リョウの近況

筆不精のリョウが親・子・兄弟・親戚・友人・知人・幼なじみ達と彼らの友人達にお届けする究極のエコ便りです。

苗字と名前

2014-07-13 02:26:43 | 異文化
こんにちは!

今日は苗字と名前について少し書いてみます。
日本では家族の苗字は全員同じ苗字で名前はそれぞれ個々につけられていますよね。

しかしモンゴルでは苗字はないのです。自己紹介などをするときは「タロウです」「ハナコです」などと言うので当然のことですが同じ名前の人がとても多く最初は覚えるのが大変でした。

身分証明書を持つようになってから苗字は父親の名前を使うと決められたそうです。正式な書類などを提出する時だけ便宜上苗字としてお父さんの名前を使うのです。
モンゴルでは一生名前は変わらないので夫婦でも苗字は違います。母親と子供の苗字が違うのが一般的です。たまに偶然同じだったという人もいますがあくまで偶然です。この時は家族全員が同じ苗字になるので珍しいとなるのです。

日本では結婚するとほとんどの女の人は夫の苗字に変わるので家族はみんな同じ苗字だと教えるとみんな驚きます。モンゴル人からみると名前は一生変わらないものなのになぜ?と不思議に思う人がたくさんいるのです。

父親の名前を苗字に使うのはモンゴルだけではありません。アラブやアフリカでもそんな国はたくさんあります。
以前私が仕事をしていた時アラブの某国の人たちが訪日しました。御一行様のリストを作ろうとしたときみんな名前が長いのです。本当にこんなに長い名前なのか聞いてみるとその国では由緒正しい家柄の人ほど名前(苗字)が長いとのことでした。先祖代々さかのぼってお父さんの名前が連なるのです。一番長い人は13代前までさかのぼったお父さんの名前(苗字ですが)書かれていました。それもそのはず彼は某国の皇太子でした。

チェコでは女性は結婚すると男性の苗字に変わるそうです(法的には女性だけが変わるのかどうかはわかりません)が離婚しても元の苗字には戻れません。あくまで結婚した時に変わるのです。当然子供たちの苗字は変わりません。再婚した時の連れ子は名前が変わらないので親子でも苗字が違うことになります。

私の友人は幼いころ両親が離婚しその後母親が再婚しました。そして弟と妹が生まれました。弟、妹は新しい家族の苗字です。彼女は小さい時家族の中で自分だけなぜ苗字が違うのかと疑問に思っていたそうです。でもそれを両親に聞くことはできなかった、聞いてはいけないと思っていたそうです。しかしだんだん大きくなって周りにもそんな人がたくさんいるのであまり気にしなくなったと言っていました。


驚きのニュース

2013-07-02 23:44:42 | 異文化
サェンバイノー!

今日は久しぶりに雲一つ無い青空で少し風もありとても気持ちの良い天気です。
窓の外の温度計は現在45℃、家の中は24℃です。
歩いている人は長袖、半袖、ノースリーブといろんな服装をしています。
さすがにコートを着ている人はいません。
乾燥しているので汗をかくこともなくむしろ家の中は肌寒く感じます。

今日は先日スイスに行っていたときに知った驚きのニュースを一つお届けします。
それは「パリジェンヌの服装規定」についてです。

パリジェンヌは今年の1月まで法的にズボンを履いてはいけなかったそうです。

1800年11月17日に施行された法律で女性はズボンを履いてはいけないと決まりました。
もしズボンを履くときは地元の警察の許可を取ることとなっていました。

その後1892年と1909年に一部改定され、自転車や馬に乗るときは警察の許可を取らなくてもズボン着用が認められました。
しかしそれ以外のときはズボン着用は禁止に変わりありませんでした。

フランス革命のときにも女性のズボン着用を認めるようにという運動があったそうですのでそれ以前から法律で定められていなくても女性がズボンを履くのはご法度だったのでしょう。

当時のフランスは男性優位の社会でした。(現在もそうらしい?)女性がさまざまな職に就いて社会進出をしないようにというためだったそうです。
それにしても200年以上も前の法律が未だに残っていたとは驚きました。

男女平等といわれる昨今でもまだまだ女性は差別されていると言うことで昨年就任したオランド大統領は公約どおり「女性権利省」を創設し35才の女性を大臣に起用しました。また閣僚34人のうち17人を女性にしたそうです。

今年の1月国会で野党議員にこの時代遅れの法律について質問をされたときこの「パリジェンヌ、ズボン着用禁止例」の撤廃を宣言し法的にズボン着用が認められることになったそうです。

現代では「みんなで履けば怖くない?」と言う感じだったのが今年からフランスの女性は安心してズボンを履いて出かけられることになったそうです。











1ヵ月検診

2013-05-09 10:03:42 | 異文化
ボンジュール!

日本のゴールデン・ウイークも終わりましたが如何お過ごしでしたか?
充実した日々だったでしょうか?

こちらは先週孫娘が自宅で生後1ヵ月の検診を受けました。
順調に成長していて何の問題もないとのことです。

いろいろ話を聞いていると日本とのいろんな違いが分かり興味深いので少し書いてみます。

この国では助産師さんが育児相談員として各地域に登録されています。出産後担当の人が家庭を訪問をして乳児の健康状態を調べたり母親の不安を取り除くためにいろいろと相談できるような仕組みになっています。
この制度を最低4回は利用するよう法律で決められているそうです。そしてこの制度は何回利用しても無料だそうです。(保険で100%カバーできる)前にも書きましたがこの国に居住するすべての人は保険に加入することが義務付けられています。(一部の例外もあり)

この国では公用語が4つ(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語)あるのでまず最初に何語がいいのか聞かれるそうです。これは病院を予約する時にも聞かれるそうがです。

病院での入浴指導では温度はぬるめの37度くらいだそうですがどの赤ちゃんもギャーギャー泣いていました。お湯に浸かることはなくシャワーだけです。そして入浴は2日に1度で良いとのことです。
退院して家での入浴は温度は少し高めでにしていますが気持ちよさそうにしていて泣きません。やはり日本人、お風呂は好きなようで毎日入っています。

何よりも驚いたのは生後10日目から1年間毎日ビタミンD3を1日1回1滴づつ飲ませることです。
これは日照時間の少ない国や地域では普通のことのようです。(初めて知りました)

それからもう1つ。母親は普通1ヵ月経ってか外出できるのですが赤ちゃんは2日目から外に出ても良いとのことです。今まで外で見るからに生まれたばかりじゃないの???という赤ちゃんを何度も見て心配していましたがそういうことだったんですね。








旧正月

2012-02-24 22:40:13 | 異文化
サェンバイノー!

明けましておめでとうございます。(アマルバイノー)
今年のモンゴルの旧正月(ツァガンサル)は2月22日・23日でした。
モンゴルの旧正月はお寺のラマ(僧侶)が決めるそうでモンゴル独自の決め方で中国の旧正月とは少し違います。

モンゴルのお正月については以前(2010年2月2日と2011年2月13日)UPしたので今日は挨拶について書いてみます。
年末には日本と同じように「良いお年を・・・」と言う言葉があります。
「サイハン シンジデレー」買い物を済ませた後や知人にこの言葉を言ったら一瞬驚いた顔をしますが喜んでくれました。そして同じ言葉を返してくれます。今年覚えた言葉ですが年末にしか使わないので忘れそうです。

「サイハン シンリッチ バイノー?」これは新年になってから使います。「良いお正月を迎えましたか?」という意味です。
返事は「ザァー シンリッチ バイスン」「はい、良い正月を迎えました。」
それから「アマルバイノー」「明けましておめでとうございます。」

人の家を訪問するときは先ず最初に「良い正月を迎えましたか?」と挨拶をしコートなどを脱いだ後に正式に挨拶をします。
それはまずその家の年長者に挨拶に行きます。このときの礼儀作法は年上の人は相手の両腕に手を添え、年下の人は年上の人のひじの辺りに下から手を添えます。そしてお互い左右の頬を合わせて「アマルバイノー」「明けましておめでとうございます。」と言うのです。

このとき相手が自分より年上か年下か分からないときはどうしたらいいのかと愚問を呈してみました。
そんなことは考えたことがない、どっちが年上か下かは分かっているとのこと。なるほど親しい人の家に挨拶に行くのだから既にどっちが上か下かは分かりきっていますよね。

しかし私たちのように招待されていく場合は初めてお目にかかる人も多いのでちょっと戸惑うこともありますがそのときは手を出すと相手が判断してくれるのでそんなに気にしなくても良いとのことです。
むしろ外国人がモンゴル式の挨拶をしようとしていることに嬉しさを感じるそうですので安心しました。

それから訪問するときは必ずお土産を持参します。それも家族全員一人ひとりに個別に渡すのです。そして帰るときはまたお返しをするのです。お正月前はどのお店も人・人・人で溢れかえっています。
最近は経済発展と共にそのお土産も高価なものになっているのでもっと質素にしようというキャンペーンをしているそうです。
それを教えてくれた人も「物ではなく小額でいいから現金の方がいい」と言っていました。

そしてツァガンサルが過ぎるともう春です。確かに最近暖かくなったような気がします。現在(午後10時30分)気温ー25℃です。少し前まではー40℃台でしたから随分暖かくなりました。

それでは今年もよろしくお願いします。




握手しました

2011-11-03 22:28:54 | 異文化
サェンバェノー!

以前「面白い習慣」と言う記事を書きましたが覚えていますか?
足を踏んだり蹴ったりしたら握手をするという習慣のことです。(2010年11月11日の記事参照)

ついに私も経験しました。
ショッピングセンターに入るときドアを押したら開かなかったので手前に引きました。
その時後ろから来ていた運転手の足を踏んでしまったのです。
でも運転手は何事も無かったように握手もしてきませんでした。

「ねぇー こんなときモンゴル人は握手するんじゃないの?」
「そうですね。よく知っていますね。」
「じゃーどうして今握手しなかったの?」
「いえ 私はしません!(ちょっと戸惑った顔)」
「なぜ?私が外国人だから?」
「それは違います。私はしません。それはあなたが決めます。」
「ん??? あ~踏んだ人が握手するの?」
「そうですね。」

というわけでそれではと手を差し出しおもむろに握手をしました。
踏まれても外国人だとあまり気にはならないようですがモンゴル人だとやはりすっきりしないとのことです。

その後あるパーティーでテーブルを少し移動させよういうことになり立ち上がるとき隣の人の足を踏んでしまいました。
私が思わず両手で相手の手を取って「ごめんなさい」と言ったら「あら モンゴル人みたいね」と言って笑われました。
私は握手をするつもりではなくよろけそうになったので思わず相手のにつかまっただけなのです。
体制を整えようとしただけなのですが彼女が反射的に手を差し出したので結果的に握手をしたような感じでした。

こんなこともありました。小さなお店が沢山並んでいる市場でのことです。
洗剤を買おうとしたとき同じ容器に入ってラベルも同じなのですがフタの色だけが異なる2種類がありました。
説明はモンゴル語なので運転手にどう違うのか聞いてみました。
運転手は奥に居たその店の人(中年のおばさん)に聞いていましたがその人も分からないようです。
運転手はそれぞれを手に持って説明を読み比べていました。

しばらくするとその店の人は運転手に何か話しかけ出て行きました。
そのおばさんは彼の横を通るとき彼の顔を見て少し笑みを浮かべて手首をギュッと握って行ったのです。
私はちょっとびっくりしました。
でも彼は何事も無かったかのようにただ説明書きを読んでいます。

「今の人知ってる人?」
「知らない人です」
「じゃーなぜ今手を握って行ったの?」
「あ~それは足です」

運転手の両手がふさがっていたのでおばさんは手首を握って行ったようです。
その後おばさんは何て言ってたのか聞いたところちょっとトイレに行って来るから
自分が戻ってくるまで店番をしていてくれと言ってたそうです。笑ってしまいました。


握手は「ごめんなさい。悪気はありませんので。」という意思表示で、もしそれをしなかったら将来その人と敵同士になると信じられているそうです。
なかなかいい習慣だと思うのですが肩や体がぶつかっても「ごめんなさい」の一言も無いのは納得いきません。
握手までしなくてもいいのでごめんなさいくらいは言って欲しいものだと思います。





「婦人の日」

2011-03-08 17:37:00 | 異文化
サェンバェノー!

今日はモンゴルの国民の祝日「婦人の日」で会社や学校はお休みです。
昨日買い物に出かけたら多くの人たちががデコレーションケーキを手にして歩いているのです。
クリスマスでもないのになぜなのかと聞いてみました。
「婦人の日」のためのケーキなんだそうです。

職場では男性職員が翌日の「婦人の日」のために女性職員にケーキをご馳走するそうです。
そして家庭では夫がケーキと花を買って奥さんにプレゼントし日ごろの労をねぎらうそうです。

運転手にも聞いてみました。
すると彼は明日は朝から忙しい。
起きたら一番に1日分のスーテーツァエ(塩味のミルクティー)を作り昼と夜の食事も彼が作るそうです。
勿論後片付けもです。

そして彼は「夕食に日本のジンギスカン料理を作りたいから教えてください」と言うのです。
以前我が家のホームパーティーで口にしたことがあるのです。
あれはとても美味しくて羊の肉は沢山あるからちょうどいいと言うのですがそのジンギスカンの肉は北海道出身の友人が取り寄せてくれたもので肉はたれに漬け込んでいて私はただ焼くだけだったのです。
秘伝のたれは私には作れません。
たれを作る材料がここでは手に入らないからと言って「豚の生姜焼き」を教えました。
きっと今頃腕をふるっていることでしょう。


買い物が終わってレジを通ると目の前に最近できたモダンなファーストフードのお店があります。
運転手がさっさと中に入って行きました。
そして私と夫にとケーキを買ってくれました。「明日食べてください」と言って。
丸いのは大きくて2人では食べきれないからと1切れずつです。
そして一緒にアイスクリームも買ってくれました。

好きなものを3つ選んでと言われたのでバニラ、マンゴ、ストロベリーを選んだのです。
きれいなお姉さんが「容器は何がいい?」と言うので紙コップを指さしたのに奥からお花の形をした可愛い陶器の器を出し「これはどう?」と微笑みました。
「えっ!これ持ち帰れるの?」って聞いたらダメですって。(笑)

3種類のアイスクリームをすくったのは見ていましたが手渡されたのは1個だけです。
しかも一番小さいカップ、普通はこれに1個でしょう? ハーゲンダッツの1番小さいカップと同じくらいです。
蓋もしてくれましたが明らかにはみ出ています。
夕食後に2人で食べましたが丸くすくったアイスはぎゅうぎゅうに押しつぶされ味も混ざっていてなんとも言えない美味しさ?でした。

思いがけない運転手からのプレゼント、嬉しかったのは言うまでもありません。

旧正月

2011-02-13 04:19:11 | 異文化
サェンバェノー!

遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。

今年はパソコンが大病を患っていたためご挨拶できないままでした。
それならこちらの旧正月にと思っていましたのに少々遅れ気味のご挨拶です。

モンゴルでは中国とは違った独自の暦があって毎年年末が近づくと元旦の日にちが発表されるそうです。
今年は中国と同じ日、2月3日に元旦を迎えました。
お正月休みは2日間なので土日と合わせて4連休でした。

こちらでは中国とは違って爆竹などはなく静かに新年を迎えます。
大晦日も大切な日で家族そろって食卓を囲みます。
家長が年配者から順番に一人ずつ食事を皿にとって手渡します。
それを受け取った人はまず仏壇にそれを供え1年の感謝をしてからいただくそうです。

新年は日の出前に起き年長者の女性がスーテーツァエと言うモンゴルのお茶(薄い塩味のミルクティー)を作ります。
最初の1杯は天の神様に捧げるためカップに注いだお茶を持って外に出ます。そしてしゃもじのようなものですくって天に向けて振りまきます。これは毎日その日の最初に作ったお茶は必ずそうするそうです。

このお茶を飲んだら男の人は近くの山に登って日の出を拝みに行くそうです。
そして神様に無病息災や商売繁盛など日本人と同じようなお祈りをします。女性は行ってはダメなんだそうです。

その後家長が上座に座り年長者から順番に新年の挨拶を受けます。
そのとき家長はテーブルに飾られた「オーツ(羊の塩茹で)」を削ぎとってお皿に盛り手渡します。
それを一度仏壇に供えお祈りをしたあとみんなで新年を祝いながら食事をするそうです。

テーブルの上には「オーツ」のほかに「ヘヴィンボーブ」も飾られています。
これは20cmくらいの大きさの小判型(大判ですが)をした揚げ菓子で丸く積み重ねていきます。
段の数は必ず奇数段にします。下から幸せ・不幸せ・幸せ・不幸せ・幸せと言う意味なので必ず幸せで終わるようにします。
若い人やあまりお金がない人は3段、年配の人や財力のある人は9段にするそうです。
モンゴルでは9と言う数が一番良い数なのです。

下の写真の右側が「オーツ」左が「ヘヴィンボーブ」です。(クリックすると少し大きくなります)


そしてなくてはならない食べ物には「ボーズ」があります。ガイドブックなどには蒸し餃子と書かれていますが中華料理の小籠包と言ったほうが近いと思います。口に入れると肉汁が出てとても美味しいです。

食事が終わったら家族みんなで親戚のところに挨拶に行きます。
まず若い人が上の人のところへ順番に行きます。このとき家族一人ひとりにお土産を持っていきます。帰る人にはまた一人ひとりにお返しをします。

この買い物が大変なようで年末はどこもここも買い物客でごった返しています。
最近では日本のお年玉のようにお金に変わりつつあるようです。しかし年長者にも差し上げるのでいづれにしても出費は相当なようです。

2日目は家長夫妻以外は友人知人の家に年始周りに出かけます。昔は馬だったようですが現在はほとんど車です。
この日もお土産を持って出かけ、またお土産を頂いて帰るようです。

今年は2人のモンゴル人家庭に招かれました。
最初の日に訪ねたお宅は伝統的なしきたりに則ったお正月をするお宅で教科書どおりです。
2日目のお宅はかなり現代的な感じでした。

私たちも勿論家族一人一人にお土産を持って行きました。また帰りにはお土産を頂いて帰りました。
今年は2回目ということもあり少し気持ちも楽で楽しくおしゃべりをしてきました。

文末になってしまいましたが今年もどうぞよろしくお願いします。(まだ松の内です)









面白い習慣

2010-11-11 03:09:59 | 異文化
サェンバェノー!

このところ日本も寒くなったと聞いていましたが今日NHKの天気予報を見ていたらまだまだ最高気温が2桁でした。
こちらは今週から最高気温もマイナスに突入しました。
いよいよ本格的な冬到来です。

さて今日は当地の面白い習慣をご紹介します。

モンゴル人は人の足を踏んだり蹴ったりしたときは必ず握手をします。
踏んだ方も踏まれた方も素早く手を差し出します。
「悪気はありません、ごめんなさい」という意味で、そうしないと将来敵同士になると信じられているそうです。

モンゴル人同士のこの光景はよく目にします。
親しい仲間同士だけではなく全く知らない人でも必ず握手をするそうです。

先日あるレストランで4人の中年男性が仕事の打ち合わせをしていました。
その内のリーダー的な人に電話がかかってきて打ち合わせは一時中断です。
その人の向い側に座っていた人が椅子の背もたれに寄りかかりながら足を組みました。
その時、足が電話中の人の足に触れたのです。
足を組んだ人は勿論手を差し出しましたが電話中だった人も素早く電話を左手に持ち替えて握手をしたのです。
どんな内容の電話だったのかはわかりませんが自然と手が出るというのは本当なんだと確信しました。

私の周りには日本に留学経験があるモンゴル人が沢山いるのですがその人たちと話をしていると必ず日本でのこの失敗談をしてくれます。
電車の中で他人の足を踏んでしまい思わずその人の手をとって(日本人は勿論手を出さないので)握手をしたらとても驚かれたり変な目で見られたりしたと苦笑します。
日本にはこんな習慣はないと知っている人でも思わず握手をしてしまうようですがそんなことを全く知らない人はかなりパニックに陥るようです。

ある友人は日本でのこんな経験を話してくれました。
学校を卒業してすぐ日本で働いている恋人に会いに行ったときのことです。
満員電車の中で自分の前に座っている人の足を踏んでしまいました。
彼女はいつものように素早く彼の手をとって握手をしたのです。
彼は本を読んでいたのですから驚いたのはその彼ばかりではありません。
周りにいた人たちも全員が白い目で彼女を見ていたそうです。
彼女は自分がなぜ皆に変な目で見られているのか全くわからず、勿論言葉もわからなかったので泣きそうになったと言っていました。
それまでの彼女はこの習慣は世界共通の習慣だと信じて疑いもしなかったそうです。

もし足を踏まれて握手をされたら驚かないでください。「モンゴル人ですか?」と優しく接してあげてください。
モンゴルの男性の中には美人だったり彼女と仲良くなりたいな~と思ったらわざと足を踏むという人もいるらしいです。
もしモンゴル人男性にわざとらしく足を踏まれたら自分は好感をもたれているんだと思ってゆるしてあげてください。
残念ながらわざとらしくも含めて私はまだこの握手の経験はありません。














旧正月

2010-02-21 22:52:03 | 異文化
サェンバェノー!

アマル バイノー!(明けましておめでとう!)
2月14日はモンゴル暦の旧正月(ツァガーン サル)の元旦でした。

大相撲の初場所が終わった頃から街は旧正月の準備で活気にあふれていました。
市場やスーパーの前にはテントが張られ何か特別な物を売っていました。いつも男性客ばかりが沢山いるのでなかなか近寄れなかったのですが土曜日の午後夫も一緒だったので覗いてみました。

うっ! そこには丸裸で首のない羊が凍ったまま横たわっていました。
モンゴルではお正月料理には欠かせない物なのだそうです。「オーツ」という料理でこのまま塩湯でにし肉を削ぎとって食べるそうです。
昔はそのまま担いで持って帰ったそうですが今では丸ごと塩茹でにして配達してくれる専門の業者もあるそうです。
チェコのXmasの鯉料理にも驚きましたがモンゴルの羊の丸茹でも驚きです。

正月料理としてなくてはならないものはこの「オーツ」の他に「ヘヴィンボーブ」と「ボーズ」と言うのがあります。この3品は必ずどこの家でも作るそうです。

「ヘヴィンボーブ」はクッキーを作るときの生地で楕円形のお皿のような形に何枚も作りそれを揚げたお菓子で円形で奇数段に積み重ねます。一番上にはキャンディー、チョコレート、チーズ、角砂糖などを乗せて一番にそれから食べ始めるそうです。
それから暖かい「スーティ・ツァイ(ミルクティー)」を飲み、これはもし嫌いでも必ず口をつけるのが礼儀なのだそうです。どの家庭でも毎日飲む一般的な飲み物です。

次の「ボーズ」は日本で言う中華料理の小籠包のようなもので中は羊の肉で作られた物です。
このボーズはお正月やお祝い事には欠かせない大事な食べ物なのだそうですがこれを各家庭の女性が手作りするそうです。しかもその数が半端じゃなく1,000個~3,000個も作るそうです。
1週間くらい前から作り始め出来たら外に出して凍らせて置くのだそうです。
ガイドブックには100個~300個くらい作ると書いてありましたがそれは身内が食べる分しかなく年始客が多く来る家ほど大変な作業だと知りました。
冷凍物もスーパーで売ってはいますが数千個となるとやはり作った方が安上がりということでしょう。

年始客が来たらボーズを蒸し始めるのですが専用の3段重ねの電機蒸し器をスーパーで見かけました。凍ったボーズを並べてスイッチ・オンだけなので今は楽になったそうです。
「馬乳酒」や「アルヒ」というウォッカのようなお酒も振舞います。

モンゴルのお正月は大晦日も大事な日で夕食は家族が全員そろって1年が無事に終わったことへの感謝と次の年も全員が幸せでいられるようにと願いながら食事をするそうです。

テレビは昼間には人気スターの歌番組が録画で流れ、夜はモンゴル相撲が生中継されて盛り上がっていました。
私も1日中モンゴル放送を見ていましたが歌は紅白歌合戦みたいな物ではなく今流行っている歌や懐メロみたいなのが淡々と流れていましたが覚えたいようないい曲もありました。
モンゴル相撲は力士?(選手)の紹介までは良かったのですがいざ試合が始まるのかと思ったら何と数人の僧侶の読経が延々と続いていたので途中で見るのを諦めました。モンゴル相撲の中でもこの日が最大のイベントなんだそうですが・・・。

元日は日の出前に起きて初日の出を迎えるそうです。これは日本のようにテレビのニュースでも○○地の初日の出の様子みたいに放送されていました。
その後家長を上座に年長者から順に一人ずつ新年の挨拶をし家長はテーブルに飾られたオーツを一人ずつに手渡しそれを一度仏壇にお供えしてから皆で食卓につきツァガーン・サルを祝うそうです。

2日目は来客の接待をする家長と主婦や小さな子供以外はお年始周りに出かけるそうです。
これもまた大変なことで必ず先方の人、一人ひとりにお土産を用意して持って行くそうです。帰りはまた一人ひとりにお土産を持たせるのです。これがまた楽しみの一つでもあるそうなのですがお金がかかりますね~。



上の写真は正月の飾り(料理)を後ろから取ったものです。左は羊を煮て骨付きのまま解体したオーツ、右はヘヴィンボーブの飾り。真ん中のヘヴィンボーブをお客のところに持って行って勧めます。
 
私たちは元日の夕食にドライバーさんの家に招待され行ってきました。夫は職場の人に挨拶の仕方などを教えてもらっていたのですが幸いそんな堅苦しいことはなくいつものようにサェンバェノーにアマル・バイノーをつけた挨拶だけですみました。

もてなし料理や盛り付けなど全て教科書通りで現地のお正月を肌で感じることが出来ました。
私たちも教わった通りにお土産を持っていったのですが帰りは夫にも私にもお土産をいただきました。私は皮のお財布とモンゴル産のチョコレート。勿論嬉しかったです。

会話はモンゴル語と日本語をお互い辞書や「指差し会話張」を使ってかなり話ができたと思います。
物静かなタイプの夫人も帰るとき「サイハン ノイル ソーロイ(おやすみなさい)」と言ったら大きな声で何か言っていました。かなり長い言葉でしたが残念ながら私は全く分かりませんでした。今度また会う機会があったらそんな言葉も理解できたらもっと楽しいだろうな~って思いました。

夫人は今月25日に第3子を出産予定でしたが昨日待望の男の子が生まれました。
おめでとうございます! そして有難う!楽しかったですと伝えたいです。


今回記事を書いている途中ネットが繋がらなくなって数日が経ってしまいました。
回線がパンクしたのかどこも繋がらなかったようです。
公的機関は回復も早かったようですが一般庶民は・・・。でも繋がって良かったです。

唐突ですが26日に日本に帰れることになりました。もしかしたら今度は日本からUPになるかもしれません。