うーばーいー「つ」→「つ」やまさんじゅうにんごろし(津山三十人殺し)
津山事件、あるいは都井睦雄事件ともいわれる大量殺人事件(120分で30人が犠牲に)は、38年(昭和13年)5月に、岡山は現・津山市加茂町で発生した。
自分が生まれる前の出来事、、、というのもあり、好奇心のほうが上回って(ことばは適切とは思えないが)文献などを楽しく?読めたりもするのだが、当事者にとっては「当然」理不尽極まりない事件であったろう。
動機は怨恨―うらみつらみそねみ―だったとされる。
結核による徴兵検査の不合格から生じた劣等感や、差別されているという被害者意識。
5月20日夕刻、都井は電柱によじ登り送電線を切断し、集落一体「のみ」を停電させて戦闘の準備を開始。
現代ではないので「即」復旧の流れにはならず、そのまま夜を迎える。
翌日深夜、自宅就寝中の祖母を殺害。
学生服に地下足袋、はちまきをしめてそこに懐中電灯を巻きつけ、日本刀と散弾銃を持ち大殺戮を始めた・・・。
事件後、都井は遺書を記し猟銃で自害。
「(略)まことにすみません、涙、涙、ただすまぬ涙がでるばかり、姉さんにもすまぬ、はなはだすみません、ゆるしてください、つまらぬ弟でした、この様なことをしたから決してはかをして下されなくてもよろしい、野にくされれば本望である、病気四年間の社会の冷胆、圧迫にはまことに泣いた、親族が少く愛と言うものの僕の身にとって少いにも泣いた、社会もすこしみよりのないもの結核患者に同情すべきだ、実際弱いのにはこりた、今度は強い強い人に生まれてこよう、実際僕も不幸な人生だった、今度は幸福に生まれてこよう」
せ、せつない。
せつない・・・のだけれど、
その異様ないでたち・奇怪な行動は、はっきりいえば「いかにも三面記事的・小説的・映画的」であり、
横溝正史が創作小説『八つ墓村』を、
西村望がノンフィクション『丑三つの村』を発表、
前者は51年(主演・片岡千恵蔵)、77年、96年(監督・市川崑、主演・豊川悦司)に映画化され、とくに監督・野村芳太郎&主演・萩原健一の77年版(たたりじゃー!!)が有名。
後者は83年、古尾谷雅人の主演で映画化。
監督がポルノで鍛えた田中登なので殺戮描写だけでなく、いやそれ以上に「からみ」の数々が問題視され成人映画「指定」となったが、個人的には『八つ墓村』より好きなのよね。
このポスターだけで、監督の意図するところが分かるというものでしょう。
ただ、いち早くこの事件を描いた映画は若松孝二の『新日本暴行暗黒史 復讐鬼』(69)で、
やっぱりこの、ビジュアルイメージだよね。
この事件は、もちろん内容も凄まじいものがあるのだけれど、結局は都井のいでたちに尽きる―そう思うのだが、どうなのでしょうね。
次回のしりとりは・・・
つやまさんじゅうにんごろ「し」→「し」もん。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『完結は、7年後?? + 04月コラムの目次』
津山事件、あるいは都井睦雄事件ともいわれる大量殺人事件(120分で30人が犠牲に)は、38年(昭和13年)5月に、岡山は現・津山市加茂町で発生した。
自分が生まれる前の出来事、、、というのもあり、好奇心のほうが上回って(ことばは適切とは思えないが)文献などを楽しく?読めたりもするのだが、当事者にとっては「当然」理不尽極まりない事件であったろう。
動機は怨恨―うらみつらみそねみ―だったとされる。
結核による徴兵検査の不合格から生じた劣等感や、差別されているという被害者意識。
5月20日夕刻、都井は電柱によじ登り送電線を切断し、集落一体「のみ」を停電させて戦闘の準備を開始。
現代ではないので「即」復旧の流れにはならず、そのまま夜を迎える。
翌日深夜、自宅就寝中の祖母を殺害。
学生服に地下足袋、はちまきをしめてそこに懐中電灯を巻きつけ、日本刀と散弾銃を持ち大殺戮を始めた・・・。
事件後、都井は遺書を記し猟銃で自害。
「(略)まことにすみません、涙、涙、ただすまぬ涙がでるばかり、姉さんにもすまぬ、はなはだすみません、ゆるしてください、つまらぬ弟でした、この様なことをしたから決してはかをして下されなくてもよろしい、野にくされれば本望である、病気四年間の社会の冷胆、圧迫にはまことに泣いた、親族が少く愛と言うものの僕の身にとって少いにも泣いた、社会もすこしみよりのないもの結核患者に同情すべきだ、実際弱いのにはこりた、今度は強い強い人に生まれてこよう、実際僕も不幸な人生だった、今度は幸福に生まれてこよう」
せ、せつない。
せつない・・・のだけれど、
その異様ないでたち・奇怪な行動は、はっきりいえば「いかにも三面記事的・小説的・映画的」であり、
横溝正史が創作小説『八つ墓村』を、
西村望がノンフィクション『丑三つの村』を発表、
前者は51年(主演・片岡千恵蔵)、77年、96年(監督・市川崑、主演・豊川悦司)に映画化され、とくに監督・野村芳太郎&主演・萩原健一の77年版(たたりじゃー!!)が有名。
後者は83年、古尾谷雅人の主演で映画化。
監督がポルノで鍛えた田中登なので殺戮描写だけでなく、いやそれ以上に「からみ」の数々が問題視され成人映画「指定」となったが、個人的には『八つ墓村』より好きなのよね。
このポスターだけで、監督の意図するところが分かるというものでしょう。
ただ、いち早くこの事件を描いた映画は若松孝二の『新日本暴行暗黒史 復讐鬼』(69)で、
やっぱりこの、ビジュアルイメージだよね。
この事件は、もちろん内容も凄まじいものがあるのだけれど、結局は都井のいでたちに尽きる―そう思うのだが、どうなのでしょうね。
次回のしりとりは・・・
つやまさんじゅうにんごろ「し」→「し」もん。
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明日のコラムは・・・
『完結は、7年後?? + 04月コラムの目次』