僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

けやき広場

2015年01月03日 | ケータイ小説「パトスと…」







ねぇ、帰りにアレ見に行こうよ

アレってこないだいってたイルミのこと?


うん、去年も見たけどきれいだったよね

いこういこう



辰雄は留美子の手を取るとそのままポケットに入れた
もう流行らなくなってしまったが
「いまあい」をふたりで見てからずっとそうしている

そうするのが当たり前のように留美子も手を離さない









東急ハンズで探したいものがあるからと
出かけたついでに、ひとつ隣の駅まで足をのばした










まだ正月の三日ということもあり
朝から寒波の風が冷たく、広場に人影は少なかった










公園でも河原の土手でも墓地でも港でも、どこでもいいんだ
と留美子は言った
ふたりで同じ景色を見て、何気ない会話をし
ふざけ合ったり、走ったり、手を握ったり
肩を抱いてふとした瞬間にキスしたり、










そんなことがふたりだけの思い出になっていくんだね
と留美子は言った

そんな時間が全部宝物なんだと辰雄も思った










お月様が出てる!あれはイルミネーションじゃなかったんだね

何万キロも離れたところで光ってるイルミさ










これは魔法の箱、きっと子どもを呼び寄せるから見てて











ほら入ったでしょう♪































コメント (2)
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