理論言語学をもとに言語を理解するロボットを作ろうとするとどのような困難が伴うかを説明してくれる本です。
現在自動翻訳機や、会話をするロボットなど、IT技術が言葉分野にまでどんどん進出しています。Siriなどスマホで音声で聞くと音声で答えてくれる機能などもあり、よくこんなことまでできるようになったと感心します。まだまだ先だと思っていた技術が、いつの間にかできるようになっている。IT技術の進化は加速度的です。しかし現実には人間にはまだまだ程遠い。
言語はITにとって大きな壁になっているとのことです。ロボットの「東ロボ君」が東大受験をするというプロジェクトが進められていました。をあきらめたのも、やはり国語の試験で点が取れないからだそうです。文脈理解ができない。もちろん今後克服していくかもしれませんが、言葉はロボットにとって大きな壁であることはあきらかです。
この本はコンピューターが自然言語を処理するためにどのような方策をとっているのかを、イメージしやすく教えてくれます。そして今現在ぶち当たっている壁についても教えてくれます。言葉と人間は切っても切れない関係にあります。言葉とは何か。考えるべき大きなテーマだと思います。おもしろい本でした。