役にはたたないが、人畜無害の話をしてみる。下の写真はサンカンペーンからチェンマイへ向かう国道の道路標識である。何の変哲もないようにみえるが、いままでこのような道路標識はなかったことから、ちょっとした変化があったことが伺われる。
何が変ったかと云えば、標識中段に記載されている文字である。これはランナー朝の文字で、確かユアン文字といっていたように記憶している(記憶が正しいかどうか?)。この文字のオリジンはスリランカにあるとも聞いていた記憶がある。
過去、仕事の関係でチェンマイ滞在中、このユアン文字を勉強したことがないので詳細をしらないが、古い文献にはこの文字が記載されている。上段の文字は現在のタイの国字である。
なぜユアン文字を併記するようになったであろうか? ランナー文化を懐古し、現代風にアレンジして発展させようとの企図があるのかどーか? 当局にどのような計画があるにせよ、古きをたずねることは良いことである。
紙幣の写真は、スリランカの現行紙幣である50ルピー札である。多民族国家らしく、シンハラ語、タミール語などの表記があるが、少し大きな中央の文字はシンハラ文字である。
道路標識の赤枠で囲ったユアン文字と、50ルピー札の赤枠で囲った文字は形がほぼ同じであり、確かに兄弟関係を認識することができる。
13~15世紀における東南アジア諸国間の交流、とりわけ北部タイとミャンマー、スリランカ間の交流はアンダマン海とインド洋を介して活発に行なわれていた。
同時代の島国日本も勘合貿易、朱印船貿易、倭寇に代表されるように、諸外国と積極的に交易していたが、その後の鎖国により、諸外国との交流は長崎・出島に限られ太平の眠りにはいることになる。日本人の国際感覚のなさは、徳川250年の鎖国政策に源を発しているとかんがえるが、曲解であろうか?
<了>
https://blog.goo.ne.jp/hgn_jp/e/8641ae450b21dc786bfa502a990c0525
私は、このようにお寺でしか見たことがありませんでした。実際に理解できる人がほぼ研究者に限られるこのような文字が、多く目に触れるようになるのもおもしろいですね。
何か意図があるのかと勘ぐってしまいます(^^;