岐阜県中津川市のJR中津川駅近くで購入した「からすみ」を味わいました。
先日、岐阜県中津川市のJR中津川駅近くを歩いている時に、電柱の看板の中に「中津川のからすみ」という表示があるのをを見つけ、海岸線から遠い中津川市でも「からすみ」が名物になっているのかと思いました。
海から遠い山梨県甲府市には、「アワビの煮貝」という名物があります。冷凍技術がなかった江戸時代に、静岡県の伊豆で採れる生のアワビを、しょう油と一緒に樽に入れて、馬の荷として甲府市などに運ぶ過程で、程よい味付けとなった“煮”アワビになり、甲州名物になっています。
中津川市でも、同様の仕組みで、沿岸部で採れるボラの卵巣を塩漬けにして運ぶ内に、程よい味になったものではないかと想像していました。
JR中津川駅近くにある、にぎわい物産館で、この「からすみ」を見つけました。中津川市の「からすみ」は、コメの粉を加工した和菓子です。今回は、にぎわい物産館で売られていた波多野製菓という和菓子屋のものを購入しました。
棒状の細長い、名古屋市などで販売されている「ういろう」に似た和菓子です。特徴は、上部に設けられた、波状の凹凸です。棒状の「からすみ」を切ると、その断面が“富士山”のような山に似た形になる点が、伝統の技になっているそうです。
このコメの粉などを加工した「からすみ」は、少し硬い「ういろう」といった感じの食感です。今回、買った「からすみ」はクルミの粒が入っているものです。山に似た形は木型に入れて、押して成形しているそうです。
この和菓子の「からすみ」は、ボラの卵巣を塩漬けにした本家の「カラスミ」(唐墨)にあやかって名称をつけたとのことです。
海岸で採れたボラの卵巣を塩漬けして加工した「からすみ」を味わった、昔の中津川市の方々は、3月3日の桃の節句に、子宝の象徴としての縁起物であるカラスミを供えたいと思いました。しかし、海岸線から遠い中津川市周辺では、叶わぬことだったので、その形を似せて、コメの粉から和菓子の「からすみ」をつくって、供えたとのことです。
江戸時代などは、海から遠い地方は、物流の仕方に制限があり、海産物は“高嶺の花”だったようです。中津川市で購入した「からすみ」は近くの恵那市などでもつくられているそうです。
現在は、物流手段が発達し、多種多様な食材を食べることができます。豊富な食材に感謝しつつ、素朴な味の和菓子の「からすみ」を味わいました。
先日、岐阜県中津川市のJR中津川駅近くを歩いている時に、電柱の看板の中に「中津川のからすみ」という表示があるのをを見つけ、海岸線から遠い中津川市でも「からすみ」が名物になっているのかと思いました。
海から遠い山梨県甲府市には、「アワビの煮貝」という名物があります。冷凍技術がなかった江戸時代に、静岡県の伊豆で採れる生のアワビを、しょう油と一緒に樽に入れて、馬の荷として甲府市などに運ぶ過程で、程よい味付けとなった“煮”アワビになり、甲州名物になっています。
中津川市でも、同様の仕組みで、沿岸部で採れるボラの卵巣を塩漬けにして運ぶ内に、程よい味になったものではないかと想像していました。
JR中津川駅近くにある、にぎわい物産館で、この「からすみ」を見つけました。中津川市の「からすみ」は、コメの粉を加工した和菓子です。今回は、にぎわい物産館で売られていた波多野製菓という和菓子屋のものを購入しました。
棒状の細長い、名古屋市などで販売されている「ういろう」に似た和菓子です。特徴は、上部に設けられた、波状の凹凸です。棒状の「からすみ」を切ると、その断面が“富士山”のような山に似た形になる点が、伝統の技になっているそうです。
このコメの粉などを加工した「からすみ」は、少し硬い「ういろう」といった感じの食感です。今回、買った「からすみ」はクルミの粒が入っているものです。山に似た形は木型に入れて、押して成形しているそうです。
この和菓子の「からすみ」は、ボラの卵巣を塩漬けにした本家の「カラスミ」(唐墨)にあやかって名称をつけたとのことです。
海岸で採れたボラの卵巣を塩漬けして加工した「からすみ」を味わった、昔の中津川市の方々は、3月3日の桃の節句に、子宝の象徴としての縁起物であるカラスミを供えたいと思いました。しかし、海岸線から遠い中津川市周辺では、叶わぬことだったので、その形を似せて、コメの粉から和菓子の「からすみ」をつくって、供えたとのことです。
江戸時代などは、海から遠い地方は、物流の仕方に制限があり、海産物は“高嶺の花”だったようです。中津川市で購入した「からすみ」は近くの恵那市などでもつくられているそうです。
現在は、物流手段が発達し、多種多様な食材を食べることができます。豊富な食材に感謝しつつ、素朴な味の和菓子の「からすみ」を味わいました。
米の粉をつかったお菓子も、当時は大変なご馳走だったことと思います。
ボラの卵巣を塩付けした、本物のからすみは贅沢品だったのでしょう。
昔の方々の質素な食生活の実態を思いました。
例えば、今は名古屋駅などで簡単に買える赤福なども、昔は伊勢神宮の側で無ければ食べられなかったものです。
京都市のおたべなど、全国的になった名産品だけではなく、まだ地方にはその地方特有の名産品があります。
江戸時代の中津川の地域の方々は、代替品ではなく、まったく異なる和菓子を「からすみ」と名付けて、お供えするしかなかったのは、やはり悲しいことです。
弊ブログにもコメントありがとうございました。
この記事のお菓子を拝見し、私の頭には、
岩手県遠野市の銘菓、「あけがらす」が思い浮かびました。
http://www.akegarasu.com/kimochi.htm
もちろんそれぞれのお菓子にはそれぞれのオリジナリティがあって、貴重なものだと思いますが、似たようなものが別々の場所で発生するということは、そのお菓子としての美味しさに必然性があるということだと感じます。
哺乳類と有袋類で、極めて似た種が発生する(オオカミとフクロオオカミ、とか)という現象と似ていると思われませんか?
コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
岩手県遠野市の名菓「あけがらす」をお教えいただき、ありがとうございます。
この「あけがらす」に含まれているクルミの実のことで、クルミの実をとる話を思い出しました。
佐久市の佐久荒船高原では、鬼ぐるみの木が多数あり、この実を採って、その果肉から中のタネ(?)を取り出し、その中のタネ(?)を取り出す作業をされた方が以前、いました。
生の実から、果肉のタネを取り出すだけでも大変な作業だったそうです。
こうした作業を昔の方は淡々と進めて、脂肪分の多いタネの中身を取り出し、加工して食べていたようです。“くるみ割り人形”などの道具を使っていたようです。
自然界から自分の力で、食材をつくり出す作業の大変さを伺いました。
現在、佐久市のスーパーでは、クルミのタネを廉価で販売しています。このため、現在は、自分でクルミを加工する方は少ないようです。
自然の恵みを享受していない時代です。私もクルミの実が成っているのを見ているだけなので、反省しています。