リョウの近況

筆不精のリョウが親・子・兄弟・親戚・友人・知人・幼なじみ達と彼らの友人達にお届けする究極のエコ便りです。

深夜のパニック

2010-12-19 00:25:35 | その他
サェンバェノー!

金曜日の夜の出来事です。
翌日は土曜日。夕食後をのんびりと過ごし遅い時間のシャワーを浴び、そろそろ寝ようかと思っているとき廊下から何か音がするのです。ポトッ、ポトッ、と。
行って見ると廊下の真ん中の一部分が光っていました。
水です。
何だろう? と思って上を見上げたら天井に張り付いている電気の笠の割れ目(プラスチックに亀裂が入っている)から水が漏れているのです。
何が起こっているのかちょっと理解できませんでした。照明器具から水漏れ???
とりあえず夫を呼びバケツを置いて二人で何が起きているのか考えましたがさっぱり理解できませんでした。
時間は深夜の2時半。
このまま様子を見ようとその場を離れました。

ちょっとテーブルの上を片付けて寝室に行こうと廊下を通った時ザァーザァーと激しい雨のような音が聞こえました。
珍しく豪雨かと思って書斎のカーテンを開けましたが雨は降っていません。
豪雨なんかじゃないよね~、この気温(-36℃)なんだから降るなら雪でしょうと思ったのですが、ではこの音は何?と音の正体が気になりました。

廊下の横にあるゲスト用のバスルームのドアを開けて悲鳴をあげてしまいました。
洗面所の方は壁のタイルのつなぎ目から、奥のお風呂場は壁と天井から水がザァーザァーとものすごい勢いで降っているのでした。

とりあえず一番ひどい所に洗濯物を入れるバスケットを置き、すのこやマットなどを取り除き雑巾で水を絞り取りました。
それでもどんどん水は落ちてきます。
そうだ上の階の人に連絡しなくちゃ。
大家さんは今海外です。何かあったときはこの人にと連絡先をもらっていたのでその人に電話をかけました。(日本語の出来るモンゴル人)
お風呂場の滝のような水音も聞いてもらって上の人に連絡をしてもらいました。

ありがたいことに大家さん代理の人は時々上の人の状況を知らせてくれました。
上の階の人は全くこの水漏れには気がついてなかったようで電話で初めて知り大慌てしているようです。
水漏れの原因はバスルームの暖房のパイプが割れて温水があふれているとのこと。
暖房の会社のセキュリティーに連絡して地下にあるバルブを止めてもらうよう手配したけど会社の人が来るまで少し時間がかかるのでもう少し待って欲しいとのこと。

どのくらい時間が経っていたのか分かりませんが上の人がやってきました。
英語が出来る奥さんでした。かなりパニックになっているのがわかります。
「ソーリー、ソーリー」と興奮して言いながらお風呂場に向います。
「もっと早くここに来たかったけど雑巾で何度も水を絞り取って一段落したところです。お詫びが遅くなってごめんなさい。ダメージの修理は私の方でやりますので安心してください」と言うようなことを早口で言って帰って行きました。

完全に水漏れが収まったのは午前6時ごろでした。










一人旅(ハラホリン) 3日目(その1)

2010-12-13 01:14:03 | 旅行
サェンバェノー!

8月18日(水)、8時起床。昨夜の豪雨はすっかり治まって静かな朝を迎えました。
外に出てみたらそれほど寒くはありません。薄手の長袖シャツで大丈夫でした。
空気がとても美味しく湧き水ならぬこの辺りに湧き空気があるのでは?と思えるほどでした。
ふと山を見ると雪が積もっていました。
そういえば昨日は雹も降っていたのでした。
川辺を散策する時は真冬に着るダウンのコートを着ていたのを思い出しました。
旅行には寒さ対策のコートが必要と言われていたので出発前に薄手、中間、厚手のコートから運転手にどれが良いか選んでもらったのです。その時はまさかこの厚手のコートが本当に役に立つとは思ってもみませんでした。密かに薄手のレインコートも持参していたのですが使わずじまいでした。


今日は予定を変更して直接運転手の実家に向うことになりました。
今日はこちらに泊めてもらうことになっています。
私は言葉も出来ないのに随分大胆な行動だと思うでしょう?
運転手は10年前から日本人(モンゴル語が上手な人たち)の運転手をしているので沢山の日本人が彼の実家に宿泊しているそうです。
ご両親も日本人が大好きで是非是非泊まってくれとのことでしたのでお言葉に甘えました。(まさかモンゴル語が出来ない日本人とは思ってもみなかったことでしょう)

道中時々お父さんから電話がかかってきます。
昨日から大雨が降っているとの事でどこどこは川が増水して流れも速いところ、危険なので迂回してくるようになどと指示がきます。
運転手は苦笑い。当然そういうことは分かっていて実家まで7・8時間かかると思うので予定を変更したそうなのです。
こんなことを聞いて自分の親をふと思い出しました。子供と言っても既に大人、分かりきっているようなことでもしっかりアドバイスをされていました。そして自分も同じような事を子供達に言っているんだろうなって。
国が違っても親が子を心配する気持ちはどこも同じなんだなと思いました。

9時少し前に出発。
2時間ほど走ったところで右側にドライブインのような造りの建物が1軒目に入りました。
左には展望台のようなスペースがあります。でも見るような物はこれと言って何もありません。
少休憩かと思っていたらここも観光スポットでした。
展望台から真下を見ると川がL字型に流れていてちょっとしたオアシスです。しかし私(日本人)にはさほど感激とまではいきません。むしろここから見る大草原の方が魅力的でした。真っ白い雲が沢山出ていたので青空が少なく少し残念でした。

またしばらく走っていると「近くに温泉があるのでそこに寄って行きます。私は車で待っていますのでゆっくり入ってきてください」と言われました。
そこはホジルトという町でした。某力士が負傷したときここに来て療養したことで私も知っていました。
迂回をしたのでそこを通過することになりせっかくだからとお風呂好きの日本人に気を使ってくれたようです。
彼が家族と一度利用したことがあるという所は生憎この日は休みでした。
町の人に聞いてみると皆温泉療養所を薦めるのです。
運転手は普通の温泉を探してくれたのですがもう観光シーズンは終わっているのでどこも営業はしていませんでした。

療養所には着いたのですが運転手も少し不安そうなのが伝わってきます。
誰か出てきたら聞いてみようと思っているみたいですが誰も出てきません。
意を決して中に入って行きました。私も後に続きます。
受付で聞いてみたらOKのようです。
怪我もしていないし何処も悪くはないのに本当に使えるのかと思ったのですが大丈夫、誰でも使えると言うのです。
今は混んでいるので1時頃まで待つように言われました。
30分くらい待つことになります。その間もう止めてしまおうかとも思いましたが、モンゴルの国立温泉療養所なるものを見るチャンスはそうはないだろうと思い30分待つことにしました。

しばらく車の中で待っていると偶然運転手の知り合いが中から出てきました。
何やら話をしていましたが時々私に対してもとてもフレンドリーな感じの笑顔を向けています。
その時運転手が彼を紹介してくれました。
彼は以前夫と同じ職場で働いていたローカルスタッフでした。日本語も上手でした。
お父さんが体調を崩したため田舎に帰って来たそうです。
今回は気分転換に昨日からここに泊まっていると言っていました。

そしてこの偶然はとてもありがたっかったのです。
彼は1時に予約をしているのでその時使うよう言われました。
「シャワー室はここだから」と言われたのですが書かれているのはモンゴル語だけです。
どこが男か女かわかりません。
彼に助けを求めました。彼は中に連れて行ってくれいろいろ細かいことを教えてくれました。

ここは男も女もないとのこと。みんな一緒です。
カーテンで仕切られただけのシャワー室?(正確にはシャワースペースと言うべきか?)が10ヵ所くらい並んでいます。
手前がシャワースペースでもう一つカーテンで仕切られた奥にベットが一つ置かれていました。
ここが更衣スペースですがその先はカーテンもドアもありません。1ヶ所が3畳くらいの広さでした。

彼はその1つ1つのカーテンを開け「どのくらいで終わりますか~?(推測)」みたいなことを一人ひとりに聞いています。
そして真ん中くらいのところで「ここの人が出てきたら入っていいよ。」と言うのです。
そして出てきたのは女の人でした。私はチョウ、チョウ、驚きました。
彼は何事も無かったかのように行ってしまいましたがその女性はまだシャワーを使っているときだったのです。出てきた中年の女性も何事も無かったかのように出て行きました。(唖然!)

ここは言わばオープンスペース。このベットの上に洋服など置いていて大丈夫かな?と少し心配でしたがまぁ貴重品はないしここで心配しても仕方がないと覚悟をしました。
運動靴で来てしまったことを後悔していると直ぐにお掃除の人が来て手には健康サンダルも持っています。
足元を見て人が変ったことでも察しているのかその行動は素早いもので手際よく掃除もしていきました。

気持ちよくシャワーを浴びましたが途中で誰か(女性)がカーテンを開け何か声をかけられましたが分かるはずもなく聞こえないふりをしました。
着替えを終えお化粧をしているとさっきの助っ人の男の人が少しだけカーテンを開けて覗きました。(既に洋服を着ているときでよかった~と安堵)そして私が終わったことを知ると中に入ってきました。
少しばかりお互いの自己紹介程度の話をしていると彼は洋服を脱ぎながら話を続けるのでした。
(おい、おい、ちょっと待ってよ。貴方にはとても感謝していますけど私は貴方の裸は見たくありませんから…と思いながら)
最後にお金はどこで払ったらいいのかと聞くとお金はいらないとのことでした。
お礼を言って逃げるように出てきました。

後日この驚きの話をするとこちらの人はあまり男とか女など気にしないと言う返事が返ってきました。それが本当かどうか正確にはわかりませんが少なくともこの療養所の中では誰も気にしていないことだけは事実でした。


一人旅(ハラホリン) 2日目(その2)

2010-12-05 01:26:57 | 旅行
サェンバェノー!

一人旅から随分日にちが経ってしまいましたがこの旅ではモンゴルのあまり知られていない文化を沢山吸収してきたのでそれをお伝えしたいと思い頑張って書き続けることにします。
また自分の貴重な思い出でもありますので最後までお付き合いください。(最後はいつになるのやら?)

8月17日(火)エルデニーゾーを見学の後「トッフン寺院」に向います。
ここはこの旅で私が一番楽しみにしている場所でもあります。
海抜2,000mを超える岩山に立っている木造の仏教寺院でその寺院の裏の険しい崖をよじ登ると洞窟が2ヵ所あってそこは聖地とされています。
そのうちの1つは人がやっと通り抜けることができるくらいの大きさです。
その洞窟は胎内と同じでここを回ってくると身も心も洗われて新しく生まれ変わると信じられています。
ここもオボー(1日目参照)と同じで時計回りに回るそうです。
そしてこの岩山の頂上にもオボーがあるそうですがこの頂上は女人禁制なんだそうです。

車は一路この「トッフン寺院」を目指して快調に進みます。
1時間くらい走って大きなオルホン川を渡りました。
こんな大きな川を車で渡るのは初めてです。
興奮して「すごーい!、すごーい!」を連発しながら川面を見ていたら写真を撮るのをすっかり忘れていました。
帰りにこの道は通らないと言うので運転手にお願いしてUターンしてもらい車での川渡りを3度も楽しんできました。
下はその1枚です。写真をクリックすると大きい画像になります。


その後山越えをし2時間くらい走ったら次第に雲行きが怪しくなってきました。
遠くで雷の音も聞こえます。
入山のための料金所で今年は雨が多かったから山頂までは車で行けないと言われました。
目的地は下の写真のほぼ中央、はげ山のように見えるあたりの少し左の岩山です。
そして画面では見えませんが左の方には真っ黒い雲と稲光が見えます。
ちょうど着いた頃には最悪な状態ではないかと嫌な予感。


20分くらい走ると山の麓に着きました。
やはりここからは地盤が緩んでいるので車では難しい、馬か徒歩で登ってくれと言われました。
この時点ではまだ雨は降ってはいないけど完全に雨になること間違いなしの状態です。しかもかなり激しい雷付きで。

馬でも徒歩でもいいけれど途中で雨になるのが怖くて私は「雷が怖いのでせっかくここまで来たけれど今日は諦める。モンゴルに住んでいるのでまた来年来ます。」と言ったのです。運転手と係りの人がなにやら世間話でもしているのかと思ったら急にゲートが開いて車はそのまま進んで行きました。ダメかもしれないけれど行けるところまで行ってみようと言うのです。
正直ラッキーと思いました。雨は避けられないだろうけれど雨が止むまでは車の中で待機していればいいんだからと。

ところが・・・・・。
思った以上に山道はぬかるんでいてランドクルーザーでもタイヤが空回りして先へ進めなくなってしまいました。20mくらい離れたところでもジープが立ち往生してタイヤの空回りの音だけが聞こえます。
私はもうここまででいい、引き返そうと思いましたが運転手はせっかくここまで来たんだからここから歩いて行こうと言うのです。あと500mくらい歩けばいいだけだというのです。

そんな話をしている時にとうとう雨と雷がやってきました。雨と言うより豪雨です。
この豪雨もすぐ通り過ぎると言うし500mと言う言葉に心が揺れ動き雨が小降りになるまで待つことにしました。
クッキーで腹ごしらえをしながら待っていると何と今度は直径1cm位の雹が降ってきました。
う~ん、残念! 私はこの時点で本当にこの「トッフン寺院」に行くのを断念しました。
本当に残念でなりませんでしたがここでかなりの時間を費やしてしまったという思いもあったので諦めることを選択しました。

しばらくすると天気も回復してきたので下山することにしたのですがこの下山がとても大変なことになるとはこの時点ではまだわかりませんでした。
車がやっと1台通れるくらいの山道は多少のカーブはあるもののほぼ直線というかんじです。
左右に潅木が生い茂る山道は川のようになっていました。幸いなことに崖はないので怖くはありませんでした。

天気はすっかり回復し陽が照ってきたので私は車から降りて誘導係りです。
小枝や石が道をふさいでいます。私はそれらを取り除いたり深くえぐられてできた水溜りにその石や小枝を投げ入れたりして少しでも走りやすいように道を整えていきました。
運転手は10mくらいバックで下り樹と樹の間が少し広いところで何度も何度もハンドルを切り返して方向転換し少しは楽になったようです。
スリップもするので2・30cmくらい進んでは止まり進んでは止まり、5mくらい進むと車から降りて道の状態と道幅を確認し、また同じ事を何度も繰り返しながら下山してきました。

登り30分、下り2時間くらいかかりました。後で考えると登ったのはわずか300mくらいだったと思います。
ゲートの前の茶屋?で暖かいスーテー・ツァエ(ミルクティー)を飲みホーショル(揚げ餃子)を食べて遅い昼食にしました。
下の写真は下山した時に撮ったものです。空がきれいでしょ?


次の目的地は「オルホン滝」見学、今日の宿泊地でもあります。
山越えをし草原を2時間走って18時ちょうどに目的地に着きました。道中時々雹が降り外気はー1℃でした。
この滝はモンゴルでは最大の滝ということでモンゴル人は是非見てくるようにとお勧めの観光地なのですが日本ではおそらく無名の滝の部類に入ると思われるほど小さな滝なのです。落差24m、巾5~10mくらいなのですから。

しかし草原の中に突然滝を目にするのですから驚きました。
運転手に「もうすぐです。あそこです。」と指を指されても見えるのはゲル(家)だけです。
すぐ近くまで行ってやっとわかりました。
それは草原の中を流れる川の水路が突然陥没して大きな穴が出来たのかと思うようなものでした。
資料によると「オルホン川が溶岩台地を浸食してできた滝」と書かれていました。
写真ではちょっと分かりづらいと思いますが回りは平坦な草原です。
柵やロープなどは何もありません。(お子様連れは充分ご注意を)


上の写真の右側に滝壺まで降りていける所があるので下まで行ってきました。某ガイドブックには下まで行けるようだがどこから降りるのかは不明と書いてありましたがそれも納得です。
日本だったらとても危険でそんなところを降りて行こうなんて誰も思わないでしょう。
私は75歳のおばあさんがそこを降りて行く写真を見ていたので私も大丈夫だと思い下まで行きたいと思ったのでした。


下に降りて川辺を歩いているとき流れる水の色が違うことに気付きました。
聞いてみるとここは2つの川の合流地点で、奥の方の水が濁っているので北の方には雨が降ったけれどこの辺りは降らなかったということでした。確かに北の方は雨でした。


1時間ほど散策をして車に戻ると1人のおじさんがやってきてミュージアムを見ていかないかと言うのでちょっと覗いてみました。石や潅木などで自然に出来たオブジェが並べられていました。動物や人の形をした物ばかりですが見事な物ばかりで楽しめました。おじさんが手品をしてくれたり楽しい人でした。

しかし何か気になるのですが、このおじさんの他に奥さん?息子?孫?と言う人も私たちと一緒にこのミュージアムに入ってきて一緒に私たちの話の輪に入っているのです。
車でこの滝に到着した時10人くらいの人が来て今日はウチに泊まってくれと客引きに来ていましたがその人たちはもういませんでしたがこの3人はずっと離れないのです。
見学を終え外に出て別れを告げた後運転手がおじさんとヒソヒソ話を始めました。(私はモンゴル語はわからないのに何もここでヒソヒソ話なんかしなくてもとちょっとムカッ!)
車に乗って事情がわかりました。奥さんと息子だと思っていたのは実は宿の人でした。2人ともが自分のゲルに泊まってくれと言ってずっと離れなかったので運転手はどちらかに決めかねておじさんにどっちの方が評判がいいかを聞いていたそうなのです。

おじさんが言うには男の方は普通、女の人の方は食事が美味しいと評判がいいと言っていたそうです。
先に男の人のゲルを運転手が偵察「ダメだ、部屋が汚い」と言うことで少し離れた女の人の宿に泊まることにしました。
評判通り食事も美味しく部屋も綺麗だしとても感じが良く気持ちよく泊まれました。
娘さんが9月からウランバートルの大学に入るそうで観光業を勉強し日本語を専攻するそうです。片言の日本語ですが日本人と話ができて嬉しいと言ってくれました。

寒いので夕飯はゴリルタィ・シュル(肉うどん)にしました。
外は豪雨です。時折雹も降っているようです。
雨がゲルにしみ込んでくるのではないかと心配でしたが大丈夫でした。(ゲルはフエルトで出来ているのです)

ハラホリン2日目も静かに更けていきました。