(今でもそらで描ける理美ちゃん、大分自己流になっちゃってるけど)
漫画家小山田いく先生の訃報が伝えられました。
「すくらっぷ・ブック」「星のローカス」「ぶるうピーター」など思春期の友情や恋愛、時には確執や憎悪といった青臭い姿を瑞々しく描く一方「マリオネット師」のような社会派スタイルの描き方も模索していた作家さんでした。
でも近年は全くヒット作にも恵まれずにどの雑誌に掲載されているのかもわからないしコミックスも発売されているのかどうかもわからない状態で、ぼくも「迷い家ステーション」が最後に読んだ作品だったと思います。
それでも妻もその小山田いく先生の名を知っていたことや、この訃報がyahooニュースに出ていたことから少なくともこの初期の作品はそこそこ有名だったのかもしれません。
子どもだったぼくがその小山田先生の代表作「すくらっぷ・ブック」の単行本をなぜ手にとったのかは思い出せません。
別にスポーツ漫画やヒーロー物のように子ども心に訴えるものがあるとも思えないのに……
でも、どんなきっかけだったかはわかりませんがすぐにその作品に惹きこまれ、少ない小遣いの中1巻、また1巻とすこしずつ揃えて全11巻まで読んでいました。
そしてそのうちに気付いたのです。
ぼくはキャラクターのひとりである青木理美ちゃんが好きなんだと。
それは初恋だったのかもしれません。
初恋が2次元だったなんて今のぼくを暗示しているようですが、やがてそれは性への目覚めと繋がっていきます。
親に隠れてコソコソと理美ちゃんの絵を描きまくっていました。
戦闘機や戦車、艦艇や後にモビルスーツといったミリタリーな絵ばかりを幼い頃から描いていたぼくがそこでいきなり女の子の絵を描きだしたんです。
もちろんそんなことを親に知られるわけにはいきません。
勉強をしているフリをして隠れながら理美ちゃん、そしてその後の「ぶるうピーター」や「ウッド・ノート」の女の子を描く毎日。
きっとあまりに稚拙な絵で今それを見てみたいとはまったく思いませんが自分ではそれなりに上達していく手応えを感じてはいました。
そしてその絵を描く対象はリン・ミンメイやファ・ユイリィといったアニメの方へと移っていき小山田いく先生の作品からは自然と離れていったような気がします。
それでも自分が今描く絵でも小山田先生の影響が色濃く残っているなと感じるのですが……
今現在ぼくはデザイン系の仕事をしているので、あの時に「すくらっぷ・ブック」、そして「理美ちゃん」に出会うことがなかったら今の自分はきっと違う自分になっていただろうと思いますね。
そういった意味ではぼくの一生を決めた先生なのです。
小山田先生、素敵な作品をありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
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