Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

激流

2020-01-31 00:10:00 | コラム
某日―。

自分が勤めるホテルにて。

深夜1時、517号室のカップルが退出。

517号室はフロントに最も近い部屋なので、火の元のチェックなどは後回しにして、ほかの部屋を片付ける。

落ち着いた30分後に517号室のドアを開けてびっくり、部屋中が水浸しだったのだ。
トイレから流れ出していることはすぐに分かったので、元栓を締めて水の流れを止めようとした。

が、水は止まったものの気づくのが遅過ぎた、行き場を失った水は隣りの516号室にまで流れ出している。

マネージャーを始めて約1年、最も焦った瞬間が訪れた。

とりあえずリネン袋から使用済みのタオルを取り出し、「水の食い止め」を始める。
と同時に、「水の110番」に電話。
1時間後には来てくれるということなので、それまでに出来る限り水を処分してしまおう。

この発想しか浮かばなかったし、これが最善策だと確信していた。

1時間後ー。
お助けマン、到着。

結論からいうと・・・。

ウチのトイレは、汚物をタンク内で回転する刃によって粉砕して流すタイプのもので。
その刃に、使用済みのコンドームやらがからまり、水が逆流し激流となって噴出したのだった。

はー、なるほど。
使用済みコンドームね。

自分の家では決してやらない「雑なあつかい」によって引き起こされたトラブル。

これらをいちいちあげつらうつもりはない、ホテルっていうのは、そういうところだから。

ゴミを、ゴミ箱に捨てない。
蛇口の閉めかたが甘い。
シーツを血で汚す。
などなど。
(あげつらってんじゃん!!笑)

出張費やトイレの解体費は、あわせて60000円なり。

仕方ないね、これは。

すべてが解決したときには、朝になっていた。

で、ボスに報告。

その第一声が「なぜ自分で解体しようと思わなかったんだ」

へ、、、そこ?

その発想はなかった。
たしかに自分でやって原因を突き止め、解決まで持っていければ60000円のマイナスはなかった。

なかった、けどさぁ。。。


そうか、ボスは現場上がりのひとだった。
いわば職人さん。
自分は、ベッドメイクや接客に関しては職場でいちばんと自負するが、設備関係はペケで。

だから視点が、まるでちがうのである。

そうか、そうくるか。
「大変だったね~」のことばを期待したのだが苦笑


お助けマンがトイレを解体するあいだ、ときどき作業を覗かせてもらったが、自分でやる自信はないなぁ。

勉強にはなったが、いま現在だって、同じことが起こったときに自分でやってみようとは思わない。

なぜなら、なんかもっとひどい状況が訪れるような気がするから。
(そのくらい、自分は不器用なんだっての!!)

だからたぶん、再びトイレの逆流・激流トラブルが起こったらお助けマンを呼ぶことだろう。

プロに任せれば、まーず、まちがいないのだから。


自分の考えは、間違っているのかな。
(少なくとも、このホテルでは間違いだったのだろうね…)



…………………………………………

明日のコラムは・・・

『gray hair + 01月コラムの目次』
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ごめんなさい不作ということはないです。

2020-01-30 00:10:00 | コラム
今月初っ端のほうのコラムで「去年スコセッシとかQTとかトリアーの新作が上陸しちゃったので、今年はちょっと不安」みたいなことを記してしまったが、そんなことはありませんでしたごめんなさいもうしませんゆるしてください。

映画は、今年も豊作のもよう。

『パラサイト』はしつこいくらいに推しているし、
THEハリウッド! といえる『フォードVSフェラーリ』もよかった。

『ジョジョ・ラビット』は豊かな世界観に思わず涙してしまったし、『マリッジ・ストーリー』の切なくて苦い展開も素晴らしい、



また、岩井俊二の『ラストレター』だって(ひとを選ぶが)自分は楽しめた。


・・・ん?

『スカイウォーカーの夜明け』?

みんないってるしね、それについて概ね同意見だからね、わざわざ自分が言及しなくても、、、みたいな。

力技ではあるけれども、まぁJJはよくまとめたんじゃない? 程度で。

文句いい始めたら切りがないのでやめておくけど笑笑

ただ、ごめん。
ひとつだけいわせて!!

なんか、SWサーガが急に軽くなってしまったなぁ、、、とは思った。

うん、それだけ。


話を戻し。
我々は1月のテンションを保ちつづけられるか―映画ファンの興味はそこに尽きるでしょう、
だからきょうは、2月公開の映画でマストと思われる3作を紹介してみたい。


『ドミノ 復讐の咆哮』

デ・パルマ御大、現在79歳。

ほとんど同期のスコセッシやスピルバーグが健在なら俺だって!! みたいな感じかな。

長年のファンとしてはうれしいし、やっていることが30年前40年前と変わらないところも喜ばしい。

それでこそ、デ・パルマなのです。
小道具としてデジタルツールを用いたとしても、本質はぜんぜん変わらなかった。安心した笑




『地獄の黙示録 ファイナル・カット』

「これが最後。最後。」詐欺かもしれない。

だとしても、それでいいよ。

この怪作が、IMAXで観られるんだよ。




『1917』

おそらく、同じようにIMAXで観るべき「新作映画」がこちら。

実際はそうではないが、全編がワンシーンでつながっているかのように撮影・編集・デジタル処理された戦争映画。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『激流』
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シネマしりとり「薀蓄篇」(316)

2020-01-29 06:27:31 | コラム
ほ「ら」→「ら」いだー

生粋のチャリダーを自称しているので、自動車には興味がない。
もちろん、バイクにも。

ただ、この世に自転車がなかったとして、自動車かバイクのどちらかに乗れといわれれば、迷うことなくバイクを選ぶ。

つまりは、二輪車のほうに魅かれるのかな。


自分がバイクに乗っている姿など想像すら出来ないけれど。
だって原付の免許さえ持っていないわけだから。


格好いいとは思います、大型に乗っている友人を見たりすると。あと女性バイカーも。

以下、映画に登場する「クールなライダー5人」。


ニック(マイケル・ダグラス)…『ブラック・レイン』(89)

前半の米国だけでなく舞台を日本に移してもバイクは登場するし、優作も乗っている。
ラストの対決も素晴らしい。

けれども、いちばんクールなのはこの冒頭です。


撮影は、ヤン・デ・ボン。



ワイアット&ビリー(ピーター・フォンダ&デニス・ホッパー)…『イージーライダー』(69)

チョッパーバイク。
これを外すわけにはいかないよね。


ヒットガール(クロエ・グレース・モレッツ)…『キック・アス2』(2013)

ヒトにあわせたのか、バイクにあわせたのか、すべて紫。

メットを取ったときの「顔」が勝負の決め手になりそうだが、乗っているのはクロエ嬢だから100点満点。






雅樹(小野昌彦)…『3-4X10月』(90)

主人公も乗っているけどね、このシーンほんとうに好き笑




ベアトリクス(ユマ・サーマン)…『キル・ビルVol.1』(2003)

クロエに負けていられない、ユマは黄色で勝負だ。




次回のしりとりは・・・
らい「だー」→「だー」てぃ。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『ごめんなさい不作ということはないです。』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シネマしりとり「薀蓄篇」(315)

2020-01-28 00:10:00 | コラム
そんがん「ほ」→「ほ」ら

小さな「ほんとう」を積み重ね、大きな「ウソ」をつく―これが映画のキモだとするならば、登場人物にホラ吹きが混じっているのは「むしろ自然」な構成で。

自分もガキのころはしょっちゅうホラを吹き、「嘘つきみっちゃん」と呼ばれたこともあった。

しかし以下に挙げるホラ吹きたちの技術に比べれば、自分なんて、もう・・・。


『スティング』(73)

愉快痛快。
主人公ふたりは、悪玉だけじゃなく観客全員を騙しやがったコノヤロー。




『ライフ・イズ・ビューティフル』(97)



世界でいちばん、やさしいホラだよね。


『氷の微笑』(92)

最新の噓発見器というものは、どのくらいあてになるのだろう。


『ユージュアル・サスペクツ』(95)

オチが分かったうえで観直してみても、語り口の鮮やかさに感心してしまう。

いろいろあって自由に映画が撮れなくなったブライアン・シンガーではあるものの、自分はこれ1本だけで映画史に名を刻める才人だと評価してます。


『ヘイトフルエイト』(2015)

登場人物の誰もがクセモノで、小さなウソも含めると、みんな100%の正直者とはいえない。

こんな環境に身を置くのはしんどいが、観ているだけの身としては最高。




『ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ』(88)

マイケル・ケインとスティーブ・マーティンが共演。
あまり観られていないが、そーとー面白い。

『パラサイト 半地下の家族』(2019)

そんなにうまくはいかないだろう・・・というところがないではないが、「あり得るかも。」と思わせてくれるのもまた、俳優と監督の巧妙なウソだよね。

『街の灯』(31)

ウソがばれた、残酷な結末。




『ライアー』(97)

ティム・ロス、クリス・ペン、マイケル・ルーカ―、ロザンナ・アークウェット共演。

ジョナス・ペイト監督って期待の新鋭のはずで、だからこれだけの演者を集められた・・・のに、最近振るわないのだよね残念。


『人間蒸発』(67)

映画そのものの構造が、じつは…。


あすのしりとりは・・・
ほ「ら」→「ら」いだー。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(316)』
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学校指定って・・・なにかね。

2020-01-27 00:10:00 | コラム
どうしてもポルノ映画を観たい高校生のガキが、制服を「加工し」スーツに見立てた格好で成人映画館に行く『キッズ・リターン』(96)じゃないけれど、

ガキをなめちゃいけない。

PGやらR指定なんか知らないよ、観たいと思えばどんな手段を用いてでも観るものだし、そんな風にして出会う映画体験だって10代には必要で。

つまりは全部OKじゃなくって、それなりの規制をしてくださいよと。
行き過ぎは困るが、壁がないというのは、じつは「もっと」困る。

その壁を乗り越えて、ガキはオトナになるんだぜぇ。。。


厳し過ぎる校則が話題になっているんだって?

いまは21世紀なのだがな~、なんか前世紀の話みたいだね。

しかも。
下着は白オンリーだとか、映画は学校指定のものだけ鑑賞「可」だという、なんかアレな内容で。

誰が守るのだろうね。
でも下着とかは、チェックしようと思えば出来るのか。

こえー。

チェックし切れないのは、映画のほうだろう。

し切れないというのを置いておいて、どんな作品を指定するのか想像してみる。


素晴らしいイキザマであることを理解したうえでいうが、
神山征二郎の映画とか?

冗談も許されない社会派みたいな。

あるいは、これぞ古典! というような『若草物語』(33ほか)とか『オズの魔法使い』(39)とか、『サウンド・オブ・ミュージック』(65)とか?

そりゃあ観たほうがいいよ。
古典過ぎて、若い映画ファンでも触れていない可能性があるからね。

でも、それらをクリアしたうえで「映画に刺激をもらいたいという欲求を抱えたガキ」は必ず出てくるもので。

自分のようにね。
放置しちゃいけないでしょう。
(尤も冒頭で記したように、そういうガキは放っておいても壁を越えようとするんだけど)

だから自分が、その学校の教師(想定は中学~高校1年)になったら、とりあえずこれを「指定=宿題」にするだろうな、、、という映画を5つ挙げておこう。

なにがいいたいかっていうと、指定区分は映倫がやってくれるわけなので、学校側は黙っとれ! ということです。


『ジョニーは戦場へ行った』(71)

最高の教材でしょう、反戦意識を芽生えさせるためには。



『キャリー』(76)

いじめられっこに、居場所を与えてやってくれ。

『赤ひげ』(65)

まだ黒澤を知らぬガキには、まずはこれを浴びせるべし。




『カッコーの巣の上で』(75)

自由とは? の難しい問いに対する、完璧な回答。

『太陽を盗んだ男』(79)

君たちの可能性は、無限大なんだよ。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(315)』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする