Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画「小僧」のタイトル、一時的に返上? します。 ~オスカー短評~

2017-02-28 06:14:06 | コラム
面目ない。

いつもエラソーに、いかにも映画のことを分かっている風にコラムを綴っている自称・映画小僧だが、
きのうの米オスカー賞で、24部門中12部門しか受賞結果を当てられなかった。

的中率5割じゃ、予想屋としても映画小僧としても信用を抱かれまい。

作品賞が『ラ・ラ・ランド』でなかったら、今年いっぱい「映画小僧」と名乗らない―と宣言していたので、実際そうすることにしよう。


さて短評。

式典そのものの展開は、クライマックスを除いて予想どおり。
(トップ画像は、主演女優賞受賞のエマ・ストーン。衣装も素敵だった)

一時期のオスカーは意図的に政治色を排していたが、9.11以降、そうもいっていられなくなったわけで、しかもハリウッドは基本的に反トランプである、第一級のジョークを交えながらトランプ政権をコケにしていた。

司会者ジミー・キンメルの餌食になっていたのは、マット・デイモンとメリル・ストリープ。
トランプに、Twitter上で「過大評価女優」と評されたメリルは、キンメルに同じことをいわれて笑いのネタにされていた。

こういうパロディ精神、さすがだなぁと思う。
いっぽうで、『ディア・ハンター』(78)の彼女の演技を観て、こころを動かされないような感受性の低い男が国のトップだとしたら、こんなに不幸なことはないよなぁ、、、と。


恒例となった追悼企画も素晴らしかったが、いちばん「ときめいた」のは、マイケル・J・フォックスがプレゼンターを務めたところ。



若年性パーキンソン病は進行中なのだろう、どこか麻痺しているような動きかたが痛々しくもあったが、敢えて「いま」を晒すところが格好よかった。


けれども。
生中継を観ていた映画ファンのほとんどが、クライマックスで大仰天し、それまでの3時間30分を忘れてしまったようなところがある。


投票結果はトップシークレット、受賞者・受賞作の名前が書かれた封筒の中身は徹底管理されている・・・はずなのに、手違い? が起こり、プレゼンターのフェイ・ダナウェイは作品賞受賞作を『ラ・ラ・ランド』といってしまう、

ほんとうは、『ムーンライト』だったのに!!

その後の混乱と収束は舞台慣れしているプロならではで、さすがだと感心はしたが、運営側としては最悪のミスであり、まちがいなく責任問題にまで発展し、ひょっとしたら代表者が辞任するかもしれない。

いちファンの視点でいえば「いちどくらいなら、あり。だな」とは思ったが、速報を流したメディア関係者にとっては大迷惑で、速報のあと「速報の訂正をする速報」を流さなければならなくなった。

まちがわれた『ラ・ラ・ランド』関係者が寛容? だったのは、それはプロだからであり、また、すでに数え切れないほど賞をもらっているからだろう。


結論。
中盤までの加点が効いて、クライマックスの大失点も致命傷にはならなかった。


技術賞や追悼企画に触れるたび、米国映画界は立派だよなぁと。

日本アカデミー賞も、そういうことやろうよ。

年にいちどくらい、編集マンやカメラマンが着飾り、壇上でスピーチしているものを放送する日があってもいいじゃない?


【受賞結果一覧】

■作品賞
『ムーンライト』

■監督賞
デイミアン・チャゼル 『ラ・ラ・ランド』

■主演男優賞
ケイシー・アフレック 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

■主演女優賞
エマ・ストーン 『ラ・ラ・ランド』

■助演男優賞
マハーシャラ・アリ 『ムーンライト』

■助演女優賞
ヴィオラ・デイヴィス 『フェンシズ』

■長編アニメ映画賞
『ズートピア』

■短編アニメ映画賞
『ひな鳥の冒険』

■脚本賞
ケネス・ロナーガン 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

■脚色賞
バリー・ジェンキンズ、タレル・アルヴィン・マクレイニー 『ムーンライト』

■撮影賞
リヌス・サンドグレン 『ラ・ラ・ランド』

■美術賞
デヴィッド・ワスコ、サンディ・レイノルズ・ワスコ 『ラ・ラ・ランド』

■音響編集賞
『メッセージ』

■録音賞
『ハクソー・リッジ』

■編集賞
ジョン・ギルバート 『ハクソー・リッジ』

■視覚効果賞
『ジャングル・ブック』

■歌曲賞
「City of Stars」 『ラ・ラ・ランド』

■作曲賞
ジャスティン・ハーウィッツ 『ラ・ラ・ランド』

■衣装デザイン賞
コリーン・アトウッド 『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』

■メイク・ヘアスタイリング賞
『スーサイド・スクワッド』

■外国語映画賞
『セールスマン』(イラン)

■短編実写映画賞
『シング』

■長編ドキュメンタリー賞
『O.J.:メイド・イン・アメリカ』

■短編ドキュメンタリー賞
『ホワイト・ヘルメット―シリアの民間防衛隊―』


※オープニングは、ジャスティン・ティンバーレイク。

かっけー!
おしゃれ!!




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『Tシャツで出かけたい + 2月コラムの目次』
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100000枚の美女

2017-02-27 00:10:00 | コラム
1ヶ月に2~3回くらいの頻度で、スマホのデータをパソコンにコピーして同期させている。

連絡先や音楽ファイルが増えることはあまりなく、そのかわり画像データが際限なく増えていく。

異常なスピードで増えている。
いまも、増殖? 中。
そのスピードたるや、グレムリン以上である。

ちょっとでも気に入った美女を発見すると、すぐに保存してしまうから。

美女フォルダを開き、



こうやって・・・



ずぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っと、スクロールをつづけねばならないくらいに保存されているのだった。


パソコン・スマホ双方とも高性能だから、同期の速度はモノスゴ速い、、、はずだが、それでもこれほどの量になると、なかなかに時間を要するわけで。





我ながら、壮観ですなぁ。


そんな風に阿保面でパソコン画面を眺めていたら、2月が終わりそうなことに気づいて焦った、、、という話です笑

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耳に残るは君の歌声

2017-02-26 00:10:00 | コラム
あと30時間もすれば、『ラ・ラ・ランド』のプロデューサーがオスカー像を手にしているのだろう(もはやキメツケ)、
というわけできょうは、映画と「がっちり」フィットした主題歌の10傑を展開したい。

優れた主題歌というより、主人公の心情を「きっちり」代弁しているという意味の10傑。

素晴らしいインストゥルメンタルも多いが、今回は歌詞ありの主題歌に絞ってみた。

では、いくぜ!!


(1)シド・ビシャス『マイウェイ』…『グッドフェローズ』(90・トップ画像)

シナトラ版でなく、シド版というのがポイント。

選曲したスコセッシ自身が「露骨過ぎたかな」といっているが、まぁたしかに、それはそうかもしれない。

(2)ボビー・ウーマック『110番街交差点』…『ジャッキー・ブラウン』(97)

早くこの生活から抜け出したい―この主題歌が、ヒロインの行動を後押ししてくれる。




(3)ステッペンウルフ『ボーン・トゥ・ビィ・ワイルド』…『イージーライダー』(69)

誰も文句はいうまい。

(4)石原裕次郎『嵐を呼ぶ男』…『嵐を呼ぶ男』(57)

けっして歌が上手でないところが、またいい。

未だに、カラオケでよく歌います。

(5)ビョーク&トム・ヨーク『I’ve seen it all』…『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)

「もう(この世界のことは)すべて見てしまったので、見えなくなってもいい」

そんな哀しい歌だが、救いは、ふたりの歌声の美しさか。

(6)エイミー・マン『Wise Up』…『マグノリア』(99)

登場人物が、それぞれの想いをこめて、それぞれの場所で口ずさむ。




(7)梶芽衣子『恨み節』…『女囚さそり』シリーズ(72~)

インパクトという意味では、10傑のなかでいちばん。




(8)ベン・E・キング『スタンド・バイ・ミー』…『スタンド・バイ・ミー』(86)

映画の効果で曲もリバイバルヒットしたが、曲のおかげで映画の完成度まで「×2」になっている。

(9)井上大輔『哀戦士』…『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』(81)

・・・・・やばいやばい、ずっと再生を繰り返してしまう。




(10)渡哲也『東京流れ者』…『東京流れ者』(66)

(先日亡くなった)鈴木清順を追悼し、これを第10位にした。

♪ 風はひとりで 吹いている
月もひとりで 照っている
俺はひとりで 流れ者 ♪

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酔いどれて、春。

2017-02-25 12:39:30 | コラム
昨晩は5年ぶりに親友と呑み、未だ完全なる酔いどれのため、本日の投稿は画像まつりで逃げます汗汗

スマホのフォルダのなかにあった、呑み会の画像をいくつか挙げてみるということで。

トップ画像は、たぶん15年前。

けっこう気に入りのショットで、
チンピラが若い刑事に捕まった風を表現している? のだと思われる。

そのチンピラ臭が出ているやつを、もう1枚。

右奥だけ、毛色がちがうっていう笑




20歳のころ:まだ爽やかさが残っている



28歳かな:ややキチガイっぽくなってきた



日韓ワールドカップのころ:日本でなくアイルランド推しだった



帰省中の1枚




まぁ大概が、ろくでもない。

ちなみに昨晩の相手、じつは彼こそが『沈黙』日本版の予告編を創った職人さんなのである。

ひじょうに喜ばしく、誇らしい。

だから? 怪物のように映ってしまった自分の顔は、半分ほどカットしてみた、、、というわけなのです笑



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『耳に残るは君の歌声』
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オスカー予想、最終版

2017-02-24 00:10:00 | コラム
日本時間の月曜午前、本年度の米オスカー賞が開催される。

きょうは受賞予想の最終版を展開してみるが、数週間前に載せてみたものと、ほとんど変化が見られない。

このくらい「楽勝」な年は珍しく、作品賞が『ラ・ラ・ランド』でなかったとしたら、自分は映画小僧を自称することをやめますよ。
(トップ画像は、前哨戦「ゴールデン・グローブ賞」における主演のふたり)

まぁやめたところで困るひとは皆無なわけだが、
今年の見どころは、『ラ・ラ・ランド』の受賞「数」と、
先日の米グラミー賞がそうであったように、トランプ政権に対する言及内容あたりだろうか。


「◎が自分の予想、○がメディア予想、△がダークホース」


【作品賞】

『メッセージ』
『Fences』
『ハクソー・リッジ』
『Hidden Figures』
『最後の追跡』
『ラ・ラ・ランド』◎○
『LION/ライオン ~25年目のただいま~』
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
『ムーンライト』△

【主演男優賞】

ケイシー・アフレック 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
アンドリュー・ガーフィールド 『ハクソー・リッジ』◎△
ライアン・ゴズリング 『ラ・ラ・ランド』○
ヴィゴ・モーテンセン 『はじまりへの旅』
デンゼル・ワシントン 『Fences』

【主演女優賞】

イザベル・ユペール 『エル』△
ルース・ネッガ 『ラビング 愛という名前のふたり』
ナタリー・ポートマン 『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
エマ・ストーン 『ラ・ラ・ランド』◎○
メリル・ストリープ 『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』

【助演男優賞】

マハーシャラ・アリ 『ムーンライト』◎○
ジェフ・ブリッジス 『最後の追跡』
デヴ・パテル 『LION/ライオン ~25年目のただいま~』
ルーカス・ヘッジズ 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』△
マイケル・シャノン 『Nocturnal Animals』

【助演女優賞】

ヴィオラ・デイヴィス 『Fences』◎
ナオミ・ハリス 『ムーンライト』○
ニコール・キッドマン 『LION/ライオン ~25年目のただいま~』
オクタヴィア・スペンサー 『Hidden Figures』
ミシェル・ウィリアムズ 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』△

【監督賞】

デイミアン・チャゼル 『ラ・ラ・ランド』◎○
メル・ギブソン 『ハクソー・リッジ』
バリー・ジェンキンズ 『ムーンライト』△
ケネス・ロナーガン 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
ドゥニ・ヴィルヌーヴ 『メッセージ』

【脚本賞】

『最後の追跡』△
『ラ・ラ・ランド』◎○
『ロブスター』
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
『20th Century Women』

【脚色賞】

『メッセージ』
『Fences』
『Hidden Figures』
『LION/ライオン ~25年目のただいま~』△
『ムーンライト』◎○

【撮影賞】

『メッセージ』
『ムーンライト』△
『ラ・ラ・ランド』◎○
『沈黙 ―サイレンス―』
『LION/ライオン ~25年目のただいま~』

【音楽賞】

『ムーンライト』△
『ラ・ラ・ランド』◎○
『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
『LION/ライオン ~25年目のただいま~』
『パッセンジャー』

【歌曲賞】

"Audition (The Fools Who Dream)"  『ラ・ラ・ランド』△
"City of Stars"  『ラ・ラ・ランド』◎○
"How Far I'll Go" 『モアナと伝説の海』
"Can't Stop the Feeling" 『Trolls』
"The Empty Chair" 『Jim:The James Foley Story』

【編集賞】

『メッセージ』
『ラ・ラ・ランド』◎○
『ハクソー・リッジ』
『ムーンライト』△
『最後の追跡』

【視覚効果賞】

『バーニング・オーシャン』
『ドクター・ストレンジ』
『ジャングル・ブック』○
『Kubo and the Two Strings』
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』◎△

【録音賞】

『メッセージ』
『ハクソー・リッジ』
『ラ・ラ・ランド』◎○
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』△
『13時間 ベンガジの秘密の兵士』

【音響編集賞】

『メッセージ』
『バーニング・オーシャン』
『ハクソー・リッジ』◎△
『ラ・ラ・ランド』○
『ハドソン川の奇跡』

【美術賞】

『メッセージ』
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
『ヘイル、シーザー!』△
『ラ・ラ・ランド』◎○
『パッセンジャー』

【衣装デザイン賞】

『マリアンヌ』
『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』◎△
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
『ラ・ラ・ランド』○
『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』

【メイク&ヘアスタイリング賞】

『幸せなひとりぼっち』
『スター・トレック BEYOND』○
『スーサイド・スクワッド』◎△

【長編アニメ賞】

『Kubo and the Two Strings』
『モアナと伝説の海』
『My Life as a Zucchini』
『レッドタートル ある島の物語』△
『ズートピア』◎○

【短編アニメ賞】

『Blind Vaysha』
『Borrowed Time』○
『Pear Cider and Cigarettes』◎
『Pearl』△
『ひな鳥の冒険』

【短編実写賞】

『Ennemis interieurs』
『La femme et le TGV』
『Sing』◎○
『Timecode』
『Silent Nights』△

【長編ドキュメンタリー賞】

『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』◎△
『I Am Not Your Negro』
『ぼくと魔法の言葉たち』
『O.J.: Made in America』
『13TH ―憲法修正第13条―』○

【短編ドキュメンタリー賞】

『Extremis』
『Watani: My Homeland』
『4.1 Miles』◎△
『The White Helmets』○
『Joe's Violin』

【外国語映画賞】

『ヒトラーの忘れもの』○
『Tanna』
『幸せなひとりぼっち』◎
『セールスマン』
『ありがとう、トニ・エルドマン』△




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