Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(189)ドニー・イェン

2025-02-21 00:10:00 | コラム
63年7月27日生まれ・61歳。
中国出身。

中国表記では「甄子丹」、2000年代に入って急激に名前が浸透していったアクション俳優ですが、アジアでは80年代から偉人・天才として崇められていたひとです。

俳優としてよりも前に、武術家として。

ところで。
いま香港映画が熱い。
もちろん絶賛公開中の『トワイライト・ウォリアーズ』を指しているわけですが、泣ける映画でもないのに泣けて泣けて仕方なかったのです。

ここ10~20年くらいの香港映画の状況というものは・・・
ときどき「お!」という作品は出現するものの、そこから流れがつづいていかない。その繰り返し。

そんな香港映画人たちの忸怩たる思いが、『トワイライト・ウォリアーズ』にぶちまけられているのですね。
そうでなきゃ、なくなった九龍城を「まるごと」作っちまう冒険などしないでしょうよ、その熱さに涙してしまうのでした。

そして本作に成龍やイェンは出てきませんが、


まちがいなく、彼らの魂が受け継がれているのです!!





<経歴>

中国・広東省に生まれ幼少時に香港へ。
北京市業余体育学校(現:北京市什刹海体育運動学校)卒。

82年度には最優秀武術家(Martial Artist of the year)に選出されていますが・・・
面白いのは、父親からピアノを、そして母親から武術を学んだこと。
男女がどうこういう時代じゃないのですよ、やっぱり^^

実質的な映画俳優デビュー作は、84年の『ドラゴン酔太極拳』。
初期からアクション指導も兼任しており、出演作でなくとも引く手あまただったのだとか。。。

『タイガー刑事』(88)、『クライム・キーパー 香港捜査官』(89)、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』(92)。

95年―ブルース・リーによる『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)のテレビリメイク『精武門』に主演、これが大評判となり全国で20億人以上が視聴したとされています。
(自分はDVDのボックスで鑑賞、たしかに面白い!!)

これきっかけでもっと売れてもよかったのですが、このころ、ちょうど香港映画界に冬の時代が到来します。
英国領からの返還と、それにともなう中国からの揺さぶりもあったと。

『ドラゴン電光石火'98』(95)や『ハイランダー/最終戦士』(2000)などは自分も観たはずですが、実際ちょっと印象が薄いのですよね・・・。


2002年―チャン・イーモウによるオールスター大作『HERO』で、長空を好演。


ハリウッドがアジアン・テイストに注目していたころで、
『ブレイド2』(2002)や成龍の『シャンハイ・ナイト』(2003)にも出演、出来はともかく笑、このあたりから世界的な知名度も徐々に上がっていく。

『導火線 FLASH POINT』(2007)、

そして実在した武術家・葉問を描いた『イップ・マン 序章』(2008)は大人気シリーズとなり、


「葉問」(2010)「継承」(2015)「完結」(2019)と3つの続編も制作されました。
このころに「侮れんひとかも??」と気づいた映画ファンも多かったのでは?

その後は好調を維持、
『孫文の義士団』(2009)や『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』(2010)などの王道モノ、
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)や『トリプルX:再起動』(2017)などのハリウッド産に連続出演を果たす。

『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』(2020)や『ムーラン』(2020)でも安定の演技(+アクション)、

さらに最新作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)では、盲目の殺し屋を快演し(ある意味で)キアヌより目立っていました。



遅咲きといえば遅咲き、そのぶん、これからも大活躍を展開してくれることでしょう^^


※2日間挟んで、再び列伝を展開。
次回は・・・あれまぁ偶然にも中国系でつづきます、トニー・レオンさんから!!

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『あす、日帰り帰省です^^』
コメント
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