僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

送られてくるもの

2009年02月14日 | SF小説ハートマン
瞬きしたように画面は切り替わり、室内を映しだした。
それは幾何学的に整ったものだったが、無機質で冷たい感じはなく、むしろ地球の故郷に見るような開放的な暖かさがあった。

ドレープをたっぷり取ったカーテンがゆったりと揺れていたり、見たことのない奇妙な形だが植物らしきものが緑色の葉を茂らせたりしている映像が宇宙(ひろし)を落ち着かせるのだろう。


それに合わせて信号が二進法で送られている事をモニターの記録装置が知らせた。
一秒間に数テラバイトの一定のスピードでそれは繰り返し送られている。

宇宙のバイオリストコンピュータは即座に解読を始める。

ホストコンピュータに記憶されているデータと合致するものは何もなかったが、言語のようなものが含まれているらしいことは予測できた。

繰り返される信号は、いくつかの同じパターンが部分的に組み合わされブロックを構成していた。
ブロックは少しずつずれたり数回繰り返されたりして全体を表しているらしいことが分かった。

宇宙(ひろし)はモニターを見つめながら身じろぎひとつせず信号の意味を考え続けた。
実際宇宙の脳はバイオリストコンピュータとしてその持てる力をほぼ100%使いながら働き続けていたのだ。













コメント
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