Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

やんややんや。いうのも楽しいんだよ^^

2022-01-31 00:10:00 | コラム
某日―。
日本アカデミー賞のノミネーションが発表される。

それを受けて、主にTwitter上で映画ファンたちがやんややんやを始める。

<作品賞ノミネーション>

『キネマの神様』
『孤狼の血 LEVEL2』
『すばらしき世界』
『ドライブ・マイ・カー』
『護られなかった者たちへ』



あれ『空白』は? 『街の上で』は?
とかなんとか。
さすがに『ドライブ・マイ・カー』は外せなかったか、しかし受賞はないんじゃないか、監督以下スタッフやキャストがあの会場に集うとは思えんし。
とかなんとか。
俳優ノミネーションだって、あのひとも居ないこのひとも居ない。偏り過ぎではないのか。
とかなんとか。

日本アカデミー賞に対する文句は、もはや風物詩のようにも感じられて(^^;)

日テレの息がかかっている作品が最終的には強い―ということを、みんな知っているからだろう。
それに対しなかば諦め、「でもまぁ〇〇もノミネートされたし、頑張ったほうじゃない?」となぜか上から目線になっている自分みたいなのも居れば、
本気で怒って許せん! ぷんぷん!! となっているひとも居る。


某日―。
日本で最も偏った映画雑誌『映画芸術』のベストテン&ワーストテンが発表される。

えぇ!? と思うひとが居るかもしれない。
そんな風に思ったひとたちが中心となって、またTwitterの映画アカウントが騒がしくなる(^^;)

<ベストテン>

①『草の響き』


②『偶然と想像』


③『BLUE/ブルー』

④『いとみち』


⑤『街の上で』

<ワーストテン>

①『空白』

②『すばらしき世界』

③『キネマの神様』

④『ドライブ・マイ・カー』

⑤『由宇子の天秤』



長く映画ファンやっているひとほど、笑いながらランキングを眺めているのではないかしら。
推し作品がワーストに入っても立腹することはせず、相変わらずだなとニヤニヤしていることだろう。

そう、相変わらずなんです。
ぜんぜんブレていないんです、
だって編集長の荒井晴彦が、全国のへそ曲がりを集めて集計を取るわけなんだから、フツーのランキングになるわけがない。

逆にいえば、フツーのランキングが出来たとしたら、それが『映画芸術』の「おわりどき」ということでしょう。


なんにせよ。
肯定的であれ否定的であれ、映画についてあれやこれや、やんややんや出来るっていうのは、映画ファンにとって幸福なことなのです。

でしょ、みんな、そうでしょ?^^

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明日のコラムは・・・

『じわじわ…来ている。 + 01月コラムの目次』
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映画スタッフ別10傑(46)デヴィッド・O・セルズニック

2022-01-30 00:10:00 | コラム
~デヴィッド・O・セルズニックのキャリア10傑~

金は出すけど、口も出すプロデューサー。
つまり、出しまくるひと。
この写真―う~ん、仕事の相手としては強敵っぽい(^^;)

セルズニックは65年に亡くなっているひとなので、自分が生まれたころにはすでに故人。
しかし映画が好きになった中学生のころに映画史を学んでいくと、割と最初のほうに名前が出てくる。
大名作を手がけている―というのがいちばんの理由ではあるものの、次にくるのが、「超のつく権力者」として有名だったから。

スタジオでは多くの関係者と衝突を繰り返し、その度に移籍し、ついには独立プロダクションを立ち上げる。
奥さんになったジェニファー・ジョーンズとは良好な関係を築けたようだけれど、割と寂しい晩年だったのだとか。

なんかもう、『市民ケーン』の主人公を地で行くようですなぁ!!


(1)『風と共に去りぬ』(39)

映画史に燦然と輝く大傑作。

総天然色!に驚いた小津が「戦争で米国に勝てるわけがない」と思い知ったという逸話は、あまりにも有名。



(2)『レベッカ』(40)

オスカー作品賞を受賞したヒッチコックの佳作。
しかしヒッチ自身が「あのオスカーはセルズニックのものだ」というくらいだから、そーとー口出ししたのでしょうなぁ。

ヒッチもまだ、キャリア初期だったし…。


(3)『第三の男』(49)

1位と3位を生み出した時点でもう、ヒトとして欠陥があろうが偉大なプロデューサーですよ。
そこはきっちり認めなきゃいけない。



(4)『キング・コング』(33)

最古のコング映画。
ゆえに動きはぎこちなくかわいらしいほど。

主演のフェイ・レイがとにかく可憐。


(5)『スタア誕生』(37)

ハリウッドの光と影をドラマチックに描き、その後、何度も映画化された人気作。

レディ・ガガ版(2018)が最新だが、その影響でここまで辿り着くひとが居ればうれしいなぁ。


(6)『白い恐怖』(45)

ヒッチコック中期の傑作。
イングリッド・バーグマン、グレゴリー・ペック主演。

このころはもう、セルズニックに口を出させなかった、、、んじゃないかなぁ、どうかなぁ(^^;)



(7)『武器よさらば』(57)

ヘミングウェイの名作を映画化。
ヒロインに、セルズニック夫人のジェニファー・ジョーンズ。

ますます『市民ケーン』だ。
いやもちろん、ジョーンズの演技はたしかなものだけど!!



(8)『断崖』(41)

ジョーン・フォンテイン&ケーリー・グラントの美男美女主演、夫に殺されるのでは?という妄想に悩まされる新妻を描いたヒッチコックの佳作。



(9)『白昼の決闘』(46)

西部劇の大作だが、セルズニックは脚本も担当。

資金力だけでなく、脚本を書く能力もあったのね。

益々手がつけられない^^


(10)『終着駅』(53)

イタリアの名匠、ヴィットリオ・デ・シーカをハリウッドに招いて制作されたメロドラマ。

主演はやはり、ジェニファー・ジョーンズ。
ガキのころに観て細かいところは忘れているが、ジョーンズがひたすら美しかったことだけは覚えている。

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Vertigo

2022-01-29 05:13:18 | コラム
朝倉未来「電車の子の勇気は凄いけど、話がわからない馬鹿にはなるべく関わらないほうが賢い」


めまいを覚えるような事件だよ、

某SNSで「実刑になって、刑務所でいじめられないかな。もうそれでいいよ」と呟いたら想像以上に賛同をもらい、あの場にmackyみたいなひとが居たらね…なんていうコメントまでもらった。

自分みたいなのが居てもどうだったか分からんよ。

犯人はカメラを意識してか、連行される際も肩をいからせて歩いていたでしょ、愛嬌のある片仮名表記「キチガイ」ではなく、真の意味でヤバい「気狂い」のほうだ。
あの見た目だもん、自分だって足が竦んだかもしれない。

被害者の高校生は喘息持ちだったようで、そういう背景も手伝って勇気を出したのだろう。
まぁそういうのを抜きにしてもどうかしているけどね、電車内で煙草吸って注意されて逆ギレし暴行したうえ土下座させてさらに踏みつけとは。


気の毒で腹立たしく、とっても哀しい。

もうそうしていることだろうけれど・・・
親御さんは、彼のことをいっぱい褒めてあげてくださいね。

未来くんのいうとおりだが、
お前だって間違ってない、賢くないわけじゃあない、いいヤツばかりじゃないけど悪いヤツばかりでもないってことを教えてあげてほしい。




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『映画スタッフ別10傑(46)デヴィッド・O・セルズニック』
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にっぽん女優列伝(307)山口智子

2022-01-28 00:10:00 | コラム
64年10月20日生まれ・57歳。
栃木出身。

公式サイト

山口智子(やまぐち・ともこ)さん、好きです。
かっけー!姉さんという感じで。
露出が減っても存在感ありつづけているのもすごいし、でもほんとうは、もっと映画に出てほしいのですけれどね。

旦那さんとの交際が発覚したのは、山口さん宅に男たちが侵入した事件によります。
助けてくれたと。
独り暮らしだと思ってのことでしょう、バカな男たちだなぁ…そういや田村英里子宅への侵入事件とかもありましたよね、
どういう風に生きてきて、どういう生活環境になれば、他者の家に押し入ろうかという発想が生まれるのでしょうか涙




<経歴>

旦那は同業の唐沢寿明。


大学在学中にスカウトされ、ViViのモデルとして芸能活動スタート。
以降、東レやアサヒビールのキャンペーンガールに抜擢され注目を受ける。


88年―NHK連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』のヒロイン役をオーディションで勝ち取り、幸運な俳優デビューを飾る。
自分も毎日、かーちゃんと観ていた記憶があります^^
そしてこのとき、すでに将来の旦那さんと共演しているんですよねー。

映画俳優デビュー作は、92年の『七人のおたく』。
タイトルまんまの物語ですが、割と好きなんですよね軽く観ることが出来る割には最後とか少し感動するし。

ショーケンと共演した良質のコメディ『居酒屋ゆうれい』(94)、

岩井俊二の傑作中篇『undo』(94)、


『大失恋。』(95)、『罠 THE TRAP』(96)、『ビリケン』(96)、『スワロウテイル』(96)…なんと映画は、これ以降関わっていません。

結婚したのも大きいのかな、
基本的には「月9」に代表される「テレビドラマのひと」という印象は、この映画キャリアの薄さからきているものでしょう。


2012年―是枝裕和が演出したフジテレビのドラマ『ゴーイング マイ ホーム』で阿部寛の妻役を軽やかに演じる。

敢えていいますと、キャリアの到達点はこれかもしれません。
そのくらい、このドラマ好きです^^



…でも、(しつこいけど)映画にも出てね♪


次回のにっぽん女優列伝は、山田杏奈さんから。

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明日のコラムは・・・

『Vertigo』
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にっぽん女優列伝(306)八千草薫

2022-01-27 05:28:45 | コラム
31年1月6日生まれ・2019年10月24日死去、享年88歳。
大阪出身。

公式プロフィール

映画の専門学校に通っていたころ、最も勢いのあった外国の若手俳優はウィノナ・ライダーとジュリエット・ルイスで、
よく友人たちと、ジュリエットと八千草薫(やちぐさ・かおる)さんって似てるよね、、、みたいな会話をしていましたね。





うんたしかに似ている。

このころはまだ、宝塚出身って知らなかったなぁ。
特徴的な芸名なのだからピンときてもよかったのに^^

ただ、どの世代でも八千草さんのイメージは一貫していて、おっとり系といいますか、これからの時代においては使用されることが少なくなっていくであろう良妻賢母といいますか、
それを逆手に取ったのが『岸辺のアルバム』(77、TBS)だった、、、ということでしょう。



※やさしいから、乗ってます^^



<経歴>

宝塚音楽学校卒業。
夫は、映画監督の谷口千吉。(2007年に死別)

47年―華やかな世界に憧れ宝塚歌劇団に入団、当時新設されて間もなかった映画専科に所属。

実質的な映画俳優デビュー作は、51年の『目下恋愛中』。

市川崑の傑作『プーサン』(53)、
『旅はそよ風』(53)、『喧嘩駕籠』(53)、『今宵ひと夜を』(54)、『若い瞳』(54)、『宮本武蔵』(54)、
イタリアで制作された『蝶々夫人』(54)、
『夏目漱石の三四郎』(55)、『くちづけ』(55)、『へそくり社長』(56…同年の続編にも出演)、『乱菊物語』(56)、『愛情の決算』(56)、『白夫人の妖恋』(56)、『殉愛』(56)、『雪国』(57)、『生きている小平次』(57)、『新しい背広』(57)。

57年、宝塚を退団。

『東京の休日』(58)、『現代無宿』(58)、『旅姿鼠小僧』(58)、『喧嘩太平記』(58)、『大江戸千両祭』(58)、『濡れ髪剣法』(58)、『弥次喜多道中記夫婦篇 弥次喜多道中双六』(58)、『グラマ島の誘惑』(59)、『孫悟空』(59)、『槍一筋日本晴れ』(59)。

『天下の大泥棒 白浪五人男』(60)、
タイトルが功を奏したのか、現代においても若いひとが興味を抱くSFの佳作『ガス人間第一号』(60)、
『新・夫婦善哉』(63)、『こんにちは赤ちゃん』(64)、『団地・七つの大罪』(64)、『侍』(65)、『日本侠客伝 浪花篇』(65)、『美しさと哀しみと』(65)、『忍びの者 伊賀屋敷』(65)、『悪名無敵』(65)、『大殺陣 雄呂血』(66)、『古都憂愁 姉いもうと』(67)、『わが恋わが歌』(69)。

『朝霧』(71)、寅次郎の幼馴染を可憐に演じた『男はつらいよ 寅次郎夢枕』(72)、かと思えば寺山修司の異色作『田園に死す』(74)にも顔を出して役柄を広げる。

『アフリカの鳥』(75)、『アサンテ サーナ』(75)、『不毛地帯』(76)、『星と嵐』(76)。

77年―前述したテレビドラマ『岸辺のアルバム』で不倫をする主婦を演じ新境地開拓、たいへんな話題を呼ぶ。
自分も後年に鑑賞、脚本家・山田太一のすごみをまざまざと見せつけられました。

『ブルークリスマス』(78)、『英霊たちの応援歌 最後の早慶戦』(79)。

久しぶりの映画出演となった『ハチ公物語』(87)、『226』(89)、
『いつか どこかで』(92)、『宮澤賢治 その愛』(96)、
『天国までの百マイル』(2000)、『サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS』(2001)、『阿修羅のごとく』(2003)、『交渉人 真下正義』(2005)、『しゃべれどもしゃべれども』(2007)、『きみにしか聞こえない』(2007)、『しあわせのかおり』(2008)、『ガマの油』(2009)、
さすが西川美和監督、八千草さんにじつに素敵なキャラクターをプレゼントした『ディア・ドクター』(2009)、
『引き出しの中のラブレター』(2009)、『日輪の遺産』(2011)、『明日に架ける愛』(2012)、『ツナグ』(2012)、『舟を編む』(2013)、

柴田トヨを熱演した『くじけないで』(2013)。


2019年10月24日―膵臓がんのため死去、享年88歳。
映画の遺作は、2015年の『ゆずり葉の頃』でした。

去年の傑作『すばらしき世界』に、ほんとうであれば出演するはずだったのですよね。
どの配役であったのかは、本編を観れば「なんとなく想像出来る」と思います^^

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(307)山口智子』
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