まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

英文契約に見られるおかしな条項

2014-03-15 22:36:05 | 商事法務

 

  • 英文契約には、一般的によく入れる条項があります。以下等ですね。

    Jurisdiction, Arbitration, Assignment, Breach, Termination, Cancellation, Confidentiality, Force Majeure, Governing Law, Heading, Language, Modification, Entire Agreement, Notice, Severability, Waiver等です。これら一般条項の解説をしているセミナー等も開かれています。英文契約を作成するときに、コピー&ペーストで、過去の例をあまり考えもせず持ってきたりしている例を見ます。これらの中で、時々見かけるおかしな例を2-3あげて見ましょう。

     

  • Termination

    If either party (“defaulting party”) should be dissolved, liquidated or become insolvent or make arrangement with the creditor, the other party shall be entitled to terminate this Agreement forthwith without giving any notice to the defaulting party. ? という条項がありました。通知無しに契約解除できるということですね。でも、通知ぐらいしないと、契約が解除されたか相手方にわからないでしょ。

     

  • Notice:

    All notices and other communications which shall or may be given under this Agreement shall be made in English Language by registered airmail or telefax.--記載した契約のやり取りをE-mail送ってきた会社がありました。

    E-mailと書いて欲しいですね。勿論、法律上の通知等は、registered airmailとすべきかもしれませんが。あるいは、courierでも良いですね。

     

  • LanguageEnglish等と入れる場合:

 

This Agreement shall be executed in English, and such English text shall prevail over any translation thereof.まあ、こういった条項を入れてはいけないという事も無いですけど、あまり意味が無いですね。勿論、少し意味ある場合もあります。仲裁地をフランスパリや中国上海で行う場合、仲裁は英語で行うという条項ぐらいは少しは意味があるかもしれません。

 

  • Assignment:

    簡単な例文としては以下ですね。 None of the parties shall have the right to assign any of its rights or liabilities under this Agreement or this Agreement to any third party without the prior written consent of the other party.この条項は良く見ますね。でも、合弁契約でグループ企業間等で起こる例はありますが、普通の取引契約ではあまりありませんし、仮に行う必要が出てきたときに合意の下に行えば良いですから、あまり意味のある条項ではないですね。親子間の例外を規定するなら、以下のように追加しておけば良いことですね。However, the parties hereto shall be entitled to assign this Agreement to any of its wholly-owned subsidiaries subject to the consent of the other party

     

 

  • NDA(Confidentiality Agreement/Secrecy Agreement)Assignment条項を入れている例を見ます。秘密保持契約に基づき相手に秘密情報を開始します。それに基づき技術情報などをDVD等に格納して開示します。NDAAssign 条項は意味が無いです。契約に基づき開示された情報をAssignする第三者に開示するかどうかが問題なのです。私はNDA契約にはAssignmentの条項は入れません。

  • 契約の性質によっては、Prohibition of Assignment and sub-licensing等と明記すべきですね。一般条項といっても、例文をそのまま持ってきてはいけないのです

  •  

 

  • 弁護士さんに英文契約書の作成を頼むと、彼らのデータベースからcopy & pasteして、不要な条項を入れて増やします(+請求金額も増えます)。また交渉まで弁護士さんにお願いすると、双方の弁護士同士、めったに使用しない条項の枝葉末節の議論を延々として、ちゃりんちゃりんと報酬を増やすことがあります。弁護士さんをきちんとコントロールしておかないと、いい鴨になりかねませんね。

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コメント
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