関西テレビの月曜日の午後10時からのドラマ『春になったら』がいい。
木梨憲武演じる父親と奈緒演じる娘の二人暮らしの家族の物語である。2人が突然の告白をする。娘は3か月後に売れないお笑い芸人と結婚すると言い、父親は余命3か月だと言うのだ。余命3か月の父親という設定は若干真実味に乏しい気がするが、それでも木梨憲武が昭和の頑固おやじを丁寧に演じ、無理なく見える。
なによりいいのが、丁寧に描いているということである。最近のドラマはどうしてもわかりやすくて奇想天外な筋に陥り、丁寧さに欠ける。ところがこのドラマはとても丁寧に描いている。それによって登場人物の気持ちがセリフ以上に伝わってくる。今週の第2回の伊豆の海岸のシーンはすばらしかった。泣けてくる。
脚本は福田靖。はずれがなくどのドラマも面白かったが今回が最高傑作になるような予感がする。木梨憲武は役者としても味わいがあり、奈緒はやはり何を演じてもその人物を魅力あるものにする。脇役もみんな手を抜かず、いいドラマにしようという意志が感じられる。おそらくスタッフも時間を十分かけて準備したのであろう。チームワークが感じられるドラマだ。
2回目までしか見ていないが、このままの調子で最後まで続いてほしい。そうすれば歴史に残るドラマになる。期待する。
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