顔を洗っていると
目に何かが当たった
特別気にすることはなくそのまま顔を洗って
乾いたタオルで拭く
鏡をのぞいてからふと見ると
手の指の第二関節から先が骨になっていた
その骨が目に当たったのだろう
右手だけ
親指以外の4本が骨になっている
骨なのにいつものように動く
何度かグーパーをしてみたが
何事もないように動くのだ
そうか
骨だけど動けばいいか
と、安心して深く考えなかった
皮膚がはがれたターミネーターのようだと思ったのだが
どんなに精巧にできていても
機械であるロボットより自分の方が上だと
漠然とした優越感が働いていたのだと思う
その骨でお茶が入ったコップを持ち
一気に飲み干した
つづく