する。将来性を買われた形でヘリオスの株価は16日、一時1763円まで上昇し、1688円で引けた。
 もっとも市場がもろ手を挙げて歓迎していたわけではない。主幹事の野村証券は上場にあたって投資家の需要を慎重に調査。「ヘリオスの事業は初期段階。先行きを慎重に見極めたい」という声などを踏まえて準備を進めた。公開価格は目論見書の想定価格(1550円)より低めとなり、公募株式数も減らした。
 ヘリオスの鍵本忠尚社長は16日の東証で開いた記者会見で「投資家からiPS細胞への理解、産業化への理解が十分得られなかった」と述べた。
 「上場は時期尚早ではないか」。証券アナリストやバイオベンチャー経営者からはこんな声も聞こえる。そもそも高橋氏の移植手術の有効性や安全性の検証はこれから。さらにヘリオスが狙う他人の細胞を使った再生医療製品のヒトへの投与はまだ始まっていない。
 同社の14年12月期の連結売上高は3億円足らずで、最終損益は4億円の赤字。上場で調達した資金は研究開発などに充てるが「国内で再生医療製品を発売する20年までは赤字が続く」(鍵本氏)。
 16日夜には理研が患者のiPS細胞から作った細胞を移植する2例目の手術を見送っていたことが分かった。iPS細胞に複数の遺伝子変異が見つかった。鍵本氏はかねてiPS細胞の質について「患者の細胞で作るから安定しない。健康な他人の細胞を使うことで高品質な細胞を作り続けられる」と説明してきた。
 創薬はすぐには結果が出ず、リスクも大きい。最先端分野ならなおさらだが、ヘリオスは出だしから順風と逆風が交錯し、事業の先の見通しにくさが表れた形だ。

トヨタ新型株

2015年06月17日 | 企業研究
ビジネスTODAY トヨタ総会、議論の場に
過去最長の3時間、新型株の賛成率は75%
2015/6/17 3:30 日経朝刊
 主要な3月期決算企業の株主総会が本格化してきた。トヨタ自動車が16日に開いた総会では、新型株式(種類株)の発行に必要な定款変更など7議案を可決。事実上の元本保証ながら議決権を持つ異例ずくめの新型株には株主から質問が相次ぎ、開催時間は3時間2分とトヨタとして過去最長を更新した。企業統治への関心が高まるなか、株主総会が議論の場として機能するか、今年は一段と問われそうだ。



 新型株式については、海外投資家などから「売れない株式は安易な安定株主を増やし、経営の規律が緩む」と反対の意見が出ていた。総会での賛成の割合は75%(速報値)だった。可決に必要な3分の2以上の賛成は上回ったが、トヨタの通常の会社側提案への賛成の割合は9割前後が多く、これと比べると低かったといえる。
 総会の出席人数は昨年より12%増の4655人、質問に立った株主数は25人と7人増えた。「種類株の決議があったので、初めて総会に来た」(愛知県春日井市の男性)という株主もいた。新型株式については、総会でも「具体的なメリットがみえない」などの指摘が相次いだ。
 トヨタは長期保有の株主を増やし、時間のかかる自動車開発などの支援を得る狙いを説明。豊田章男社長は「種類株は株主の方に選択肢の幅を広げる」とし、多くが預金になっている個人金融資産の受け皿を目指す姿勢を強調した。「資本市場を活性化する役割をトヨタが半歩進めた」と訴え、株主に理解を求めた。
 5月に包括業務提携したマツダとの資本提携の可能性など具体的な内容を問う質問も出た。寺師茂樹専務役員(16日に副社長に昇格)は「具体的成果はこれからテーマを決めて両社で議論を深める。出資については現在考えていない」と話した。
 株主からはトヨタが保有している自社株(金庫株)や潤沢な手元資金の活用策を問う声もあった。トヨタは現在2億7000万株の金庫株がある。小平信因副社長は一定の金庫株を保有する利点を強調したうえで、「3億株を超える分については消却する」と語った。
 東京証券取引所が求める企業統治指針(コーポレート・ガバナンスコード)の適用を踏まえ、改めて企業統治や資本政策への関心が高まっている。経営陣の提案を追認するのではなく、株主と経営陣が時間をかけて議論を交わす。トヨタの長丁場の総会からは、そんな変化の芽がうかがわれた。