ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

「科学技術コミュニケーション インターンシップ報告会」を拝聴しました

2011年03月01日 | イノベーション
 2011年3月1日の夜に開催された東京工業大学大学院の「科学技術コミュニケーション インターンシップ報告会」を拝聴しました。大学院の連携科目として、大学院生などがコミュニケーション手法などについて学ぶために、新聞社や行政府などに、インターンシップとして派遣された時の体験談などの報告会でした。

 2010年度は、国内は読売新聞社や科学技術振興機構(JST)などの4カ所、海外はBritish Council JapanやLondon Science Museumなど5カ所と合計9機関に、合計21人がインターンシップとして派遣されたそうです。英国のBritish Council Japanは、英国の国際文化交流機関であり、東京都新宿区にありますが、英語を用いたコミュニケーション能力が必要だったという理由で、海外の機関への派遣先に含めているそうです。





 実際のインターンシップの内容は、各受け入れ機関ごとにかなり異なるそうです。例えば、読売新聞社では、文部科学省などの中央官庁の記者クラブを見学し、編集記者の仕事の実態を明らかにするために、クラブ所属の記者数人にインタビューしているそうです。インターンシップに派遣された時期が、ちょうどノーベル賞の発表日である2010年10月4日から6日の3日間も含まれたため、日本のノーベル賞の有力受賞候補者がいる大学や公的研究機関での発表待ちの記者会見も体験をしたそうです。今回は、待機した有力受賞候補者は受賞しなかったのですが、待機中の記者の前後での取材活動を体験をしたとのことでした。「取材した中身のすべてを記事にする訳ではないことを知った」との感想です。

 科学技術振興機構に派遣された方々は、11月19日から21日まで3日間にわたって開催された「サイエンスアゴラ2010」という科学啓蒙のイベントに参加するインターンシップを体験したそうです。



 (この参考画像は2009年度のものです)
 派遣された大学院生たちは、このイベントの会場の様子をツイッターで実況中継する役割を任されたそうです。

 British Council Japanでは、毎年クリスマスの時期に放送される「クリスマスレクチャー」というイベントの企画などをお手伝いしたそうです。観客の子供たちに「牛の腸の長さは60メートルある」ことを具体的に見せる実物大の牛のパネルを作製し、分かりやすく表示するなどの仕掛けを企画し、作製し、展示するという体験をしたそうです。子供たちが理解できるように、どう説明するか、かなり知恵を絞ったそうです。

 この「科学技術コミュニケーション インターンシップ報告会」で体験を報告した学生の半分は女性でした。東工大大学院の学生の男女比率を考えると、女性が積極的に参加していることが分かります。また、海外機関へのインターンシップ派遣は、英語などによるコミュニケーション能力が求められるためか、海外での科学技術コミュニケーションのインターンシップ受講者は半数以上が留学生でした。多くの日本人の英語のコミュニケーション能力不足は大きな課題です(他人ごとではありません)。

 こうしたことを裏読みすると、東工大大学院の男子学生は、科学技術コミュニケーションのインターンシップ派遣に消極的だったといえます。これも"草食系”男子の成せる業なのでしょうか。女子学生の元気ぶりが目立つ報告会でした。 

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1 コメント

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サイエンスアゴラ2011は11月18~20日 (アゴラ)
2011-03-04 22:18:34
今年11月に開催される「サイエンスアゴラ2011」の開催日は2011年11月18~20日です
秋分の日との関係もあって、毎年迷走を続けてきた開催日ですが、2010年に続いて、11月の第3週の週末と決定したそうです。主催者は、「サイエンスアゴラ2010でつながったネットワークをさらに広げる1年になることを祈念します」と言っています。

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