Cape Fear、in JAPAN

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にっぽん女優列伝(287)三田佳子

2021-10-09 02:22:57 | コラム
41年10月8日、なんときのうがバースデーだった80歳。
大阪出身。

公式サイト

自分も「不肖の息子」なので、ヨソサマのことをアアダコウダいえる立場にないですけど…

三田佳子(みた・よしこ)さんのキャリアが、次男によって大きく変わってしまったのは気の毒でなりません。

彼が10代のころに起こした騒動について親が責められるのは、まぁ仕方なかったと思いますけれど、もう40代ですからね。
それ以降の逮捕を受けて、三田さんが活動を自粛するのはちがうのではないかと。

お小遣いン十万?
そのくらいもらっている子どもでも、マトモに育つひとは居るわけで。
多忙なぶんお金でなんとかしようという考え、それが常識外れだったとまでは思いません。
環境のせいもあったのでしょうが、結局は本人の性みたいなものですよ。(と、親不孝の自分は思います)

三田さんの後期キャリアを救ったのが水野晴郎であることは、あまり知られていません。
あの伝説的珍作で、吹っ切れたところもあったのでしょうね。

※一般的には、このあたりが人気なのでしょうか


<経歴>

夫はNHKのプロデューサーだった高橋康夫。

学生時代、主にテレビドラマの端役して活動。
高校卒業後に第二東映に入社、映画俳優デビュー作は60年の『殺られてたまるか』。

67年に退社しフリーになるまで…

『不死身の男』(60)、『にっぽんGメン 摩天楼の狼』(60)、『野獣の眼』(60)、『海底の挑戦者』(60)、『第三次世界大戦 四十一時間の恐怖』(60)、『炎の城』(60)、『乾杯!ごきげん野郎』(61)、『男の地平線』(61)、『天下の快男児 旋風太郎』(61)、『俺らは空の暴れん坊』(61)、『逆襲の街』(61)、『富士に立つ若武者』(61)、『アマゾン無宿 世紀の大魔王』(61)、『男の血潮がこだまする』(61)、『金も命もいらないぜ』(61)、『静かなるならず者』(61)、『街』(61)、『復讐は俺らの歌』(61)、『地獄の底をぶち破れ』(61)、『南太平洋波高し』(62)、『黄門社長漫遊記』(62)、『残酷な月』(62)、『山麓』(62)、『ギャング対ギャング』(62)、『まぼろし天狗』(62)、『太陽の子 アイ・ジョージ物語』(62)、『東京アンタッチャブル』(62)、『王将』(62)、『裏切者は地獄だぜ』(62)、『海軍』(63)、『武士道残酷物語』(63)、『傷だらけの不敵者』(63)、『暴力街』(63)、『東京アンタッチャブル 脱走』(63)、『恐喝』(63)、『昭和侠客伝』(63)、『ギャング忠臣蔵』(63)、『続・王将』(63)、『東京ギャング対香港ギャング』(64)、『暗黒街大通り』(64)、『東京アンタッチャブル 売春地下組織』(64)、『鮫』(64)、『日本侠客伝』(64)、『廓育ち』(64)、『赤いダイヤ』(64)、『仇討』(64)、『顔役』(65)、『黒い猫』(65)、『無宿者仁義』(65)、

『昭和残侠伝』(65)と『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』(66)、

『四畳半物語 娼婦しの』(66)、『愛欲』(66)…などなどなど、東映作品のヒロインとしてジャンルを越境し「大」活躍。

プログラムピクチャーというものが、きっちり機能していたことが分かる充実のキャリアです。

『反逆』(67)、『夜のひとで』(67)、『座頭市喧嘩太鼓』(68)、『野獣の復活』(69)。


自分にとって馴染みのある作品が多数出てくるのは、70年代以降。

『望郷』(71)、
篠田正浩が遠藤周作の代表作を映画化した、名作というより珍作『沈黙 SILENCE』(71)、
『恋は緑の風の中』(74)、『愉快な極道』(76)、『赤穂城断絶』(78)、
『漂流』(81)、『未完の対局』(82)、『きつね』(83)、『序の舞』(84)。

そして『Wの悲劇』(84)では、ある意味で薬師丸ひろ子以上に目立つキャラクターで熱演、これが真の代表作といえるのではないでしょうか。

(メジャーではあまり結果の出ない)自分の師匠・荒井晴彦の脚本も、今回は監督―澤井さん合掌。―と俳優に恵まれました。



『春の鐘』(85)、『道』(86)、『化身』(86)、『別れぬ理由』(87)、
「向こう側」に居る息子に向かってバットを放るシーンが「なんか知らんけど」笑ってしまう『漂流教室』(87)、
『ラブ・ストーリーを君に』(88)、『敦煌』(88)、『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』(88)、『極道の妻たち 三代目姐』(89)、『利休』(89)、『おいしい結婚』(91)、『遠き落日』(92)。

しかし次男の事件が大きく報道され活動自粛。
そのときに救ってくれたのが批評家の水野晴郎で、自身が監督した抱腹絶倒の『シベリア超特急3』(2003)でキャリアを再スタートさせる。

その後も度々騒動を起こす次男でしたが、周りの説得もあってかしだいに「我関せず」の態度を取るようになっていく。
うん、大正解だと思います。

よかった、きちんとしたひとが周りに居て。


2000年代以降の作品に…

『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌』(2003)、『ドラッグストア・ガール』(2004)、『海猫』(2004)、『魂萌え!』(2007)、『人間失格』(2010)、『マンゴーと赤い車椅子』(2015)、『の・ようなもの のようなもの』(2016)、近作は『俳優 亀岡拓次』(2016)。


『ガキの使いやあらへんで』(日本テレビ)の「街でプライベートな芸能人に会うまで帰れません」的な企画で、フツーに銀座でショッピングする三田さん、すごく面白かったです。
一時期は悲壮感が歩いているような感じでしたが、本来は明るいひとなんですよね!!

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(288)満島ひかり』
コメント (1)
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