Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(31)ウィル・スミス、後半

2022-09-30 00:10:00 | コラム
さて、いいたいことはいったので、経歴紹介を^^

<経歴>

88年、グラミー賞最優秀パフォーマンス賞を受賞。

音楽業界で大成功を収めたスミスが映画界にやってくるのは90年代のこと。
だから音楽ファンにとっては「いよいよ俳優か」みたいな感じがあって、
逆に映画ファンからしてみれば、「ほーミュージシャンが俳優業に進出ってわけね。まずはお手並み拝見!」であったと。

自分は、もちろん後者。
ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの前身「ナヌーク」のメンバーだった、マーク・ウォールバーグと同じスタートということですね。

映画俳優デビュー作は、92年の『ハートブレイク・タウン』。

有名な戯曲を映画化した『私に近い6人の他人』(93)は、日本では「まったく」話題にならなかったものの、達者な共演陣―ストッカード・チャニング、ドナルド・サザーランド、イアン・マッケラン―に揉まれつつ好演したスミスに触れて「お、コイツ意外とやるのかも!」と評価した映画通も少なくなかったはず。
えぇ、この映画は傑作だと思います。

スマッシュヒットを記録、都合3本創られたアクション『バッドボーイズ』(95…2003年に第2作目、2020年に第3作目)、

上昇志向の軍人をクールに演じた『インデペンデンス・デイ』(96)、


これまたヒットを記録、トミー・リー・ジョーンズとのかけあいも楽しかった『メン・イン・ブラック』(97)。
こちらもシリーズ化され、2002年に第2作目が、2012年に第3作目が制作される。

『エネミー・オブ・アメリカ』(98)、『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(99)、『バガー・ヴァンスの伝説』(2000)。

2001年―伝説のボクサー、モハメド・アリの伝記映画『ALI アリ』に主演。初めてオスカーにノミネートされる。
エピソードを厳選「しまくった」構成がよかった!!



『アイ,ロボット』(2004)、息子と共演した『幸せのちから』(2006)、
相棒のワンちゃんも愛らしかったSF大作『アイ・アム・レジェンド』(2007)、


『ハンコック』(2008)、『アフター・アース』(2013)、『コンカッション』(2015)、『スーサイド・スクワッド』(2016)、『ジェミニマン』(2019)などなどなど、作品の出来不出来は置いておいて、必ず興行的記録を残す点から業界の信用はとっても厚かった。

そして2021年、『ドリームプラン』でビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹の父親を熱演しオスカーに輝く、、、と。


きのう詳しく記した件がなければ、ザ・順風満帆なスターキャリアというか。


切に願うのは。
彼のこれからのキャリアが、潰されてしまうことがありませんように!!


次回の列伝は、ウイレム・デフォーさんから。

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明日のコラムは・・・

『ラモッタだけを楽しみにして。。。 + 09月コラムの目次』
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令和版・海外俳優列伝(31)ウィル・スミス、前半

2022-09-29 00:10:00 | コラム
68年9月25日生まれ・53歳。
アメリカ出身。

でに朗やパチーノ、ジャック・ニコルソンは「キャリアの濃さ」を理由に二夜連続構成。
人気者のスミスだって「そこそこのキャリア」だが、彼らに比べたら濃ゆくはない。
ないにも関わらず二夜連続にする理由はただひとつ―今年の春に起こった、あの騒動について書きたいから。

というわけで。
第一夜は、映画キャリアについて一切触れません!!


本年3月27日夜、第94回アカデミー賞が開催された。

プレゼンターのひとり、スタンダップコメディアンのクリス・ロック(スミスとは旧知の仲)は、スミスの妻ジェイダ・ピンケットの丸刈りスタイルについて言及、
アメリカンジョークの一種だが、
それに腹を立てたスミスがロックにつかつかと近寄り、いきなりビンタした、、、という騒動。



自分の見解を記す前に、その後の流れについて軽くおさらいしておく。

4月1日―「多くの人を傷つけ、アカデミーの信頼を裏切った。私はアカデミーから退会するとともに、今後のアカデミーの判断を受け入れる」とスミスが謝罪。

4月8日―協会は今後10年間、スミスの「授賞式への参加を禁止する」処分を決定、スミスもそれを受け入れたことを発表する。

ただし、この夜に受賞した主演賞は剥奪しない、、、とのこと。

さらにいえば、ロックへの処分は「なし」。
「えっ、一切なしなの?」と疑問を抱いた多くは日本人で、「そりゃ当然よ」と思っているのが大半の米国人である…という感じ。


さて自分の見解を。

自分が初めて米オスカー賞授賞式に触れたのは、87年度(第60回)だったと記憶する。
坂本教授が『ラストエンペラー』(87)で作曲賞を受賞した年。

その2年後、黒澤が名誉賞を受賞。

受賞作の嗜好だけでいえばカンヌ映画祭のほうが「はるかに」好みだが、「きらきら度」はオスカーのほうが何倍も輝いていた。

スターが最も輝ける場。
スクリーンの向こう側に居るスターたちが、ほんの少しだけちかく見える舞台―それが自分にとってのオスカーなんだと思う。

モハメド・アリが登場したり、
オバマさんがビデオ出演したり、エミネムが大ヒット曲を歌唱することはあっても、それで喝采を浴びることはあっても、それでも脇役に過ぎなくて。

この夜の主役は、あくまでもノミネートされているスターたちなんですよ。

アリなんかは、そのことをきっちり理解している。
スライのスピーチ中に突然現れ、「キミは盗作をした!」と散々からむが、スライが謝辞を送ると「そんなことはいいから、早いとこ進行を」と促しているでしょ?

※1分20秒くらいの動きを見よ!


コレなのよコレ、
ロックがどれだけ偉くとも、この夜の主役はスミスのはず。

まずここを前提として話を進めるべきなのです。


オスカーを取ったら人生が変わる。
すでにスーパースター、しかもグラミーだって取っているスミスにとっては「さほど大事なこと」ではないかもしれないけれどね。

それは置いておいて、だ。

今年「いちばんの夜」になるはずだったスミスにミソをつけたのはどっちだ、、、結局はこれに尽きると思う。

「気持ちは分かる、でも暴力はいかん」という声も多い。
「そういう思考は結局、戦争につながる」なんていう暴論まで。

果たしてそうかな。

じゃあさ。
『ダイハード』(88)のラストでマクレーンの妻ホリーがリポーターをぶん殴る場面で、あなたは顔をしかめたの?喝采を送ったのではないの?



というツッコミには、

「だから暴力の返しは、映画だけにしておこうと」

ほぉ~、と少しバカにしながら感心してみる。
そんな風に「あっちはあっち」「こっちはこっち」と分けて考えられるひとが羨ましい。

自分はそれが出来ない。
出来ないひとは、みんなスミスを批判することも出来ないんじゃないだべか。


米国に住む裕木奈江ちゃんは「ロックはビンケットの脱毛症を知らなかった説がある」とTwitter投稿、
さらにスタンダップコメディという表現への理解により、ロックへの批判は少数だったと結ぶ。

そういう背景は理解しているつもり、だが。
だがだがだが。

個人はそれでいいよ、しかし主催が10対0のジャッジを下すのはどうなのか。
しかも映画の祭典で起こった騒動で。
これでは「スターよりも、賞よりも、プレゼンターのほうが大事」といっているようなものではないか。

以前のコラムでも述べたとおり、原因がなければ結果は起こらない。
そのことを有耶無耶にしたままのアカデミー協会に、たいへん失望した。

これからだって、米オスカー授賞式は生放送で観ると思う。
映画史の第一級資料として無視するわけにはいかないので。

けれども。
もう以前のように楽しめないだろうな…と考える自分も居る。

受賞結果の予想も、それらを賭けの対象にして楽しむことも不可能になっちゃった。
だって「乗れない」のだもの!!


「後始末。」を完全に失敗している。
自分は、そう考えている。




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120分で着く、無問題よ^^

2022-09-28 00:10:00 | コラム
新しい派遣先で働き始めて、約1ヶ月が過ぎた。
じつはその初日、運が悪いことにチャリがパンクして帰宅時は(チャリを押しながら)歩くことに。

しかし。
しかーし。

前派遣先は町田~府中でチャリ65分、徒歩だと3~4倍になる計算なのでパンク時は4時間超となる。
しかも坂が多く、きっと5時間は要することになるでしょう。

現派遣先は町田市内にあり、チャリで35~40分。
パンク発覚時は_| ̄|○ としたものの、×3で予測すると120分程度となる。坂はないし。

で、実際に120分ジャストで到着出来た。

ばんざーい!!みたいな。

これをチャリに慣れていないひとに話すと「うげー!120分歩いた話を笑って出来るの!?」と驚かれるのだが、
前派遣先の距離と時間を思えば、ぜっんぜん苦ではないのですよマジで。

この気持ち。
やっぱり、ノンチャリダーのひとには理解してもらえないかな^^



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日本女優別10傑(23)北乃きい

2022-09-27 00:10:00 | コラム
~北乃きいのキャリア10傑~

若いと安いラブホを利用するのは当然のことだし濡れた髪でチェックアウトしたって珍しいことではないはず、
人気商売だからってそれを写真誌に撮られたり、十年も前のことを現在もいわれつづけるのは可哀想だよ。

そんなきいちゃんも、31歳になった。
昔ほど人気はないしメディア露出も減ったが、自分は好きなままだけどね。
というわけで、無意味にグラビアなどを貼ってみる^^


俳優としての可能性は、得意だった青春モノを演じられなくなった「これからの10年」なんだと思うがんばれー!!


(1)『上京ものがたり』(2013)

天才サイバラこと西原理恵子の自伝漫画を映画化、毒は薄味だが悪くなかったと思う。



(2)『武士道シックスティーン』(2010)

共演に成海璃子、剣道を舞台とした青春映画。



(3)『ハルフウェイ』(2009)

脚本家・北川悦吏子の初監督作。
共演は岡田将生でふたりともフレッシュだが、北川女史を支えるために結集した岩井俊二・小林武史・李鳳宇・見城徹の(見えない)存在感が強過ぎて(^^;)


(4)『ヨコハマ物語』(2013)

共演に奥田瑛二、ルームシェア的生活を送る複数のひとびとの交流を描く。


(5)『BANDAGE バンデイジ』(2010)

小林武史の初監督作品。
バックは(もちろん)岩井俊二で、きいちゃんも岩井監督に気に入られていたところがあるのだろうね。
30代になったきいちゃんを起用してくださいよ、岩井さん。

本作は赤西仁が主演、バンドブームを背景にした青春モノです。



(6)『ユビサキから世界を』(2006)

行定勲が監督した60分の中編。
迷える10代の物語で、出てくる子たちがみんな可愛かった。

きいちゃんのブレイクは、この数年後のこと。


(7)『ラブファイト』(2008)

ボクシングをからめた青春映画。
ねっ、この手の物語に強いでしょう?



(8)『ケンとメリー 雨あがりの夜空に』(2012)

深作健太が手がけたロードムービー。
あまり、というか、ぜんぜん話題にならなかったような…。


(9)『幸福な食卓』(2007)

実質的な初主演作。
監督は、PFF出身の小松隆志。


(10)『爆心 長崎の空』(2013)

被爆三世たちによる日常を通し、静かに反戦を訴えた佳作。
地味だがグッとくるよ。


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シネマしりとり「薀蓄篇」(430)

2022-09-26 00:10:00 | コラム
む「ら」→「ら」ぶれたー

いま?
さすがに書かなくなったけれど、20代までは、ま~ず書いた書いた、書き過ぎたくらいだと思う。

もちろん相手と向き合い、目を見て求愛することの大事さと効果?は知っているが、文章に、それから字の巧さに自信があったんだもの。

だから恋をした翌日には恋文を記し、相手に渡したものです。

成功率は、そーとー低いけれどね!!(^^;)(^^;)(^^;)


映像と音で構成される映画においては、恋文そのものをテーマとしたものはけっこうあるかな、しかし求愛の行為として恋文を書く/渡すという描写は「それほど」多くない。
とくに海外では。
情緒を重んじる日本のほうが、恋文を有難がる傾向にある気がする。

それでも真っ先に思い浮かべるのは、やはり『シラノ・ド・ベルジュラック』になる。

エドモン・ロスタンの傑作戯曲で、数え切れないほどの舞台化はもちろん、主人公シラノの容姿がポイントになるので映像とも相性がよく、自分が知っているだけでも8度も映画化されており、変化球としては『愛しのロクサーヌ』(87)や、日本映画『或る剣豪の生涯』(59)などもある。

正統派の映画化で有名なのが、50年のホセ・フェラー主演作と90年のジェラール・ドパルデュー主演作、そして近作となるジョー・ライト監督版『シラノ』(2022)でしょう。


簡単にいえば三角関係の物語。
容姿に自信を持てぬ主人公が居る。想いを寄せるヒロインが居る。しかし彼女のことを、自分の親友も好きだったりする。
劣等感から身を引く主人公は、親友のためにヒロインへの恋文を代筆する。
彼は詩人だから文才に溢れている、しかし代筆ではあるものの、記したことばは自分自身の想いだった、、、っていうね。


日本映画ではタイトルがそのものずばり!な岩井俊二の『Love Letter』(95)も悪くないが、トヨエツの関西弁がヘンだし(^^;)
自分なら『君の名は。』(2016…トップ画像)のほうを挙げるかな。

三葉(ほんとうは瀧)が同性から恋文をもらうのも面白いし、
手に書いた「すきだ」は、けっこうグッとくるものがあるもの。

そして、やはり『ラブ・アクチュアリー』(2003)を挙げなばなるまい。

声を出せぬ背景を逆手に取り、紙芝居風に愛を告白する。
これは「相手と向き合い、目を見て」「恋文を」読んでもらうという珍しい形の求愛かと。
しかも彼は、けっしてうまくはいかないことを承知しているわけだし。。。


この映画、苦手な恋愛モノだけど珍しく自分が気に入っていて。
というわけで恋文とは無関係ですが、こっちもリンクしておきます^^ がんばれ少年!!



次回のしりとりは・・・
らぶれ「たー」→「たー」ぼ。

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明日のコラムは・・・

『日本女優別10傑(23)北乃きい』
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