エリック・クラプトンが1990年代初頭にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行った42回の公演の中から、編成の異なるいくつかの演奏をピックアップしてつなげたコンサート映画『エリック・クラプトン アクロス24ナイツ』を見ました。私の世代にとっては感慨深い作品でした。
私は特に熱心なクラプトンファンではなかったし、初期のクラプトンはリアルタイムで聞いていた世代でもありません。ですから特別な感慨はないのだろうなと思って映画を見始めました。しかし、映画で演奏される曲はほとんど知っていました。そして生演奏の緊張感は私たちの時代のものであり、体にしっくりくるような感覚になりました。
特によかったのは、アルバート・コリンズやバディ・ガイをゲストに招いたブルース・ナイト。クラプトンが一歩引いて演奏してましたが、クラプトンのクラプトンらしいのはやはりブルースです。一番かっこよく見えます。
そして「レイラ」のオーケストラバージョンはやはりすごかった。当初私はあまり「レイラ」は好きではなかったのですが、いつの間にかロック界の古典となり、体になじむ曲になっていたことに気づかされました。オーケストラとの共演は高揚感さえありました。
ロックが一番幸福だった時代を体験する名画でした。